映画評「パスト ライブス/再会」
☆☆☆★(7点/10点満点中)
2023年カナダ=アメリカ合作映画 監督セリーヌ・ソン
ネタバレあり
ソウル。12歳のノラ(ムン・スナ)が家族と共にカナダへ渡る。
12年後彼女を初恋の人としていたヘソン(少年時リン・スンミン、青年期ユ・テオ)がネットで彼女の行方を探すうち、NYで劇作家をしていたノラ(グレタ・リー)がそれに気づいて、ネットでの交流が始まる。しかし、それでは恋愛感情に没入して作家としての自分を失うと感じて交流停止を決心する。
その直後ユダヤ人作家アーサー(ジョン・マガロ)と結ばれた彼女は、再会を期してNYを訪れたヘソンと12年ぶりに会ってみて、翌日夫と会わせてみる。そして、人の縁(えにし)として現状を受け入れ、タクシーに乗る彼を見送る。
Past Lives は前世 (の数々) という意味で、 多分に東洋 (韓国) 的な考えに基づく人生観が基調。本作が拘る12という数字は必ずしも東洋的ということにはならないが、脚本も書いている韓国系カナダ人の女性監督セリーヌ・ソンに干支の意識があったのは間違いないだろう。
純然たる恋愛映画ではないものの、その人生観が人間関係の行方を左右するところに恋愛映画として切なさを漂わせる。
ソン監督の長編デビュー作の由で、登場人物の感情のひだを描き上げてなかなか繊細。引きの画面を多く活用する固定カメラが快く、別れの場面の横移動から始まる一連のカメラワークが実に良いムードを醸成している。
華美さに頼らない大人の映画と言うべし。
日本人は英語の有声音の後の“ズ”が苦手で、英語文法 (厳密には文法ではないが) 上、“ズ”となるべき語尾を“ス”にする人・ことが多い。本作の邦題もそうだが、今日試合のあるドジャースもヤンキースも同様。人名でもウィリアムス、ホプキンスという表記が多い。乱暴に言えば英語を勉強して来なかった人の表記ということになるが、実際には”ズ”という響きが良くないということだろう。しかし、英語の歌詞を扱う為か、さすがに音楽業界では原音に近い表記が目立ち、ビートルズ、ローリング・ストーンズ、モンキーズなどとなっている。
2023年カナダ=アメリカ合作映画 監督セリーヌ・ソン
ネタバレあり
ソウル。12歳のノラ(ムン・スナ)が家族と共にカナダへ渡る。
12年後彼女を初恋の人としていたヘソン(少年時リン・スンミン、青年期ユ・テオ)がネットで彼女の行方を探すうち、NYで劇作家をしていたノラ(グレタ・リー)がそれに気づいて、ネットでの交流が始まる。しかし、それでは恋愛感情に没入して作家としての自分を失うと感じて交流停止を決心する。
その直後ユダヤ人作家アーサー(ジョン・マガロ)と結ばれた彼女は、再会を期してNYを訪れたヘソンと12年ぶりに会ってみて、翌日夫と会わせてみる。そして、人の縁(えにし)として現状を受け入れ、タクシーに乗る彼を見送る。
Past Lives は前世 (の数々) という意味で、 多分に東洋 (韓国) 的な考えに基づく人生観が基調。本作が拘る12という数字は必ずしも東洋的ということにはならないが、脚本も書いている韓国系カナダ人の女性監督セリーヌ・ソンに干支の意識があったのは間違いないだろう。
純然たる恋愛映画ではないものの、その人生観が人間関係の行方を左右するところに恋愛映画として切なさを漂わせる。
ソン監督の長編デビュー作の由で、登場人物の感情のひだを描き上げてなかなか繊細。引きの画面を多く活用する固定カメラが快く、別れの場面の横移動から始まる一連のカメラワークが実に良いムードを醸成している。
華美さに頼らない大人の映画と言うべし。
日本人は英語の有声音の後の“ズ”が苦手で、英語文法 (厳密には文法ではないが) 上、“ズ”となるべき語尾を“ス”にする人・ことが多い。本作の邦題もそうだが、今日試合のあるドジャースもヤンキースも同様。人名でもウィリアムス、ホプキンスという表記が多い。乱暴に言えば英語を勉強して来なかった人の表記ということになるが、実際には”ズ”という響きが良くないということだろう。しかし、英語の歌詞を扱う為か、さすがに音楽業界では原音に近い表記が目立ち、ビートルズ、ローリング・ストーンズ、モンキーズなどとなっている。
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