映画評「Gメン」(2023年)

☆☆★(5点/10点満点中)
2023年日本映画 監督・瑠東東一郎
ネタバレあり

クイズ番組以外のバラエティを観ない僕が唯一観ている「ザ!鉄腕!DASH!!」を通じて知っているアイドル岸優太が主演なので、まるで観る気が起らず、まして僕がヤクザ映画以上に嫌いなヤンキーものらしいのでずっと避けて来たが、【キネマ旬報】の評論家投票で1点も得ていないのに読者投票で1位になるという前代未聞の結果(恐らく岸ファンの組織的投票の結果。キネ旬は多分読者投票も票数ではなく得点制と思うので、達成しやすかったと見る)を見せているのに興味を覚え、後学の為に観ることにした。

お話は年寄りが観るにはつまらない。一つの学校の中にランク付けがあるという設定は陳腐千万、ヤンキー同士やチンピラとの対決という図式にもまるで興味が湧かない。

岸君が女生徒との華麗なる交際を目指して転校してきた高校で、配置されたのが学校で最低レベルのヤンキー連中が集まっているGクラス。彼にとって担当教師が美人の吉岡里帆というのが唯一の取り柄だろうが、喧嘩が強いのに反して交際観は古臭く、最終的に恋人候補になる女暴走族・恒松祐里との関係もその為になかなか発展しない。最後の場面もそれを巡るお笑いで、それ以外にも色々とお笑いをまぶしている。

ベイビーわるきゅーれ」2作もそうだったように、日本の青春暴力系映画にはお笑いを散りばめてバランスを取る傾向があるようである。序盤は学校での珍プレイを見せる。最低レベルと言われる割に漢字がきちんと書けているので肩透かし。同時に、上位クラスが一向に賢く見えないのには困った。

岸君らと一緒にヤンキーと喧嘩をした為最上位クラスの龍星涼がGクラスに落ちて来る。何故か優等生の彼が喧嘩も割合強いというのは少々調子が良すぎる。

転校生岸を屋上からチェックしているのが伝説のGメン(捜査官ではなく、Gクラス出身者による最強チームだったらしい)田中圭と高良健吾の二人で、恒松祐里を拉致して岸を呼びつけたチンピラとの闘いに加担する。このチンピラのボスが出所したばかりという設定の尾上松也。

ここでのアクションの捉え方が、「ベイビーわるきゅーれ」もそうだったようにフルショットからミディアムショットで、かつ、長回し気味なのが良い。
 英米映画ほどアップを細切れで捉えるという劇画的なアクションの見せ方が流行らなかった日本映画界だが、近年アクションを益々引き気味でじっくり捉え、迫力を持つ作品が多くなったのは素直に喜んでいる。

「ザ!鉄腕!DASH!!」組の森本慎太郎が共演。突然二人で一緒に米を作り出すと言い出さないかと心配した。冗談ですが。

メンと言えば、 “メンズ” の使い方に首を傾げている。 本来は“男性の(服)” といった意味の所有格であるが、“男性陣”という主格として使っているように思われるケースが多いからである。外来語の間違った意味の使い方としては “セレブ” が筆頭格。

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