映画評「ヘルドッグス」
☆☆☆★(7点/10点満点中)
2022年日本映画 監督・原田眞人
ネタバレあり
岡田准一は小柄すぎるのが難点だが、その難は動きの素早さとして奏功するわけで、こういうハードボイルドな犯罪アクションに実に向いている。暫くはこの路線が続くだろう。
1995年に起きた八王子スーパー強盗殺人事件(パート一人と高校生バイトが二人射殺された)をモデルにしたと思われる、コンビニで4人の従業員(三人がバイト、一人がパート)が射殺された当時に巡査をしていた岡田准一が、犯人グループの東南アジア人全員を12年もかけて抹殺する。
彼の強い精神性を逆手に取って、警視庁は彼を極道秘密捜査官に起用し、サイコパスとされる若い凄腕・坂口健太郎を弟分に、関東最大の暴力団東鞘会で出世していく。腕っぷしが強いだけではなく、仕事に忠実なところを上層部に買われたのだ。
その目的はインテリ会長MIYAVIを倒すことであるが、長年の雌伏の末、遂に岡田=坂口の最強コンビは彼の護衛を任される。
そんな彼らに、東鞘会神津組組長・北村一輝、その情婦で姐さん松岡茉優、東鞘会NO.2大場泰正に恨みを持って接近するマッサージ師・大竹しのぶ、坂口とはカルト集団2世信者で両親を処刑された同志的な存在である木竜麻生などが絡んで来る。
主人公が秘密捜査官である以外は、概ね近年メジャー映画でも人気が復帰しつつあるように見える任侠映画らしい場面が続くのだが、やはり銃撃以上に白兵戦が目立つのは岡田の動きの良さを生かそうという作戦であるわけで、個人的にアクションに見応えを感ずる。
そこへ一種のスパイ映画の面白さがスパイスとして効いているので退屈するはずもない。終盤の種明かし的展開は怒涛と言っても良いのではないか。
深町秋生の警察小説の映画化だが、松岡茉優や木竜麻生の演じた人物は映画用に作られたキャラクターらしい。
原田真人の見せ方は線が太く、馬力がある。
ヘルドッグズが英語の正しい発音に近いわけだが、日本人はズが苦手でスとすることが多いね。ビートルズやローリング・ストーンズ、アニマルズなど、何故か昔のロック・バンドはちゃんとズ付き(頭突きではない)で定着しているが。
2022年日本映画 監督・原田眞人
ネタバレあり
岡田准一は小柄すぎるのが難点だが、その難は動きの素早さとして奏功するわけで、こういうハードボイルドな犯罪アクションに実に向いている。暫くはこの路線が続くだろう。
1995年に起きた八王子スーパー強盗殺人事件(パート一人と高校生バイトが二人射殺された)をモデルにしたと思われる、コンビニで4人の従業員(三人がバイト、一人がパート)が射殺された当時に巡査をしていた岡田准一が、犯人グループの東南アジア人全員を12年もかけて抹殺する。
彼の強い精神性を逆手に取って、警視庁は彼を極道秘密捜査官に起用し、サイコパスとされる若い凄腕・坂口健太郎を弟分に、関東最大の暴力団東鞘会で出世していく。腕っぷしが強いだけではなく、仕事に忠実なところを上層部に買われたのだ。
その目的はインテリ会長MIYAVIを倒すことであるが、長年の雌伏の末、遂に岡田=坂口の最強コンビは彼の護衛を任される。
そんな彼らに、東鞘会神津組組長・北村一輝、その情婦で姐さん松岡茉優、東鞘会NO.2大場泰正に恨みを持って接近するマッサージ師・大竹しのぶ、坂口とはカルト集団2世信者で両親を処刑された同志的な存在である木竜麻生などが絡んで来る。
主人公が秘密捜査官である以外は、概ね近年メジャー映画でも人気が復帰しつつあるように見える任侠映画らしい場面が続くのだが、やはり銃撃以上に白兵戦が目立つのは岡田の動きの良さを生かそうという作戦であるわけで、個人的にアクションに見応えを感ずる。
そこへ一種のスパイ映画の面白さがスパイスとして効いているので退屈するはずもない。終盤の種明かし的展開は怒涛と言っても良いのではないか。
深町秋生の警察小説の映画化だが、松岡茉優や木竜麻生の演じた人物は映画用に作られたキャラクターらしい。
原田真人の見せ方は線が太く、馬力がある。
ヘルドッグズが英語の正しい発音に近いわけだが、日本人はズが苦手でスとすることが多いね。ビートルズやローリング・ストーンズ、アニマルズなど、何故か昔のロック・バンドはちゃんとズ付き(頭突きではない)で定着しているが。
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