映画評「秘密指令」
☆☆★(5点/10点満点中)
1949年アメリカ映画 監督アンソニー・マン
ネタバレあり
1950年代以降アンソニー・マンがほぼ西部劇監督に専念する前の一種のフィルム・ノワール。一種のというのは、フランス革命後の恐怖政治をテーマにしているからである。「恐怖時代」という別邦題がある。
「紅はこべ」の続編のような感じだが、あそこまで大衆的にはなっていない。
現在日本の世評は非常に良い。しかし、僕の印象では、画面の構図をを含めた演出はマンらしくなかなか良い一方で、お話は面白いような面白くないような微妙な印象を醸成している。
革命後独裁者に近づいたロベスピエールが、有名なダントンを処刑に追い込んだ後、穏健派バラスを筆頭に身内を含めたライバルたちを処刑すべく死刑執行人デュヴァルを招聘するが、彼が独裁者になるのを阻止したいバラスに近い青年シャルル(ロバート・カミングズ)がデュヴァルを殺して成りすますと、関係者がざわざわする原因となっている処刑リストを捜した末に遂に奪取、同じく狙っているフーシェ(アーノルド・ボス)を倒して、恋人マデロン(アーレン・ダール)と共に逃避行する。
逃げに逃げた末に民家に隠れた二人は、やがてやって来たロベスピエールの追手たる軍人たちの居座られてヒヤヒヤすることになる。
サスペンスとしてはここが一番楽しめる。そして、処刑リスト争奪戦の結果がロベスピエールの処刑、という内容である。
主人公に扮するのが軽量級ロバート・カミングズなので、史劇として見ると物足りないが、ヒッチコックの亜流として観ればそこそこ楽しめる。
しかし、断然良いのはロー・キーの画面で、為に影が効果を発揮するショットが多い。
画面で映画を見る人には、人物を画面の前後に並べるショットが一般的な作品より多くて楽しめる縦の構図が幾つかあるが、言葉に関してどうにも神経質な僕はストラスブールの代わりにストラスブルグと字幕が出るのが気になって集中できなかった。
言葉に関しては異常に神経質な僕です。
1949年アメリカ映画 監督アンソニー・マン
ネタバレあり
1950年代以降アンソニー・マンがほぼ西部劇監督に専念する前の一種のフィルム・ノワール。一種のというのは、フランス革命後の恐怖政治をテーマにしているからである。「恐怖時代」という別邦題がある。
「紅はこべ」の続編のような感じだが、あそこまで大衆的にはなっていない。
現在日本の世評は非常に良い。しかし、僕の印象では、画面の構図をを含めた演出はマンらしくなかなか良い一方で、お話は面白いような面白くないような微妙な印象を醸成している。
革命後独裁者に近づいたロベスピエールが、有名なダントンを処刑に追い込んだ後、穏健派バラスを筆頭に身内を含めたライバルたちを処刑すべく死刑執行人デュヴァルを招聘するが、彼が独裁者になるのを阻止したいバラスに近い青年シャルル(ロバート・カミングズ)がデュヴァルを殺して成りすますと、関係者がざわざわする原因となっている処刑リストを捜した末に遂に奪取、同じく狙っているフーシェ(アーノルド・ボス)を倒して、恋人マデロン(アーレン・ダール)と共に逃避行する。
逃げに逃げた末に民家に隠れた二人は、やがてやって来たロベスピエールの追手たる軍人たちの居座られてヒヤヒヤすることになる。
サスペンスとしてはここが一番楽しめる。そして、処刑リスト争奪戦の結果がロベスピエールの処刑、という内容である。
主人公に扮するのが軽量級ロバート・カミングズなので、史劇として見ると物足りないが、ヒッチコックの亜流として観ればそこそこ楽しめる。
しかし、断然良いのはロー・キーの画面で、為に影が効果を発揮するショットが多い。
画面で映画を見る人には、人物を画面の前後に並べるショットが一般的な作品より多くて楽しめる縦の構図が幾つかあるが、言葉に関してどうにも神経質な僕はストラスブールの代わりにストラスブルグと字幕が出るのが気になって集中できなかった。
言葉に関しては異常に神経質な僕です。
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