映画評「ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー」
☆☆★(5点/10点満点中)
2023年日本映画 監督・阪元裕吾
ネタバレあり
こちらが以前ほどは絶対視する必要のなくなった【W座からの招待状】にあったので、急遽第1作を観たわけだが、勿論この手の新機軸が最重視される作品においては続編は二番煎じになって面白さを感じられなくなる可能性が高い。
本作も、殺しが当たり前に存在するパラレル・ワールド的日本と殺し屋コンビが十代の少女という設定の面白味は褪色するのも早く、その意味では大分落ちるわけだが、第1作はある意味抑えた採点であったので、採点は維持することにする。
腕は超一流ながら私生活ではずっこけぶりの甚だしい美少女殺し屋コンビちさと(高石あかり)とまひろ(伊澤彩織)が、殺し屋協会に絡んで大量の未払金を背負い、期限ぎりぎりに銀行に振り込みに行くが、その時にあろうことが強盗が入った為目的を果たせず、怒って強盗を始末する。
これが例によって協会依頼の仕事ではない為に謹慎処分を喰らう。そんな折に正規(正社員)の殺し屋を殺せばその空席に座れるというデマを信じたアルバイト殺し屋兄弟(丞威、濱田龍臣)が謹慎中の二人を狙う。
彼女らにしてみれば手応えのない相手で、愚痴っぽい処理係の田坂(水石亜飛夢)に文句を言われるが、その間に息を吹き返した兄弟に逃げられる。その際に重傷を負った田坂の為に少女殺し屋コンビは兄弟を倒しに向かう。
今回の追加的な面白味は、殺し屋同士の殺し合いという、鈴木清順の「殺しの烙印」(1967年)に似た設定だが、阪元裕吾なる監督の作劇(脚本)に疑問を覚えさせるものがある。
何回も言ってきたように、戦争映画を筆頭に敵対する者同士を描くジャンル映画では敵側の詳細を余り描かないことが望ましいということである。サイコパスなど余程アングルを付けた特殊な映画でない限り、どんな悪党でも主役を応援するのが人情。本作の場合敵側(こちらも主役という考え方があるにはあるが)の出番の多さもさることながら、終盤の場面に見るように彼らにも人情を感じさせるように作ってしまっているのが良くない。主役側を応援する気持ちは変わらないにしても痛快千万という気持ちで見終えることが出来なくなった人もいるのではないかと思う。
敵同士と言えば五輪(笑)。五輪の中でも卓球を重視して観ているが、近年各国のレベルが上がり、卓球王国中国の絶対王者の地位が徐々に崩れつつあるように思う。世界卓球の団体戦で中国がインドに2連敗して後がなくなったのが記憶に新しい。今回、日本の張本選手も中近東の選手に苦しみましたね。
2023年日本映画 監督・阪元裕吾
ネタバレあり
こちらが以前ほどは絶対視する必要のなくなった【W座からの招待状】にあったので、急遽第1作を観たわけだが、勿論この手の新機軸が最重視される作品においては続編は二番煎じになって面白さを感じられなくなる可能性が高い。
本作も、殺しが当たり前に存在するパラレル・ワールド的日本と殺し屋コンビが十代の少女という設定の面白味は褪色するのも早く、その意味では大分落ちるわけだが、第1作はある意味抑えた採点であったので、採点は維持することにする。
腕は超一流ながら私生活ではずっこけぶりの甚だしい美少女殺し屋コンビちさと(高石あかり)とまひろ(伊澤彩織)が、殺し屋協会に絡んで大量の未払金を背負い、期限ぎりぎりに銀行に振り込みに行くが、その時にあろうことが強盗が入った為目的を果たせず、怒って強盗を始末する。
これが例によって協会依頼の仕事ではない為に謹慎処分を喰らう。そんな折に正規(正社員)の殺し屋を殺せばその空席に座れるというデマを信じたアルバイト殺し屋兄弟(丞威、濱田龍臣)が謹慎中の二人を狙う。
彼女らにしてみれば手応えのない相手で、愚痴っぽい処理係の田坂(水石亜飛夢)に文句を言われるが、その間に息を吹き返した兄弟に逃げられる。その際に重傷を負った田坂の為に少女殺し屋コンビは兄弟を倒しに向かう。
今回の追加的な面白味は、殺し屋同士の殺し合いという、鈴木清順の「殺しの烙印」(1967年)に似た設定だが、阪元裕吾なる監督の作劇(脚本)に疑問を覚えさせるものがある。
何回も言ってきたように、戦争映画を筆頭に敵対する者同士を描くジャンル映画では敵側の詳細を余り描かないことが望ましいということである。サイコパスなど余程アングルを付けた特殊な映画でない限り、どんな悪党でも主役を応援するのが人情。本作の場合敵側(こちらも主役という考え方があるにはあるが)の出番の多さもさることながら、終盤の場面に見るように彼らにも人情を感じさせるように作ってしまっているのが良くない。主役側を応援する気持ちは変わらないにしても痛快千万という気持ちで見終えることが出来なくなった人もいるのではないかと思う。
敵同士と言えば五輪(笑)。五輪の中でも卓球を重視して観ているが、近年各国のレベルが上がり、卓球王国中国の絶対王者の地位が徐々に崩れつつあるように思う。世界卓球の団体戦で中国がインドに2連敗して後がなくなったのが記憶に新しい。今回、日本の張本選手も中近東の選手に苦しみましたね。
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