映画評「007/ワールド・イズ・ノット・イナフ」
☆☆☆(6点/10点満点中)
1999年イギリス=アメリカ合作映画 監督マイケル・アプテッド
ネタバレあり
「007」シリーズ第19作。
前回ブログで取り上げていない007は本作だけと述べたが、次の第20作も取り上げていなかった。訂正してお詫び致します。
MI6の構内でイギリスの石油王(その名もキング)が特殊工作で爆死させられる。ボンド(ピアース・ブロスナン)が奪還したキング氏供出の紙幣が爆弾、氏のブローチ(偽物)が起爆装置の代わりになっていたのである。
その娘ソフィー・マルソーは反資本主義テロリストのロバート・カーライルに誘拐されたことがあり、今は亡き父親に変わってアゼルバイジャンの油田を仕切っている。アゼルバイジャンに飛んだボンドは、交流するうちに彼女がストックホルム症候群になっているのではないかと疑う。
カーライルがソ連の核兵器を利用しようとしているのを知ると、核物理学者のバッジを奪って、廃棄進行中のカザフスタンの旧ミサイル基地に紛堂々と潜入する。ここにテロリストを含んだ三者の銃撃戦が盛大に行われ、廃棄を指導していた西側の女性物理学者デニーズ・リチャーズを救出し、カーライルの一味と対峙することになる。
前回は爆死の謎などミステリーとしての面白さを買って前作「トゥモロー・ネバー・ダイ」より★一つを余分に進呈したが、今回は逆に乗り物を生かしたアクションの面白味で落ちるような気がする為総合的に引き分けくらいと考える。
画面が売りであるスパイ・アクションものでは画面に華がないと物足りなく思うのが人情。アクションで前作、ボンド・ガールたちでぐっと若い三人衆(最初の美人マリア・グラツィア・クチノッタを忘れている人が多い)を繰り出す本作の勝ちといったところ。デニーズ・リチャーズは物理学者に全然見えませんがね。
そのアクションでは雪山に現れるパラグライダーの暗殺団がちょっと面白いが、これを含めてスキー系列のアクションは「女王陛下の007」に遠く及ばない。格闘それに類する擬斗ではピアース・ボンドのいつも通り地味。この人は乗り物を操る場面のほうが映えるようだ。
監督は、実は本作のような大作より小品に良いものが多く結構ご贔屓にしてきたマイケル・アプテッド。
マイケル・アプテッド、大作のお鉢が回ってアプセット(動揺)。
1999年イギリス=アメリカ合作映画 監督マイケル・アプテッド
ネタバレあり
「007」シリーズ第19作。
前回ブログで取り上げていない007は本作だけと述べたが、次の第20作も取り上げていなかった。訂正してお詫び致します。
MI6の構内でイギリスの石油王(その名もキング)が特殊工作で爆死させられる。ボンド(ピアース・ブロスナン)が奪還したキング氏供出の紙幣が爆弾、氏のブローチ(偽物)が起爆装置の代わりになっていたのである。
その娘ソフィー・マルソーは反資本主義テロリストのロバート・カーライルに誘拐されたことがあり、今は亡き父親に変わってアゼルバイジャンの油田を仕切っている。アゼルバイジャンに飛んだボンドは、交流するうちに彼女がストックホルム症候群になっているのではないかと疑う。
カーライルがソ連の核兵器を利用しようとしているのを知ると、核物理学者のバッジを奪って、廃棄進行中のカザフスタンの旧ミサイル基地に紛堂々と潜入する。ここにテロリストを含んだ三者の銃撃戦が盛大に行われ、廃棄を指導していた西側の女性物理学者デニーズ・リチャーズを救出し、カーライルの一味と対峙することになる。
前回は爆死の謎などミステリーとしての面白さを買って前作「トゥモロー・ネバー・ダイ」より★一つを余分に進呈したが、今回は逆に乗り物を生かしたアクションの面白味で落ちるような気がする為総合的に引き分けくらいと考える。
