映画評「ミス・マープル/魔術の殺人」
☆☆★(5点/10点満点中)
1991年イギリス映画 監督ノーマン・ストーン
ネタバレあり
ジョーン・ヒクスンの “ミス・マープル” が続きます。こちらはデフォルトに従って彼女の自宅からそう遠くないところが舞台。
アメリカから帰省した親友ルースの依頼でミス・マープルは、体調が悪いらしい彼女の妹キャロライン(ジーン・シモンズ)の様子を見に、彼女が孫娘夫婦と暮らす住む屋敷を訪問し暫し滞在することになる。
キャロラインの現在の夫君ルイス(ジョス・アックランド)は、非行少年の更生施設を経営し、妻の最初の夫の息子で施設を支える財団理事クリスチャンを迎え入れ、施設に関して何かを話し合っているようである。ルイスの秘書エドガー(ニール・スモッテンハム)は自分はルイスの息子であるとミス・マープルらに告げ回る。キャロラインに少しずつヒ素が服用させられているということも確認される。
そんな時昔のフィルムの上映会最中に停電があり、ルイスとエドガーが入り込んで口論を繰り広げる密室状態の部屋で銃声が聞こえる。二人とも無事に部屋から出てきた後キャロラインの娘ミルドレッド(ジリアン・バージ)が駆け込んできて、クリスチャンが別室で死んでいると報告する。
これにキャロラインの継子兄弟やらが絡み、ミス・マープルが捜査中の刑事へ次の事件への警戒を告げる前に、兄弟の一人が施設の舞台装置の落下で重傷を負う事件が起きる。
2月に観た「パディントン発4時50分」の似た人物配置で、それ以上に人物の関係性が複雑怪奇だが、前述作同様原作より殺人数は減って(原作ではさらに兄弟の一人と少年一人が死ぬ)単純化を図っている。それによって観客はクリスチャン射殺事件に焦点を絞ることが可能となり、それによってヒ素事件が犯人と作者のミス・リードであることに気づいてしまう勘の良い人もいるだろう。
TV映画化への脚色が上手く出来ていると思う一方、原作由来といえ、登場人物が多すぎるのは映像作品では難点と思われる。
犯人は勿論、トリックに関しても詳細に言えないが、序盤に出てきた後沙汰されない芝居・演劇、そして刑事が取り組んでいたマジックが案外ヒントになるかもしれず、この辺りのさりげない扱いに面白味がある。
1977年以降毎週見ることができた日本の2時間TVミステリーの殆どよりさすがにぐっと上出来。最近はこの手の単品ミステリーは【火曜サスペンス劇場】の終了以降もかなり粘った【土曜ワイド劇場】が2017年に終了した結果、衛星放送の再放送以外に観られなくなりましたね。
1991年イギリス映画 監督ノーマン・ストーン
ネタバレあり
ジョーン・ヒクスンの “ミス・マープル” が続きます。こちらはデフォルトに従って彼女の自宅からそう遠くないところが舞台。
アメリカから帰省した親友ルースの依頼でミス・マープルは、体調が悪いらしい彼女の妹キャロライン(ジーン・シモンズ)の様子を見に、彼女が孫娘夫婦と暮らす住む屋敷を訪問し暫し滞在することになる。
キャロラインの現在の夫君ルイス(ジョス・アックランド)は、非行少年の更生施設を経営し、妻の最初の夫の息子で施設を支える財団理事クリスチャンを迎え入れ、施設に関して何かを話し合っているようである。ルイスの秘書エドガー(ニール・スモッテンハム)は自分はルイスの息子であるとミス・マープルらに告げ回る。キャロラインに少しずつヒ素が服用させられているということも確認される。
そんな時昔のフィルムの上映会最中に停電があり、ルイスとエドガーが入り込んで口論を繰り広げる密室状態の部屋で銃声が聞こえる。二人とも無事に部屋から出てきた後キャロラインの娘ミルドレッド(ジリアン・バージ)が駆け込んできて、クリスチャンが別室で死んでいると報告する。
これにキャロラインの継子兄弟やらが絡み、ミス・マープルが捜査中の刑事へ次の事件への警戒を告げる前に、兄弟の一人が施設の舞台装置の落下で重傷を負う事件が起きる。
2月に観た「パディントン発4時50分」の似た人物配置で、それ以上に人物の関係性が複雑怪奇だが、前述作同様原作より殺人数は減って(原作ではさらに兄弟の一人と少年一人が死ぬ)単純化を図っている。それによって観客はクリスチャン射殺事件に焦点を絞ることが可能となり、それによってヒ素事件が犯人と作者のミス・リードであることに気づいてしまう勘の良い人もいるだろう。
TV映画化への脚色が上手く出来ていると思う一方、原作由来といえ、登場人物が多すぎるのは映像作品では難点と思われる。
犯人は勿論、トリックに関しても詳細に言えないが、序盤に出てきた後沙汰されない芝居・演劇、そして刑事が取り組んでいたマジックが案外ヒントになるかもしれず、この辺りのさりげない扱いに面白味がある。
1977年以降毎週見ることができた日本の2時間TVミステリーの殆どよりさすがにぐっと上出来。最近はこの手の単品ミステリーは【火曜サスペンス劇場】の終了以降もかなり粘った【土曜ワイド劇場】が2017年に終了した結果、衛星放送の再放送以外に観られなくなりましたね。
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