映画評「スーパーマンⅡ 冒険篇」
☆☆☆☆(8点/10点満点中)
1981年アメリカ映画 監督リチャード・レスター
ネタバレあり
題名通りスーパーマン第2作。これは映画館で観たきりだったか?
第1作でクリプトン星の悪党三人が鏡のようなものに閉じ込められたまま終わっているのを見て、続編が用意されているのは明らかだったが、案の定今回この三人が出て来る。
この三人を解放する為にパリの水爆騒動が出て来るようなものながら、その水爆騒動自体がなかなかの見世物になっているのだから、上手い脚本と思う。
ロイス・レイン(マーゴット・キダー)がいつもスーパーマンが現れる時に同僚クラーク・ケント(クリストファー・リーヴ)がいないことに気付き、その実証の為に色々と無駄なことをするうち、遂に彼女を愛するケントは正体を明かさざるを得なくなる。愛の成就の為には北極にある基地で自分を無力化する必要があり、敢行する。
第1作第2作はドラマ部分もしっかりしていて、ここで愛の成就と地球を守るというジレンマが通奏低音としてうまく機能している。北極で無力化する時に余り躊躇がないのが却って終盤面白く見られる要因になっている。
三悪党ゾッド将軍(テレンス・スタンプ)、紅一点アーサ(サラ・ダグラス)、大男ノン(ジャック・オハロラン)が現れて地球に狼藉を加えるが、その時クラーク・ケントは北極へ地球人の力で向かうしかない。
この前後で微々たる瑕疵が散見される。クラーク・ケントが北極へ行くのに苦労しているのに対し、無力になった後北極からメトロポリスに何の苦労もなく二人して戻っていたり(これを指摘するのが無粋なのは承知)、北極の基地での母親の説明が地球人の悪党レックス・ルーサーに(ジーン・ハックマン)にも解る英語で為されたり、妙と言えば妙。後者に関してはクリプトン星の文明は凄くて息子の憶えた言葉に変ずるように設計されているのかもしれないと敢えて好意的に見る。但し、危機管理として全くなっていないのは否定のしようがない。
この後復活したスーパーマンと三悪党との対決が大々的でお楽しみになる。VFXのド派手さに慣れた若い人にはしょぼく見えるのは間違いないが、僕のような頑固なロートルの脳裡から、VFXはいかに凄くても “絵” であり、結局は実写という名のアニメであるという思いが消えることはないのである。
北極での対決には力勝負だけではなく、分身の術が出て来て、僕のように忍者的合戦が好きな人には嬉しい場面となっている。
スーパーマンと言えば、大谷VSジャッジとなるかと思われたワールド・シリーズは結局どちらも活躍せずに終わった。一昨日明らかに復調したジャッジは昨日英雄になりかけながら、本当につまらないエラーで全て帳消しにした。結局今回のシリーズではフリーマンがスーパーヒーローだった。
1981年アメリカ映画 監督リチャード・レスター
ネタバレあり
題名通りスーパーマン第2作。これは映画館で観たきりだったか?
第1作でクリプトン星の悪党三人が鏡のようなものに閉じ込められたまま終わっているのを見て、続編が用意されているのは明らかだったが、案の定今回この三人が出て来る。
この三人を解放する為にパリの水爆騒動が出て来るようなものながら、その水爆騒動自体がなかなかの見世物になっているのだから、上手い脚本と思う。
ロイス・レイン(マーゴット・キダー)がいつもスーパーマンが現れる時に同僚クラーク・ケント(クリストファー・リーヴ)がいないことに気付き、その実証の為に色々と無駄なことをするうち、遂に彼女を愛するケントは正体を明かさざるを得なくなる。愛の成就の為には北極にある基地で自分を無力化する必要があり、敢行する。
第1作第2作はドラマ部分もしっかりしていて、ここで愛の成就と地球を守るというジレンマが通奏低音としてうまく機能している。北極で無力化する時に余り躊躇がないのが却って終盤面白く見られる要因になっている。
三悪党ゾッド将軍(テレンス・スタンプ)、紅一点アーサ(サラ・ダグラス)、大男ノン(ジャック・オハロラン)が現れて地球に狼藉を加えるが、その時クラーク・ケントは北極へ地球人の力で向かうしかない。
この前後で微々たる瑕疵が散見される。クラーク・ケントが北極へ行くのに苦労しているのに対し、無力になった後北極からメトロポリスに何の苦労もなく二人して戻っていたり(これを指摘するのが無粋なのは承知)、北極の基地での母親の説明が地球人の悪党レックス・ルーサーに(ジーン・ハックマン)にも解る英語で為されたり、妙と言えば妙。後者に関してはクリプトン星の文明は凄くて息子の憶えた言葉に変ずるように設計されているのかもしれないと敢えて好意的に見る。但し、危機管理として全くなっていないのは否定のしようがない。
この後復活したスーパーマンと三悪党との対決が大々的でお楽しみになる。VFXのド派手さに慣れた若い人にはしょぼく見えるのは間違いないが、僕のような頑固なロートルの脳裡から、VFXはいかに凄くても “絵” であり、結局は実写という名のアニメであるという思いが消えることはないのである。
北極での対決には力勝負だけではなく、分身の術が出て来て、僕のように忍者的合戦が好きな人には嬉しい場面となっている。
スーパーマンと言えば、大谷VSジャッジとなるかと思われたワールド・シリーズは結局どちらも活躍せずに終わった。一昨日明らかに復調したジャッジは昨日英雄になりかけながら、本当につまらないエラーで全て帳消しにした。結局今回のシリーズではフリーマンがスーパーヒーローだった。
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