映画評「エクスペンダブルズ ニューブラッド」

☆☆(4点/10点満点中)
2023年アメリカ映画 監督スコット・ウォー
ネタバレあり

先日観た「ネイビーシールズ 空港占拠」と似ているところがある。ややこしいことに、それとは全く関係ない「ネイビーシールズ」(2012年)という映画を共同監督したスコット・ウォーが監督を担当している。

リビアのカダフィ大佐から核兵器を奪ったテロリスト一味からそれを奪還する為に、CIAの傭兵部隊エクスペンダブルズの面々が、それを積載した船に乗り込む。

というパラレル・ワールド的なお話(実際のカダフィは英米の要請に従って2003年に核装備計画の放棄に協力している)で、序盤のリビア作戦でリーダーのシルヴェスター・スタローンが死んでしまうというのが変化球。尤も、これは僕が予想した通りの展開を見せるので、結果的に却って “な~んだ” ということになってしまうのだが。

メンバーも、ジェースン・ステイサムとドルフ・ランドグレン以外は新たな顔ぶれで、美人ミーガン・フォックス、ラッパー50セント、アジア系美人レヴィ・トランなどで、この時代の作品らしく白人が少なく女性が二人加わった。部外者としてタイ製アクションでお馴染みのトニー・ジャーも活躍する。
 彼らを陣頭指揮するのがCIA幹部アンディ・ガルシアなのだが、何と「ネイビーシールズ 空港占拠」同様、取締り側のトップがテロリストのリーダーと判明する。恐らくこちらがに先に作られているが、観た順のせいでこちらが二番煎じとなってしまった。

しかも、こちらのお話はかなり知恵の足りないもので、核への意識が低すぎてサスペンスは殆どないに等しく、ひたすらアクションを見せるのに終始する。スタローンの出番が少ないのは年齢を考えてのことだろう。客寄せパンダに徹した感じ。

カダフィは核(厳密には大量破壊兵器)を放棄した為に滅びたと言われ、北朝鮮の独裁者が核に拘泥する理由の一つとなっている。

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