画面が売りであるスパイ・アクションものでは画面に華がないと物足りなく思うのが人情。アクションで前作、ボンド・ガールたちでぐっと若い三人衆(最初の美人マリア・グラツィア・クチノッタを忘れている人が多い)を繰り出す本作の勝ちといったところ。デニーズ・リチャーズは物理学者に全然見えませんがね。
そのアクションでは雪山に現れるパラグライダーの暗殺団がちょっと面白いが、これを含めてスキー系列のアクションは「女王陛下の007」に遠く及ばない。格闘それに類する擬斗ではピアース・ボンドのいつも通り地味。この人は乗り物を操る場面のほうが映えるようだ。
監督は、実は本作のような大作より小品に良いものが多く結構ご贔屓にしてきたマイケル・アプテッド。
マイケル・アプテッド、大作のお鉢が回ってアプセット(動揺)。
この記事へのコメント
ソフィー・マルソーが出演したのは驚きました。当時33歳?10代の頃より良かったです。
デニーズ・リチャーズに関する意見は皆さん同じのようです(笑)。
最近僕はちょっと映画から離れています。昔懐かしい(?)「必殺仕掛人」と「気まぐれ本格派」をCATVから録画して見るのが精一杯と言った感じです。リアルタイムでは全く見ていませんでした。
>ソフィー・マルソー
1966年生まれですから、撮影中は32歳かもですね。
蟷螂の斧さんと大体同じくらいの世代でしょう?
ボンド・ガールは昔からかなり国際的でした。しかし、黒人がボンド・ガールとして出たのは「美しき獲物たち」のグレイス・ジョーンズが初めてかな?
>最近僕はちょっと映画から離れています。
野外批評家の僕は勿論観ていますが、最近の映画は映画らしくないので、昔の映画を観たいけれど、僕が観たいのは配信にもない。お金を出せばあ程度観られるでしょうが、まだそこまでは食い詰めていません(笑)
本と音楽はまだまだ掘りつくしていませんので、当分困らない(笑)
TVシリーズは余り語れません。申し訳ないです。
>黒人がボンド・ガールとして出たのは「美しき獲物たち」のグレイス・ジョーンズが初めてかな?
「死ぬのは奴らだ」のグロリア・ヘンドリーもなかなかいいです。
https://www.youtube.com/watch?v=vFOQ26hsCMo
>僕が観たいのは配信にもない。
ショーン・コネリーが007シリーズに嫌気がさしていた頃に喜んで出演した「素晴らしき男」を一度見たいです。
https://www.youtube.com/watch?v=225W4-vi5zQ
NHK BS 無理ですか~?
>自民党の3つの派閥が解散。それで日本の政治は変わりますか?
変わりません。岸田君がやりやすくはなるでしょう。
派閥は、集金機能をなくし、純粋に思想集団として機能すれば、党が多様化して望ましい。問題は集金機能なんです。
しかし、解散しても、例によって、喉元過ぎれば熱さを忘れるの伝で、来年辺りにはまた復活しますよ。茶番の至り。
>「死ぬのは奴らだ」のグロリア・ヘンドリーもなかなかいいです。
観たそばから忘れてしまう映画(一番良いのはウィングズの主題歌ですね。ビートルズ解散後の曲の中でかなり人気らしい)。
動画を見ても、こんなシーンあったかいなとなってしまう。
女優の名前もまるで憶えていないです。どうもすみません。
>「素晴らしき男」を一度見たいです。
>NHK BS 無理ですか~?
BSも一つに統一して、そうでなくても手抜きが目立っていた映画が、さらに本数が減っています。中途半端に新しい映画を多くし、映画ファンではなくて一般ファンに迎合しているので、まるで期待薄。
期待して良いのは西部劇だけ。一流から三流まで洩れなく(?)放映しています。何故こんなに拘っているのかまるで解りません。