映画評「クイック&デッド」
☆☆☆★(7点/10点満点中)
1995年アメリカ=日本合作映画 監督サム・ライミ
ネタバレあり
多分28年前に映画館ではなくWOWOW(JSB)で観た。そもそもJSBは本作共同出資者だ。もう再鑑賞しても良いころ合いと思って、NHK-BSで放映していたので、観ることにした。
勘違いしている人が結構いるのではないかと思うが、タイトルのクイックは早撃ちではなく、生者の意味。今では The quick and the dead という成語でしか使われない古語だ。
西部開拓時代末期。美人ガンマンのシャロン・ストーンが、ジーン・ハックマンが町長を務める町へやって来る。ハックマンは早撃ち自慢の悪党で、今でも自ら参加する早撃ちコンテストを行っている。
コンテストと言っても16人から始まる4回戦制の決闘で、女性はシャロン一人だが、職業・人種民族は多様である。インディアンも黒人もいる。初老も実質的に子供(レナード・ディカプリオ)もいる。現在の多様性映画とは違い、画面を賑やかにするために配置された顔ぶれである。
昔一緒に仕事をしたが今は牧師(説教師)をしているラッセル・クロウを捕えて、殺人を嫌う聖職者に無理矢理コンテスト参加させる。この兄さんが実に凄い腕前なのである。
ディカプリオとクロウの全盛期はこの後訪れるが、二人とも若くて細い。もはや恰幅が良くなってからのイメージの方が長いので、結構新鮮です。
クロウについては、決闘そのものより、終盤の文字通りの援護射撃が鮮やかと言うべし。苦労もなく(笑)やってのけるのに痺れました。
いずれにしても主役級の俳優は当然生き残っていくわけで、準決勝は精悍なディカプリオとこの時代には悪役が増えていたハックマン。この組合せは親子対決という捻りがあり、少年は父親を見返す為にコンテストに参加するのだ。
シャロンが参加するのは実は保安官だった父親の復讐の為だが、その意味ではコンテストでなくても良かったわけで、最後にクロウとの対決の前に、町中が爆弾でドンパチやっている中、死んだ筈の彼女が現れ、ハックマンを驚かせる。
音楽からしてマカロニ・ウェスタン風。復讐譚であったり、爆破シーンが派手あったり、残酷味も強いのもマカロニ・ウェスタン風である。決闘が幾つもあるのはパロディー気分満載だが、決闘の見せ方は妙な視覚効果を優先した格好で、古い西部劇ファンには不満かもしれない。
フラッシュバックが多いのは好かないが、ラム・ライミらしいおちゃらけとして楽しめる。
クロウを苦労にかけるのは何回もやって来た。陳腐ですが、悪しからず。
1995年アメリカ=日本合作映画 監督サム・ライミ
ネタバレあり
多分28年前に映画館ではなくWOWOW(JSB)で観た。そもそもJSBは本作共同出資者だ。もう再鑑賞しても良いころ合いと思って、NHK-BSで放映していたので、観ることにした。
勘違いしている人が結構いるのではないかと思うが、タイトルのクイックは早撃ちではなく、生者の意味。今では The quick and the dead という成語でしか使われない古語だ。
西部開拓時代末期。美人ガンマンのシャロン・ストーンが、ジーン・ハックマンが町長を務める町へやって来る。ハックマンは早撃ち自慢の悪党で、今でも自ら参加する早撃ちコンテストを行っている。
コンテストと言っても16人から始まる4回戦制の決闘で、女性はシャロン一人だが、職業・人種民族は多様である。インディアンも黒人もいる。初老も実質的に子供(レナード・ディカプリオ)もいる。現在の多様性映画とは違い、画面を賑やかにするために配置された顔ぶれである。
昔一緒に仕事をしたが今は牧師(説教師)をしているラッセル・クロウを捕えて、殺人を嫌う聖職者に無理矢理コンテスト参加させる。この兄さんが実に凄い腕前なのである。
ディカプリオとクロウの全盛期はこの後訪れるが、二人とも若くて細い。もはや恰幅が良くなってからのイメージの方が長いので、結構新鮮です。
クロウについては、決闘そのものより、終盤の文字通りの援護射撃が鮮やかと言うべし。苦労もなく(笑)やってのけるのに痺れました。
いずれにしても主役級の俳優は当然生き残っていくわけで、準決勝は精悍なディカプリオとこの時代には悪役が増えていたハックマン。この組合せは親子対決という捻りがあり、少年は父親を見返す為にコンテストに参加するのだ。
シャロンが参加するのは実は保安官だった父親の復讐の為だが、その意味ではコンテストでなくても良かったわけで、最後にクロウとの対決の前に、町中が爆弾でドンパチやっている中、死んだ筈の彼女が現れ、ハックマンを驚かせる。
音楽からしてマカロニ・ウェスタン風。復讐譚であったり、爆破シーンが派手あったり、残酷味も強いのもマカロニ・ウェスタン風である。決闘が幾つもあるのはパロディー気分満載だが、決闘の見せ方は妙な視覚効果を優先した格好で、古い西部劇ファンには不満かもしれない。
フラッシュバックが多いのは好かないが、ラム・ライミらしいおちゃらけとして楽しめる。
クロウを苦労にかけるのは何回もやって来た。陳腐ですが、悪しからず。
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