映画評「感じるんです」
★(1点/10点満点中)
1976年日本映画 監督・白鳥信一
ネタバレあり
同時代に名前だけはよく知っていた泉じゅんのデビュー作。原作者の泉大八が自分の苗字とヒロインじゅんの名前から芸名を考え出した。
映画館でロマン・ポルノを観たことはないが、1983年に「大江戸捜査網」の一挿話で彼女を発見した(海女役)のが最初の出会いで、次に観たのが一昨年WOWOWで放映された一般映画「犬神の悪霊」(1977年)。デビュー当時は一般映画とロマン・ポルノとの間で方向性を定めようとしていたようだ。
本作は青春映画で、ポルノならではの場面こそ多けれ、定石的な物語で、甚だ馬鹿らしくつまらない。ロマン・ポルノが良いのは上映時間が短いことに尽きる。
好奇心はいっぱいなのに奥手で初体験をしていないヒロインじゅんに対して、親友・水城ゆうが、相思相愛の御曹司・信太且久を初体験に導いてやる、という物語。
御曹司が医師の家系で、母親・絵沢萌子が首を突っ込んで来るわ、久々に再会した中学時代の教師との関係を信太君が誤解するわで、ヒロインは【日陰の女】の道に落ち込むが、遂に彼と初体験だけは済ます。手切れ金として渡された300万円をさびれた教会の再建の為に寄付しようと訪れたところで終わり。
前半は昔観たイタリア映画の筆卸しもののように他愛なく、まして棺桶に半分足を突っ込んでいる老骨には感興が湧きにくい。
後半になると、心理の問題も色々と絡んできて少しドラマ的な面白味が出、一定の映画的ムードも醸成されて来るが、白鳥信一なる監督に特段目を引く演出や個性がなくて、どうも物足りない。他の人は知らず僕には、大半のロマン・ポルノは大した話がないから、演出やカメラに面白味がないと退屈が先行してしまうのである。
泉じゅんは、マスク的に日活ロマン・ポルノの女優のうち好きなタイプ。
今日これから隣近所の告別式。忙しいので、順番を変えて、簡単に済みそうな本作を選びました。
1976年日本映画 監督・白鳥信一
ネタバレあり
同時代に名前だけはよく知っていた泉じゅんのデビュー作。原作者の泉大八が自分の苗字とヒロインじゅんの名前から芸名を考え出した。
映画館でロマン・ポルノを観たことはないが、1983年に「大江戸捜査網」の一挿話で彼女を発見した(海女役)のが最初の出会いで、次に観たのが一昨年WOWOWで放映された一般映画「犬神の悪霊」(1977年)。デビュー当時は一般映画とロマン・ポルノとの間で方向性を定めようとしていたようだ。
本作は青春映画で、ポルノならではの場面こそ多けれ、定石的な物語で、甚だ馬鹿らしくつまらない。ロマン・ポルノが良いのは上映時間が短いことに尽きる。
好奇心はいっぱいなのに奥手で初体験をしていないヒロインじゅんに対して、親友・水城ゆうが、相思相愛の御曹司・信太且久を初体験に導いてやる、という物語。
御曹司が医師の家系で、母親・絵沢萌子が首を突っ込んで来るわ、久々に再会した中学時代の教師との関係を信太君が誤解するわで、ヒロインは【日陰の女】の道に落ち込むが、遂に彼と初体験だけは済ます。手切れ金として渡された300万円をさびれた教会の再建の為に寄付しようと訪れたところで終わり。
前半は昔観たイタリア映画の筆卸しもののように他愛なく、まして棺桶に半分足を突っ込んでいる老骨には感興が湧きにくい。
後半になると、心理の問題も色々と絡んできて少しドラマ的な面白味が出、一定の映画的ムードも醸成されて来るが、白鳥信一なる監督に特段目を引く演出や個性がなくて、どうも物足りない。他の人は知らず僕には、大半のロマン・ポルノは大した話がないから、演出やカメラに面白味がないと退屈が先行してしまうのである。
泉じゅんは、マスク的に日活ロマン・ポルノの女優のうち好きなタイプ。
今日これから隣近所の告別式。忙しいので、順番を変えて、簡単に済みそうな本作を選びました。
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