映画評「宇宙人のあいつ」
☆☆(4点/10点満点中)
2023年日本映画 監督・飯塚健
ネタバレあり
飯塚健監督を見るのはこれが4本目(プラス共同監督)で、及第点を与えられたのは「ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~」だけ。これとて出来栄えは大して良くないが、個人的な思い入れのある長野オリンピックの実話として敢えてマイナスを付ける点がなかったという程度なのだが。
逆に、本作は脚本も書く彼の大衆的指向が悪い方に出す通俗に落ちすぎている。簡単にお話を書いてみる。
日村勇紀が家業を継いだ焼き肉店から宇宙船を飛び出て、三兄弟が慌てふためいているところで、時間が暫く前に巻き戻されるという形式がスタートする。これが多分に良くないと思われる。
さて、長男の日村と次男・中村倫也が、妹・伊藤沙莉と末っ子・柄本時生に、中村がトロ・ピカルという名前の土星人で、数か月後に帰星(?)すると明かされる。やがてトロ・ピカルは帰還と共に家族の一人を連れ帰らないといけないと兄妹に告げる。
上述したように、回想形式が一部マイナスになっている。つまり、兄妹弟が全員地上に残っていることが事前に示されているので、今一つ盛り上がらないのである。それでも、逆に、誰が選ばれ、何故どう地上に残るかという過程が一応楽しめるから、大いにマイナスとまでは言えないという次第。
全体としては、このドタバタの間に婚活がうまく行かない長男、ゲスな男の子供を妊娠した妹、昔いじめた男に復讐される弟の苦難が描かれるという構成で、非現実かつくだらない宇宙人話を縦糸にし、謂わば横糸に当たるこのドラマ部分を眼目にしているのだろうが、僕の感覚では全く上手く行っていない。宇宙人話との落差がありすぎる為に却って型通りという印象が醸成されてしまうのである。
結果として、少なからぬ鑑賞者が感動させられているらしい兄弟愛にも大して心が動かない。10点満点中4.8という平均点を与えている IMDb に比べて、日本のファンは身びいきのせいもあり、甘すぎると思う。
宇宙人のあいつと言えば、大谷翔平。地区シリーズ最終戦の今日、宇宙人的な活躍をするか? 二打席終わった現在までのところ力んでいますな。
2023年日本映画 監督・飯塚健
ネタバレあり
飯塚健監督を見るのはこれが4本目(プラス共同監督)で、及第点を与えられたのは「ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~」だけ。これとて出来栄えは大して良くないが、個人的な思い入れのある長野オリンピックの実話として敢えてマイナスを付ける点がなかったという程度なのだが。
逆に、本作は脚本も書く彼の大衆的指向が悪い方に出す通俗に落ちすぎている。簡単にお話を書いてみる。
日村勇紀が家業を継いだ焼き肉店から宇宙船を飛び出て、三兄弟が慌てふためいているところで、時間が暫く前に巻き戻されるという形式がスタートする。これが多分に良くないと思われる。
さて、長男の日村と次男・中村倫也が、妹・伊藤沙莉と末っ子・柄本時生に、中村がトロ・ピカルという名前の土星人で、数か月後に帰星(?)すると明かされる。やがてトロ・ピカルは帰還と共に家族の一人を連れ帰らないといけないと兄妹に告げる。
上述したように、回想形式が一部マイナスになっている。つまり、兄妹弟が全員地上に残っていることが事前に示されているので、今一つ盛り上がらないのである。それでも、逆に、誰が選ばれ、何故どう地上に残るかという過程が一応楽しめるから、大いにマイナスとまでは言えないという次第。
全体としては、このドタバタの間に婚活がうまく行かない長男、ゲスな男の子供を妊娠した妹、昔いじめた男に復讐される弟の苦難が描かれるという構成で、非現実かつくだらない宇宙人話を縦糸にし、謂わば横糸に当たるこのドラマ部分を眼目にしているのだろうが、僕の感覚では全く上手く行っていない。宇宙人話との落差がありすぎる為に却って型通りという印象が醸成されてしまうのである。
結果として、少なからぬ鑑賞者が感動させられているらしい兄弟愛にも大して心が動かない。10点満点中4.8という平均点を与えている IMDb に比べて、日本のファンは身びいきのせいもあり、甘すぎると思う。
宇宙人のあいつと言えば、大谷翔平。地区シリーズ最終戦の今日、宇宙人的な活躍をするか? 二打席終わった現在までのところ力んでいますな。
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