映画評「ダーク・グラス」
☆★(3点/10点満点中)
2022年イタリア映画 監督ダリオ・アルジェント
ネタバレあり
ストーリーテラーとしてまるで感心しない監督者ではあるが、ダリオ・アルジェントの監督作でなければまずは観なかったであろうという内容である。
コールガールが何者かに首を切られて殺される。その後同業者のイレニア・パストレッリが運転する車が、白いワンボックス・カーに追突されて、中国系家族の乗る自動車と衝突する。彼女はこの事故で失明し、両親を失って施設に引き取られた少年アンドレア・チャンを訪れ、最終的に少年に請われて自宅に置くことにする。
少年の失踪に彼女を疑って刑事二人が訪れるが、夜半再訪した時に、彼女を襲いに来ていたワンボックスカーの持ち主に呆気なく殺される。
イレニアとチャン少年は既に、盲者を援助指導している中年女性アーシア・アルジェントの家に逃げているが、チャン少年がかけた携帯電話に出たのはワンボックス・カーの連続殺人犯であり、その為にアーシアは殺され、逃走も空しく二人は拉致されてしまう。
このホラーで唯一納得したのは、殺された刑事の携帯電話に電話をしたことが二人にとって助けになるどころかピンチを広げてしまうという流れである。前段で刑事が殺された事件の回収になってい、前後の脈絡がデタラメであることが多いアルジェントとしてはかなりきっちりしている。
その代わり、登場人物の行動には不合理が目立つ。要は頭が悪いんじゃないかと思われる行動が多すぎる。暗闇の中にいるのを生かして大声を立てないとか、盲者を置いてどこかに行くべきではない、といった基本的な行動をまるで無視し、それを納得させるだけの説明がない。これでは白けるだけである。
最後は盲導犬が大活躍。犯人が犬のブリーダーという設定が面白く機能する。
誰がどう見ても犯人は娼婦嫌いの為に犯行を繰り返しているのだか、ヒロインには “臭いと言われた(のが襲う理由)” とわけの解らんことを言う。他の娼婦たちも男に同じことを言ったのだろうか? こういう変てこな部分がアルジェントには多い。一言 “娼婦が嫌いなのさ” で良かっただろう。
タイトルを見て、カーク・ダグラスを思い出す老骨映画ファンです。殆どそのアナグラム!
2022年イタリア映画 監督ダリオ・アルジェント
ネタバレあり
ストーリーテラーとしてまるで感心しない監督者ではあるが、ダリオ・アルジェントの監督作でなければまずは観なかったであろうという内容である。
コールガールが何者かに首を切られて殺される。その後同業者のイレニア・パストレッリが運転する車が、白いワンボックス・カーに追突されて、中国系家族の乗る自動車と衝突する。彼女はこの事故で失明し、両親を失って施設に引き取られた少年アンドレア・チャンを訪れ、最終的に少年に請われて自宅に置くことにする。
少年の失踪に彼女を疑って刑事二人が訪れるが、夜半再訪した時に、彼女を襲いに来ていたワンボックスカーの持ち主に呆気なく殺される。
イレニアとチャン少年は既に、盲者を援助指導している中年女性アーシア・アルジェントの家に逃げているが、チャン少年がかけた携帯電話に出たのはワンボックス・カーの連続殺人犯であり、その為にアーシアは殺され、逃走も空しく二人は拉致されてしまう。
このホラーで唯一納得したのは、殺された刑事の携帯電話に電話をしたことが二人にとって助けになるどころかピンチを広げてしまうという流れである。前段で刑事が殺された事件の回収になってい、前後の脈絡がデタラメであることが多いアルジェントとしてはかなりきっちりしている。
その代わり、登場人物の行動には不合理が目立つ。要は頭が悪いんじゃないかと思われる行動が多すぎる。暗闇の中にいるのを生かして大声を立てないとか、盲者を置いてどこかに行くべきではない、といった基本的な行動をまるで無視し、それを納得させるだけの説明がない。これでは白けるだけである。
最後は盲導犬が大活躍。犯人が犬のブリーダーという設定が面白く機能する。
誰がどう見ても犯人は娼婦嫌いの為に犯行を繰り返しているのだか、ヒロインには “臭いと言われた(のが襲う理由)” とわけの解らんことを言う。他の娼婦たちも男に同じことを言ったのだろうか? こういう変てこな部分がアルジェントには多い。一言 “娼婦が嫌いなのさ” で良かっただろう。
タイトルを見て、カーク・ダグラスを思い出す老骨映画ファンです。殆どそのアナグラム!
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