映画評「それゆけ!ゲートボールさくら組」
☆☆★(5点/10点満点中)
2023年日本映画 監督・野田孝則
ネタバレあり
高齢と高齢者をテーマにした型通りの人情コメディー。
片足を棺桶に突っ込んでいる僕くらいの年齢であれば、同じように型通りなら型通りの青春映画より観る価値はある。2カ月余りに迫った五輪の対策の必要がなければスルーしたかもしれないが。
妻の残したカレー屋を引き継いだ高齢店主・藤竜也が、店に食べに来てくれたかつての高校ラグビー部マネージャー山口果林が所長をするデイサーヴィス所を訪れる。しかし、いかがわしいライバル施設に利用者を取られ閑古鳥が鳴いてい、資金繰りにも苦労しているらしい。果林は認知症を患っている為実際の管理者は娘の田中美里である。
そんな二人の為に石倉三郎、大門正明、森次晃嗣(そして後に幽霊と綽名される小倉一郎がひょっこり加わる)のラグビー部仲間を呼んで何とか盛り上げようとするうち、今は亡き部員・毒蝮三太夫の孫娘に手伝って貰い、ゲートボール部を結成することになる。これで市の大会で優勝でもすれば顧客を呼ぶことができようという次第。
しかるに、この施設の土地を買い上げて町の開発し、同時に市長当選への色気を見せているライバル施設の経営者は、配下の者を使ってゲートボール大会で彼らが勝てないように差配する。
ここで一つ疑問あり。老人たちがゲートボール大会で優勝して利用者を呼び込もうとするのは理解できるが、ライバル会社が藤の孫を拉致してまで彼らの邪魔をする理由がとんと解らない。勿論そのナンセンスがかかる人情コメディーでは意味を成すことを承知で言っているのである。
もう一度言うが、どこまでも型通り。映画で主役となった記憶がないゲートボールが主役となるのが新味と言えるくらいだ。
その型に沿って、彼らは奮闘を通して青春時代の気持ちを取り戻し、加えて、訳ありの家族や交流する人々との距離を縮めていくわけで、もう少しそこはかとくなく作ってくれればもっと良い気分で観られるのだがなあという部分も散見されるものの、それでも一回り近く上の年齢層の人々のお話であっても、心情的に大差のない年齢であってみればじーんとしてしまうところがある。
森次晃嗣と毒蝮三太夫という「ウルトラセブン」出演者が二名出演していて、序盤に「ウルトラセブン」ネタがあった気がするが、既に詳細は忘れました(年は取りたくないものです)。
その昔再放送の「ウルトラマン」か「ウルトラセブン」のクレジットを見て毒蝮三太夫の名前がないので、“世の中には似ている人がいるものだ” と感心したことがある。実際はご本人で、まだ旧名の石井伊吉で出ていたのだ。
2023年日本映画 監督・野田孝則
ネタバレあり
高齢と高齢者をテーマにした型通りの人情コメディー。
片足を棺桶に突っ込んでいる僕くらいの年齢であれば、同じように型通りなら型通りの青春映画より観る価値はある。2カ月余りに迫った五輪の対策の必要がなければスルーしたかもしれないが。
妻の残したカレー屋を引き継いだ高齢店主・藤竜也が、店に食べに来てくれたかつての高校ラグビー部マネージャー山口果林が所長をするデイサーヴィス所を訪れる。しかし、いかがわしいライバル施設に利用者を取られ閑古鳥が鳴いてい、資金繰りにも苦労しているらしい。果林は認知症を患っている為実際の管理者は娘の田中美里である。
そんな二人の為に石倉三郎、大門正明、森次晃嗣(そして後に幽霊と綽名される小倉一郎がひょっこり加わる)のラグビー部仲間を呼んで何とか盛り上げようとするうち、今は亡き部員・毒蝮三太夫の孫娘に手伝って貰い、ゲートボール部を結成することになる。これで市の大会で優勝でもすれば顧客を呼ぶことができようという次第。
しかるに、この施設の土地を買い上げて町の開発し、同時に市長当選への色気を見せているライバル施設の経営者は、配下の者を使ってゲートボール大会で彼らが勝てないように差配する。
ここで一つ疑問あり。老人たちがゲートボール大会で優勝して利用者を呼び込もうとするのは理解できるが、ライバル会社が藤の孫を拉致してまで彼らの邪魔をする理由がとんと解らない。勿論そのナンセンスがかかる人情コメディーでは意味を成すことを承知で言っているのである。
もう一度言うが、どこまでも型通り。映画で主役となった記憶がないゲートボールが主役となるのが新味と言えるくらいだ。
その型に沿って、彼らは奮闘を通して青春時代の気持ちを取り戻し、加えて、訳ありの家族や交流する人々との距離を縮めていくわけで、もう少しそこはかとくなく作ってくれればもっと良い気分で観られるのだがなあという部分も散見されるものの、それでも一回り近く上の年齢層の人々のお話であっても、心情的に大差のない年齢であってみればじーんとしてしまうところがある。
森次晃嗣と毒蝮三太夫という「ウルトラセブン」出演者が二名出演していて、序盤に「ウルトラセブン」ネタがあった気がするが、既に詳細は忘れました(年は取りたくないものです)。
その昔再放送の「ウルトラマン」か「ウルトラセブン」のクレジットを見て毒蝮三太夫の名前がないので、“世の中には似ている人がいるものだ” と感心したことがある。実際はご本人で、まだ旧名の石井伊吉で出ていたのだ。
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