映画評「浮かれ姫君」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
1935年アメリカ映画 監督W・S・ヴァン・ダイク
ネタバレあり

ミュージカル史劇。

恐らくは18世紀後半のブルボン(ルイ)王朝。
 歌好きの王女若しくは公女マリー(ジャネット・マクドナルド)は、スペインの公爵カルロスとの政略結婚に気が進ます、余り恵まれない独身女性が結婚の為にアメリカにおけるフランス植民地ルイジアナに向かうカスケット・ガールの許可証を恋人がいる為フランスに留まりたい下女から、助ける代わりに貰って、小鳥のように抜け出して船上の人になる。
 海賊に襲われて連行されるところをフランスの傭兵隊長ウォリントン大尉(ネルスン・エディ)に助けられ、歌のうまい彼に好感を覚える。暫く身分を誤魔化しかつ求婚者を避ける時間が続くが、彼との仲がステディになった頃、連れ戻しに伯父の伯爵と婚約者が現れる。
 諦めた時、出発前の晩餐会に大尉が現れ、軍隊の部下をうまく使って会場からめでたく抜け出す。

戦前、踊りのフレッド・アステア=ジンジャー・ロジャーズのコンビに対して、歌のコンビとして人気だったらしいジャネット・マクドナルドとネルスン・エディのコンビぶりを見るべき作品。とりわけ晩餐会でのデュエットが素晴らしくて堪能できる。ジャネット・マクドナルドは何作も観ているが、声楽家のエディは初めて。歌はさすがに立派でござる。

カスケット・ガールという制度が勉強になるが、ミュージカルだから小難しい理屈をこねずに楽しむに限ります。

監督は畑違いのW・S・ヴァン・ダイクとなっているものの、ミュージカル場面は専門のロバート・Z・レナードが面倒を見たようだ。

“インディアン? 先住民のことね!?” という台詞が面白い。インディアンという言葉を使いたがらない人々なら、これをどう訳すだろうか?

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