映画評「新・明日に向って撃て!」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
1979年アメリカ映画 監督リチャード・レスター
ネタバレあり

43年前に余り期待しないで観たが、案外面白かった記憶がある。【続】にしなかったのはセンスが良いとすべきか。今なら【ビギニング】となっていただろうが、サブタイトルを付ける風潮がなかった時代らしいすっきりした邦題だ。

変な条件を付けて釈放して貰ったブッチ・キャシディ(トム・ベレンジャー)が、賭場での撃ち合いを助けた縁で、後に命名するサンダンス・キッド(ウィリアム・カット)と知り合い、勘違いで復讐しようと追って来る元仲間ブライアン・デネヒーから逃げる為にジフテリアの血清を雪深い北部に届けることにして危く死にかけたり、妻ジル・アイケンベリーと二人の息子のいる家に戻って暫しの堅気生活を送る。
 が、ここにもデネヒ―が現れたので逃げ出し、結局、サンダンスがデネヒーを仕留めた後、騎兵隊が乗っていると知りながら列車強盗を働く。

実に賑やかな青春アクション的装いの西部劇になってい、コミカルな要素が多いのは、ビートルズ映画二本や「三銃士」「四銃士」シリーズでお笑いを交えたアクションを得意とするリチャード・レスターが担当するにふさわしく、快調に展開させていると言うべし。
 騎馬隊が大金を持って逃げた二人を追おうとしたら馬がその前に解放されていてがっくり、という一幕などレスターの映画らしい味わい。

この後B級アクションで大いに売り出すトム・ベレンジャーはポール・ニューマンの面影があり、この手の配役としては似ている部類だろう。ウィリアム・カットは「ビッグ・ウェンズデー」もあったしもう少し売れるかと思ったが、劇場用の話題作と言うべき作品には殆ど主演できていない。

明日と言えば、いよいよ明日で今年も終わる。紅白楽しみだなあ(嘘!)。

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