映画評「エリン・ブロコビッチ」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
2000年アメリカ映画 監督スティーヴン・ソダーバーグ
ネタバレあり

20年程前に群馬にUターンした直後に地上波放送で観た。アニメを別にすると僕が見た最後の吹替版かも知れず、放映時間もかなりの短縮版であったと思われる。それでもまだゴールデン・タイムにこういうドラマ映画が見られた時代であると思うと懐かしい。
 いつか完全版を観ないといけないと思いつつ、131分という長さが結構ネックとなっていた。以前保存版を作った記憶があるが、WOWOWの配信に出たので、観たい映画がなかなかない折り、それで観ることにした。

内容的に昨年観た「ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男」に通ずる実話もので、同時に先日観た「ワース 命の値段」と似た側面がある。
 大いに違うのは、この訴訟(最終的には調停裁判)を引っ張ったのが、地方都市のミス・コンで優勝した以外には何の取り柄もない、3人の子供の育児に懸命な、法律に無縁のシングル・マザーであったエリン・ブロコビッチ(ジュリア・ロバーツ)であるというところである。
 彼女がこの事件に縁ができたのは、交通事故訴訟でエド・マスリー(アルバート・フィニー)が所長を務める法律事務所に頼ったことである。見事に敗訴した彼女は、仕事もない折この事務所に押しかけて居すわって、有無を言わせず事務員の仕事をするうち、大企業が関係家庭に送った書類に引っかかる。調べるとそれらの家庭の家族は皆病気を抱えてい、専門家によれば6価クロムが惹き起こす可能性のあるものばかりと知り、一軒一軒廻って説得していく。
 これにはマスリー氏も感心し、やがて環境被害訴訟を得意とする弁護士(ピーター・コヨーテ)も味方につけ、色々と壁にぶち当たりながらも邁進していく。

大体こんなお話だが、近年の調査報道ものや民事訴訟ものと違って、かなりの深度をもって彼女個人の私生活を交えて人情味が多めになっている。
 具体的には、ハーレーに乗る男(アーロン・エッカート)が隣に引っ越して来て、子供の面倒を見るのが上手い彼をヒロインが内縁の夫のように仕立ててその間に仕事をするという流れがあり、この硬軟のバランスが絶妙で、大衆映画として実にウェルメイド。

スティーブン・ソダーバーグ監督作品としては一番買いたい。

エリン・ブロコビッチご本人が端役で出演しているのがご愛敬。際もの(事件の直後に作られた作品)ならでは。

この記事へのコメント

2024年03月18日 23:14
<WOWOWの配信に出た

<131分

WOW!
これはみなくちゃ!、ですね〜



オカピー
2024年03月19日 22:05
onscreenさん、こんにちは。

>これはみなくちゃ!、ですね〜

そうですよ~ん^^