映画評「明日なき追撃」
☆☆☆(6点/10点満点中)
1975年アメリカ映画 監督カーク・ダグラス
ネタバレあり
40年以上前に一度観ているが、当時は生意気盛りと言うか、そもそもお話を面白く感じず、☆☆★相当の評価を留めた。主演と監督を兼ねた、当時のカーク・ダグラスより年齢を重ねて観た今回はそれなりに楽しめ、★一つ分評価アップ。早速IMDbに行って採点を変えてきましたよ。
連邦保安官のダグラスが、5人の名うてのガンマンを集めて作られたチームを指揮して、悪名高い強盗犯ブルース・ダーンの一味を急襲、納屋に火を付けてそこに身を潜めていた一味を皆殺しにする。それを外で眺めていてボスのダーンは生き残るものの、結局上院議員への道を確実にする為にこの悪党を利用するダグラスに捕らえられる。
連邦保安官はこれで当選も確実と意気揚々と列車で彼を護送しようとするが、ダーンは保安官の配下たちより知恵が回り、閉じ込められていた貨車に火をつけて脱走、ダグラスを捕縛して最初の町に堂々と戻って来る。
ここまで政治家を目指す野心たっぷりの人物に対する諧謔的な態度が見られ、残虐味のある西部劇としても人間劇としてもそこそこ楽しめるが、ここからがもっと楽しめる。
ダーンはダグラスの生命と引き換えに焼失した大金を集め(つまり強盗す)るよう保安官の配下に強制し、強奪金の一部を与えたことで4人の配下はダーンに従い、それを見てダグラスは残った一人と共に歯ぎしりする。
善がいともたやすく悪に転じる人間風刺の面白味が爆発し、ニヤッとせざるを得ないわけである。
連邦保安官の性格は指摘する人が少なからずいらっしゃるように、ダグラスが若い頃演じた「地獄の英雄」の記者と通底するが、しかし、もっと悪辣で観客が“ざまーみろ”と思うくらいにした方が、最後で風刺の可笑し味だけではなく、痛快さも出たにちがいない。
ご贔屓ブルース・ダーンはいつも通りのに面白さ。ダグラスとしてはほぼ狙い通りにできたのではないかと思う。
NHKよ、西部劇だけでなく、他ジャンルの古い映画もやっとくれ。世の中特に映画に関しては、僕が愚痴を吐き続けると、大体良い方向に変って来たが、NHKの西部劇偏重は変わらない。
1975年アメリカ映画 監督カーク・ダグラス
ネタバレあり
40年以上前に一度観ているが、当時は生意気盛りと言うか、そもそもお話を面白く感じず、☆☆★相当の評価を留めた。主演と監督を兼ねた、当時のカーク・ダグラスより年齢を重ねて観た今回はそれなりに楽しめ、★一つ分評価アップ。早速IMDbに行って採点を変えてきましたよ。
連邦保安官のダグラスが、5人の名うてのガンマンを集めて作られたチームを指揮して、悪名高い強盗犯ブルース・ダーンの一味を急襲、納屋に火を付けてそこに身を潜めていた一味を皆殺しにする。それを外で眺めていてボスのダーンは生き残るものの、結局上院議員への道を確実にする為にこの悪党を利用するダグラスに捕らえられる。
連邦保安官はこれで当選も確実と意気揚々と列車で彼を護送しようとするが、ダーンは保安官の配下たちより知恵が回り、閉じ込められていた貨車に火をつけて脱走、ダグラスを捕縛して最初の町に堂々と戻って来る。
ここまで政治家を目指す野心たっぷりの人物に対する諧謔的な態度が見られ、残虐味のある西部劇としても人間劇としてもそこそこ楽しめるが、ここからがもっと楽しめる。
ダーンはダグラスの生命と引き換えに焼失した大金を集め(つまり強盗す)るよう保安官の配下に強制し、強奪金の一部を与えたことで4人の配下はダーンに従い、それを見てダグラスは残った一人と共に歯ぎしりする。
善がいともたやすく悪に転じる人間風刺の面白味が爆発し、ニヤッとせざるを得ないわけである。
連邦保安官の性格は指摘する人が少なからずいらっしゃるように、ダグラスが若い頃演じた「地獄の英雄」の記者と通底するが、しかし、もっと悪辣で観客が“ざまーみろ”と思うくらいにした方が、最後で風刺の可笑し味だけではなく、痛快さも出たにちがいない。
ご贔屓ブルース・ダーンはいつも通りのに面白さ。ダグラスとしてはほぼ狙い通りにできたのではないかと思う。
NHKよ、西部劇だけでなく、他ジャンルの古い映画もやっとくれ。世の中特に映画に関しては、僕が愚痴を吐き続けると、大体良い方向に変って来たが、NHKの西部劇偏重は変わらない。
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