映画評「トランスフォーマー/ビースト覚醒」
☆☆★(5点/10点満点中)
2023年アメリカ映画 監督スティーヴン・ケイプル・ジュニア
ネタバレあり
ある時点からこのシリーズもポリ・コレ指向を打ち出し、この第7弾で遂に本格化した。しかるに、こういう形で作られるのは寧ろ歓迎すべきであろう。
というのも人間側の主役はいずれも有色人種で、一般的なポリ・コレ症候群映画が白人主役の作品の脇役に有色人種を言い訳のように配置するおためごかしと一線を画すからである。
科学部軍人だったヒスパニック青年アンソニー・ラモスが難病の弟の面倒を見ているが、内定先からはチームプレイ向きでないという理由で内定が取り消され、支払いが出来ないので病院も弟を診てくれない。そこで高級車泥棒の片棒を片ぐ羽目になるが、盗んだランボルギーニがトランスフォーマーが変身した車だったから大騒ぎ。
片や、女性考古研究者ドミニク・フィッシュバックが古代の遺物を調べるうちに知らず識らず、星を食べ尽くす悪漢トランスフォーマーのユニクロンを呼び寄せてしまい、そこへトランスフォーマーたちに頼まれて侵入したラモス君と鉢合わせ、ユニクロンたちから逃げるに悪戦苦闘する。
以降、故郷の星を破壊させるものかというトランスフォーマーの願いと、地球を破壊させてはなるなものかという人間の願いとが、軽くバッティングしつつ、一致協力して初めて強敵を倒することが可能になるという教訓を得たのち、再びユニクロンたちに立ち向かう。
事前に地球には乗り物に変身するのがお得意のお馴染みロボット型トランスフォーマーとは違う動物型トランスフォーマー(まあこれも構造的には似たようなものだが)がいて、彼らと力を合わせて闘うのがクライマックスと言うか眼目。
例によって、僕は長めの闘いの場面になると退屈してしまうので、いつも以上に闘いの場面が多いような気がする本作はとりわけ集中力を欠いた。
オプティマス・プライムとオプティマス・プライマルというのがいるのもややこしいですな。
チームプレイができなかった人間がチームプレイできるように成長するというのが小学生から高校生くらいに向けたメッセージだが、人間不信も甚だしい年寄はこういうのを見て感動することは余りない。「カメラを止めるな!」の一致協力ぶりには胸を打たれましたがね。
長めの闘いより、眺めの良い部屋のほうが良いです。
2023年アメリカ映画 監督スティーヴン・ケイプル・ジュニア
ネタバレあり
ある時点からこのシリーズもポリ・コレ指向を打ち出し、この第7弾で遂に本格化した。しかるに、こういう形で作られるのは寧ろ歓迎すべきであろう。
というのも人間側の主役はいずれも有色人種で、一般的なポリ・コレ症候群映画が白人主役の作品の脇役に有色人種を言い訳のように配置するおためごかしと一線を画すからである。
科学部軍人だったヒスパニック青年アンソニー・ラモスが難病の弟の面倒を見ているが、内定先からはチームプレイ向きでないという理由で内定が取り消され、支払いが出来ないので病院も弟を診てくれない。そこで高級車泥棒の片棒を片ぐ羽目になるが、盗んだランボルギーニがトランスフォーマーが変身した車だったから大騒ぎ。
片や、女性考古研究者ドミニク・フィッシュバックが古代の遺物を調べるうちに知らず識らず、星を食べ尽くす悪漢トランスフォーマーのユニクロンを呼び寄せてしまい、そこへトランスフォーマーたちに頼まれて侵入したラモス君と鉢合わせ、ユニクロンたちから逃げるに悪戦苦闘する。
以降、故郷の星を破壊させるものかというトランスフォーマーの願いと、地球を破壊させてはなるなものかという人間の願いとが、軽くバッティングしつつ、一致協力して初めて強敵を倒することが可能になるという教訓を得たのち、再びユニクロンたちに立ち向かう。
事前に地球には乗り物に変身するのがお得意のお馴染みロボット型トランスフォーマーとは違う動物型トランスフォーマー(まあこれも構造的には似たようなものだが)がいて、彼らと力を合わせて闘うのがクライマックスと言うか眼目。
例によって、僕は長めの闘いの場面になると退屈してしまうので、いつも以上に闘いの場面が多いような気がする本作はとりわけ集中力を欠いた。
オプティマス・プライムとオプティマス・プライマルというのがいるのもややこしいですな。
チームプレイができなかった人間がチームプレイできるように成長するというのが小学生から高校生くらいに向けたメッセージだが、人間不信も甚だしい年寄はこういうのを見て感動することは余りない。「カメラを止めるな!」の一致協力ぶりには胸を打たれましたがね。
長めの闘いより、眺めの良い部屋のほうが良いです。
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