映画評「ブラックナイトパレード」

☆☆(4点/10点満点中)
2022年日本映画 監督・福田雄一
ネタバレあり

ずっと前に録画したものを今頃になって観る。観るべき映画がないんだよねえ。
 監督はエンド・ロールで初めて福田雄一と知ったが、この人の映画は大人が観る必要のないものばかりだから敢えて観なくても良いのだが、観ても時間の無駄にはならない。極めてくだらないものにも何故こういう映画が作られるか考えさせるなど存在価値がある。

原作は中村光という漫画家のコミックで、日本での低評価には原作に対する相対評価があると思うが、僕の眼には完璧に映画化しても大して変わらないだろう。

ローソンをモデルにした架空のコンビニでひどい扱いを受けている取り柄のない若者・三春(吉沢亮)が、正体不明の人物に誘拐され、目覚めてみるとそこは北極であると知る。そこはかつてサンタクロースの作ったクリスマス製造・販売会社。赤いサンタは今はなく、顔を見ることのできないクネヒト(声:玉木宏)が経営者である。
 三春は先に来ていた志乃(橋本環奈)や鉄平(渡邉圭史)に混じって何が何だか解らないまま、結局教練所のようなところで鍛錬するうちに、コンビニの使えない同僚カイザー=皇帝(中川大志)が何故か教官として現れ、幼少時代の記憶と共に、クネヒトの目論見通りの道を進む羽目になる。

カイザーが出て来る辺りから、見た目あるいは我々が今まで知って来たと違う実相つまりちょっとしたどんでん返し的な見せ方が続き、こういうところが若い人の一部に受けるのだろうが、僕には底が浅すぎて、こういうのを積み重ねれば重ねるほど鼻白んでしまう。

終盤について詳細には書かなかったが、上の文章を読めば、幕切れは推して知るべし。

昨日映画サイトを訪れたら、残りが20年くらい人間にとって映画を選ぶことの貴重さに触れる人がいて、全く同感の思いをしました。寿命が20年あっても視力や聴力の問題を抱えないとも限らない。年で耳が悪くなったと思う人は、一度耳鼻科で耳垢が溜まっていないか調べてみましょう。愚兄が突然片耳が聞こえなくなったので、調べたら耳垢が原因だった。兄のように動けない人は耳垢が溜まりやすいらしい。

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