映画評「search/#サーチ2」
☆☆★(5点/10点満点中)
2023年アメリカ映画 監督ウィル・メリック、マイケル・D・ジョンスン
ネタバレあり
パソコンとスマホの画面だけでお話が進行するという21世紀ネット時代らしいワン・アイデアが上手く生きて、カット割りに注視して見る為この手のPOV映画に自ずと厳しい評価になりがちな僕をも感心させた「サーチ」の、親子逆転版である。為に「サーチ」が原案という扱いのようである。
監督はアニーシュ・チャガンティから別のお二人に代わり、チャガンティは製作陣に回るという1990年代以降ワン・アイデア・ヒット映画でよくある過程を辿っている。
幼少の時白人の父親ティム・グリフィンと死に別れた18歳のアフリカ系とのハーフ少女ストーム・リードが、交際中の中国系ケン・レオンとコロンビアに出かけた筈の母親ニア・ロングと連絡が取れなくなり大いに焦り、パソコンとスマホに搭載されているあらゆるアプリを使い、あるいは親友の南アジア系少女ミーガン・スリの協力を得るなどして他人のSNSなどにも入り込むなどして、やがてレオン氏の意外な過去や別人が母親に成りすまして飛行機に搭乗していたという驚愕の事実に遭遇するうち、程なく彼女の身に危険が迫って来る。
最後のワン・フレーズは一種のミステリーとして書きたくないくらい重要なネタであるが、ここまで書かないと、サスペンスという映画の性格が曖昧になるし、僕が将来この作品について参照することがあった時にストーリーの肝が解らないという憂き目にも遭いかねないので、申し訳ございませんが、書かせて戴きました。
十分あるいは前作以上に楽しめる内容かもしれないが、この手のワン・アイデアは二番煎じという印象に陥りやすいという弱点は否めない。
また、アクション性を増す狙いがあったらしく、娘が激しく動くので、ヒロイン自身が映っている画面が誰の視点によるものか曖昧でPOV(主観ショット)とは言い難いショットがチラホラする。これがPOVだけで進行している体裁の映画としては弱いのである。僕は二番煎じ以上にこちらが気になった。
劇中出て来るアプリに知らないものが多くて、作劇上よく考えられてるのだろうとは思いつつ、その機動性が理解しきれないのも残念。
色々な人種が絡むのがいかにも現在の映画。それは良いのだが、ここ数年観た欧米映画の主人公夫婦は殆ど異人種カップル。つまり、映画の世界では同じ人種のカップルがマイノリティなのだ。欧米映画人は映画で啓蒙をしているわけだが、余りこれをやられると、不自然すぎて、しなくても良い文句を言いたくなる。
2023年アメリカ映画 監督ウィル・メリック、マイケル・D・ジョンスン
ネタバレあり
パソコンとスマホの画面だけでお話が進行するという21世紀ネット時代らしいワン・アイデアが上手く生きて、カット割りに注視して見る為この手のPOV映画に自ずと厳しい評価になりがちな僕をも感心させた「サーチ」の、親子逆転版である。為に「サーチ」が原案という扱いのようである。
監督はアニーシュ・チャガンティから別のお二人に代わり、チャガンティは製作陣に回るという1990年代以降ワン・アイデア・ヒット映画でよくある過程を辿っている。
幼少の時白人の父親ティム・グリフィンと死に別れた18歳のアフリカ系とのハーフ少女ストーム・リードが、交際中の中国系ケン・レオンとコロンビアに出かけた筈の母親ニア・ロングと連絡が取れなくなり大いに焦り、パソコンとスマホに搭載されているあらゆるアプリを使い、あるいは親友の南アジア系少女ミーガン・スリの協力を得るなどして他人のSNSなどにも入り込むなどして、やがてレオン氏の意外な過去や別人が母親に成りすまして飛行機に搭乗していたという驚愕の事実に遭遇するうち、程なく彼女の身に危険が迫って来る。
最後のワン・フレーズは一種のミステリーとして書きたくないくらい重要なネタであるが、ここまで書かないと、サスペンスという映画の性格が曖昧になるし、僕が将来この作品について参照することがあった時にストーリーの肝が解らないという憂き目にも遭いかねないので、申し訳ございませんが、書かせて戴きました。
十分あるいは前作以上に楽しめる内容かもしれないが、この手のワン・アイデアは二番煎じという印象に陥りやすいという弱点は否めない。
また、アクション性を増す狙いがあったらしく、娘が激しく動くので、ヒロイン自身が映っている画面が誰の視点によるものか曖昧でPOV(主観ショット)とは言い難いショットがチラホラする。これがPOVだけで進行している体裁の映画としては弱いのである。僕は二番煎じ以上にこちらが気になった。
劇中出て来るアプリに知らないものが多くて、作劇上よく考えられてるのだろうとは思いつつ、その機動性が理解しきれないのも残念。
色々な人種が絡むのがいかにも現在の映画。それは良いのだが、ここ数年観た欧米映画の主人公夫婦は殆ど異人種カップル。つまり、映画の世界では同じ人種のカップルがマイノリティなのだ。欧米映画人は映画で啓蒙をしているわけだが、余りこれをやられると、不自然すぎて、しなくても良い文句を言いたくなる。
この記事へのコメント
主人公の父親は白人で、母親の新しい彼氏がアジア系でしたね。たしかに、なにか無理やり異人種カップルにしてるように見える。
パソコン、誰も見ていないのに画面が変わるときがありましたでしょう、カーソルが動いたりして。あれも「?」なんですが、最近はAIも進化しているし、劇中のお遊びなのかもしれないので、あまり気にしないようにしました(笑)
DVの問題がわかりやすく描かれてたのはよかったです。
>たしかに、なにか無理やり異人種カップルにしてるように見える。
これ一本なら寧ろ”面白い”と言いたいくらいですから、今はこれはスタンダーですから。
>最近はAIも進化しているし、劇中のお遊びなのかもしれないので、あまり気にしないようにしました(笑)
それが賢いですね。
僕は左脳人間ですので、どうもこういう理屈が気になって仕方がありません(笑)