映画評「カルロス:ザ・サンタナ・ジャーニー」
☆☆☆(6点/10点満点中)
2023年アメリカ映画 監督ルディ・バルデス
ネタバレあり
中学生だった1972年頃ラテン・ロック・バンドのサンタナの名を知ったが、意識して聞いた(意識したのだから “聴いた” が正しいのかもしれないが)のは1976年の「哀愁のヨーロッパ」が初めてではなかったかと思う。フリートウッド・マックをカヴァ―して大ヒットした「ブラック・マジック・ウーマン」を実際に聞いたのもその後だったように記憶する。
そのサンタナを率いたのがカルロス・サンタナ。その伝記ドキュメンタリーである。
1947年メキシコに生まれ、マリアッチの演奏家である父親にヴァイオリンを習うが、古臭いマリアッチを嫌い、ロックンロールを愛しギターを学び始める。
1962年にサンフランシスコに移住(ここで不思議なのはまだ思春期前期だったカルロスが数年間家族と離れて最初の移住先であるメキシコとの国境の町ティファナに残ったことである)、ギターの名手となって1966年フィルモアウェストでポール・バタフィールド・バンドの代りに即席で組んだバンドでの演奏が評判を呼び、3年後1969年8月にウッドストックに招かれると共にサンタナのデビュー・アルバムを発表する。
かの地ましてピッピー・ブームメントの最中だから各人麻薬に傾いて独善的になる。かくしてバンド・メンバーが固定できず、後年出演したトーク番組を司会するウーピー・ゴールドバーグによれば35もののメンバー構成があったらしい(これ以降もサンタナとしても活動しているのでさらに増えているであろう)。
映画はこの後結婚したデボラ・サンタナ(2007年に34年の結婚生活に終止符を打つ。その後ミュージシャン仲間のシンディ・ブラックマンと再婚)とその間に設けた子供たちとの関係を、自分と両親との関係に言及しつつ、述べたりするうち、1999年に発表した「スーパーナチュラル」が記録的な大ヒットとなる(通算2500万枚売れたとか)。
このアルバムのタイトルに象徴されるように、時に関する考証をしたり、宗教に傾倒していく印象が強い。どちらかと言えば僕は宗教嫌いなので、そういうところは余り積極的に取り上げたくないが、 恐らくそれを基調とする “寛大さが大事” 旨の発言には心動かされるものがある。
ライブ演奏の模様は多くないが、サンタナに関しては色々と残っているはずなので、敢えてカルロス・サンタナの言わば心の旅路(邦題を参考)を綴る本作で触れる必要もないだろう。
ラテン・ロック好きが日本にどのくらいいるか知らないが、ロックを研究したい人は観るに如くはない。
サンタナのアルバムは最初の2枚、と一つおいて4枚目の「キャラバンサライ」しか持っていないです。
2023年アメリカ映画 監督ルディ・バルデス
ネタバレあり
中学生だった1972年頃ラテン・ロック・バンドのサンタナの名を知ったが、意識して聞いた(意識したのだから “聴いた” が正しいのかもしれないが)のは1976年の「哀愁のヨーロッパ」が初めてではなかったかと思う。フリートウッド・マックをカヴァ―して大ヒットした「ブラック・マジック・ウーマン」を実際に聞いたのもその後だったように記憶する。
そのサンタナを率いたのがカルロス・サンタナ。その伝記ドキュメンタリーである。
1947年メキシコに生まれ、マリアッチの演奏家である父親にヴァイオリンを習うが、古臭いマリアッチを嫌い、ロックンロールを愛しギターを学び始める。
1962年にサンフランシスコに移住(ここで不思議なのはまだ思春期前期だったカルロスが数年間家族と離れて最初の移住先であるメキシコとの国境の町ティファナに残ったことである)、ギターの名手となって1966年フィルモアウェストでポール・バタフィールド・バンドの代りに即席で組んだバンドでの演奏が評判を呼び、3年後1969年8月にウッドストックに招かれると共にサンタナのデビュー・アルバムを発表する。
かの地ましてピッピー・ブームメントの最中だから各人麻薬に傾いて独善的になる。かくしてバンド・メンバーが固定できず、後年出演したトーク番組を司会するウーピー・ゴールドバーグによれば35もののメンバー構成があったらしい(これ以降もサンタナとしても活動しているのでさらに増えているであろう)。
映画はこの後結婚したデボラ・サンタナ(2007年に34年の結婚生活に終止符を打つ。その後ミュージシャン仲間のシンディ・ブラックマンと再婚)とその間に設けた子供たちとの関係を、自分と両親との関係に言及しつつ、述べたりするうち、1999年に発表した「スーパーナチュラル」が記録的な大ヒットとなる(通算2500万枚売れたとか)。
このアルバムのタイトルに象徴されるように、時に関する考証をしたり、宗教に傾倒していく印象が強い。どちらかと言えば僕は宗教嫌いなので、そういうところは余り積極的に取り上げたくないが、 恐らくそれを基調とする “寛大さが大事” 旨の発言には心動かされるものがある。
ライブ演奏の模様は多くないが、サンタナに関しては色々と残っているはずなので、敢えてカルロス・サンタナの言わば心の旅路(邦題を参考)を綴る本作で触れる必要もないだろう。
ラテン・ロック好きが日本にどのくらいいるか知らないが、ロックを研究したい人は観るに如くはない。
サンタナのアルバムは最初の2枚、と一つおいて4枚目の「キャラバンサライ」しか持っていないです。
この記事へのコメント
札幌に来ました。確か厚生年金会館大ホール。
行きました。見ました。聴きました。(^^)
カルロスさんも、みんな、若かった。
観客の私も、もちろん若かった。
ツアーに同行していた今野雄二さんの
熱く語るサンタナ愛も記憶にあります。
キャラバンサライはサラウンド仕様とのことで
すぐその気になる田舎者(私ですが)は
部屋の四方にスピーカー置いて
真ん中に座って聴きました。
サンタナを教えてくれた当時の彼は
「キャラバン〜が、いい」と言い
「いいんにゃ、天の守護神のほうがいい」と私。
とにかくカルロスさん、ビッグになりましたねぇ。☺️
>行きました。見ました。聴きました。(^^)
ジュリアス・シーザーみたいですね^^
良いなあ。
>キャラバンサライはサラウンド仕様とのことで
ああっ、4チャンネルですね。
我が家もすぐに4チャンネル・ステレオを買いましたよ。
それ用のレコードもありましたし、普通のレコードも疑似4チャンネル化して聴いたものです。
>「キャラバン〜が、いい」と言い
>「いいんにゃ、天の守護神のほうがいい」と私。
大学生になって買った『キャラバンサライ』はアート志向で、フュージョン風なので、なかなか馴染めずにいましたが、段々良くなってきましたねえ。
『天の守護神』は「ブラック・マジック・ウーマン」が入っているし、聴きやすい。実は5月頃でかい音で聴いていました。