映画評「私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター」
☆☆★(5点/10点満点中)
2022年フランス映画 監督アルノー・デプレシャン
ネタバレあり
アルノー・デプレシャン監督は相対的に苦手である。人間の面倒臭いところを描き、見ていてどうにもすっきりしないことが多い。
本作のお話の構図は単純。
女優として名を成した姉マリオン・コティヤールと、作家として成功した弟メルヴィル・プポーは犬猿の仲で長いこと会っていない。そんな折、両親が交通事故に遭って重傷を負い入院する。両親が死に瀕しても姉がいるという理由だけで弟は病院に入れないという極度に不仲の二人が、両親の事故を契機に、その関係を変えていく。というだけである。
しかるに、 “その関係” なるのが大問題。二人が不仲になった理由がまず解らない(口うるさい母親も絡んでいるらしい)。そして、病室には入らないわ、近くまで行きながら葬式に参列しないわ、という状況から、デウス・エクス・マキナとばかりに、姉の弟への言付け(呼び出し状)一つで簡単に姉弟の不仲は解消してしまうのである。
多分きちんと見ていけばもう少しちゃんと解るように作られているのだろうが、一回ぽっきり直感的に見るタイプの映画鑑賞者は概ね僕のような感想を持つであろう(Allcinemaコメント欄参照)。結局お話の構図しか解らなかった。
難解と不親切は似て非なるもの。本作は不親切と言われても仕方がないと思う。
中学生の時に観た「ブラザー・サン シスター・ムーン」(1973年)がまた観たくなった。
2022年フランス映画 監督アルノー・デプレシャン
ネタバレあり
アルノー・デプレシャン監督は相対的に苦手である。人間の面倒臭いところを描き、見ていてどうにもすっきりしないことが多い。
本作のお話の構図は単純。
女優として名を成した姉マリオン・コティヤールと、作家として成功した弟メルヴィル・プポーは犬猿の仲で長いこと会っていない。そんな折、両親が交通事故に遭って重傷を負い入院する。両親が死に瀕しても姉がいるという理由だけで弟は病院に入れないという極度に不仲の二人が、両親の事故を契機に、その関係を変えていく。というだけである。
しかるに、 “その関係” なるのが大問題。二人が不仲になった理由がまず解らない(口うるさい母親も絡んでいるらしい)。そして、病室には入らないわ、近くまで行きながら葬式に参列しないわ、という状況から、デウス・エクス・マキナとばかりに、姉の弟への言付け(呼び出し状)一つで簡単に姉弟の不仲は解消してしまうのである。
多分きちんと見ていけばもう少しちゃんと解るように作られているのだろうが、一回ぽっきり直感的に見るタイプの映画鑑賞者は概ね僕のような感想を持つであろう(Allcinemaコメント欄参照)。結局お話の構図しか解らなかった。
難解と不親切は似て非なるもの。本作は不親切と言われても仕方がないと思う。
中学生の時に観た「ブラザー・サン シスター・ムーン」(1973年)がまた観たくなった。
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