映画評「キングダム 運命の炎」
☆☆★(5点/10点満点中)
2023年日本映画 監督・佐藤信介
ネタバレあり
シリーズ第3弾。原作は原泰久のコミック。
このシリーズはSFX及びVFXの凄味に第1作から感心しているが、この第三作では初期ほどワイヤー・アクションが目立たなくなった一方、軍勢を超ロングで捉える箇所が、相対的には地味ながら印象深い。CGだろうが、立派なものである。無数の槍なども同じく始皇帝絡みの中国映画「HERO<英雄>」(2002年)より断然本物っぽい。20年以上も年月が離れているので比較するのは野暮なのだが、当時はあの槍にも吃驚したのである。
戦国時代末期、趙が秦に攻撃を仕掛けてくる。秦の国王・政(吉沢亮)は、総大将を王騎(大沢たかお)に決める。王騎は、下僕出身の若者・信(山崎賢人)を百人隊隊長に任命、趙軍の要である将軍馮忌(片岡愛之助)に側面から接近し、倒す作戦を命ずる。
というお話で、殆ど戦闘に明け暮れる。アクション自体はSFX/VFXの補助があって十分満足できるが、お話の面白味は3作中最低でありましょう。
王騎の作戦は一応面白く見られるものの、説明されて初めて解る感じであって直感的にピンと来るわけではない。
戦略的戦闘が本格的に始まる前に、趙の人質になっていた、後に始皇帝となる政が闇商人の紫夏(杏)の車で母国・秦に脱出する9年前の挿話がアクション中心に長めに描かれ、前半の見せ場となっているが、全体の構成を考えた時にはやや散漫な印象を醸成する。
政の信念がこの過程で形成されたことが解るのは、シリーズのファンには興味深いのだろうが、残念ながらすぐに以前の挿話を忘れてしまうロートルには大した感動を惹起し得ない。
「史記」や「十八史略」でこの部分は読みました。細かいことは忘れましたが。周の最盛期には、秦は西戎(せいじゅう=西の野蛮人)に近い扱いでしたがね。
2023年日本映画 監督・佐藤信介
ネタバレあり
シリーズ第3弾。原作は原泰久のコミック。
このシリーズはSFX及びVFXの凄味に第1作から感心しているが、この第三作では初期ほどワイヤー・アクションが目立たなくなった一方、軍勢を超ロングで捉える箇所が、相対的には地味ながら印象深い。CGだろうが、立派なものである。無数の槍なども同じく始皇帝絡みの中国映画「HERO<英雄>」(2002年)より断然本物っぽい。20年以上も年月が離れているので比較するのは野暮なのだが、当時はあの槍にも吃驚したのである。
戦国時代末期、趙が秦に攻撃を仕掛けてくる。秦の国王・政(吉沢亮)は、総大将を王騎(大沢たかお)に決める。王騎は、下僕出身の若者・信(山崎賢人)を百人隊隊長に任命、趙軍の要である将軍馮忌(片岡愛之助)に側面から接近し、倒す作戦を命ずる。
というお話で、殆ど戦闘に明け暮れる。アクション自体はSFX/VFXの補助があって十分満足できるが、お話の面白味は3作中最低でありましょう。
王騎の作戦は一応面白く見られるものの、説明されて初めて解る感じであって直感的にピンと来るわけではない。
戦略的戦闘が本格的に始まる前に、趙の人質になっていた、後に始皇帝となる政が闇商人の紫夏(杏)の車で母国・秦に脱出する9年前の挿話がアクション中心に長めに描かれ、前半の見せ場となっているが、全体の構成を考えた時にはやや散漫な印象を醸成する。
政の信念がこの過程で形成されたことが解るのは、シリーズのファンには興味深いのだろうが、残念ながらすぐに以前の挿話を忘れてしまうロートルには大した感動を惹起し得ない。
「史記」や「十八史略」でこの部分は読みました。細かいことは忘れましたが。周の最盛期には、秦は西戎(せいじゅう=西の野蛮人)に近い扱いでしたがね。
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