映画評「映画版 変な家」

☆☆(4点/10点満点中)
2024年日本映画 監督・石川淳一
ネタバレあり

このタイトルの書籍が新聞の書籍売れ行きランキングで上位に入っていたのには気付いていたが、他のメディアに関しては全く知らない。映画作者は、この映画版は小説から続くものである旨述べている。

個人的な話をすると、最初の家の間取りを見て、子供部屋が真ん中にあるのが変だといきなり解った。

さて、オカルト系YouTuber雨男こと雨宮(間宮祥太朗)が、動画プロデューサーの柳岡(DJ松永)が購入を考えていると言う中古物件の間取りが変だということで、知人の設計士栗原(佐藤二朗)に問い合わせる。その家のことを知っているという女性宮江柚希(川栄李奈)を加えて探偵トリオのような形で、柚希の姉(瀧本美織)とその夫(長田成哉)の失踪事件を探ることになる。

というお話で、後半は姉妹の母親(斉藤由貴)を絡めて、祖父片淵重治(石坂浩二)を当主とする実家の呪いを解消する為の明治以来の儀式が、夫婦が住んでいた二つの奇怪な家の秘密に絡んでいることを突き止める。

当主が石坂浩二であるのはエンディング・ロールで初めて気づいたというお粗末ぶりだが、彼らが実家に乗り込んでからは正に石坂版金田一耕助第一弾「犬神家の一族」を思わせるおどろおどろしさになっていく。

違うのはあちらがホラー要素のある本格ミステリーであるのに対し、こちらはミステリー要素のあるホラーであるということだ。それを見事に証明するのが、なくもがなのどんでん返しで、ちゃんとしたミステリーならどんでん返しを用意することはない。詳細は伏せるが、こんなどんでん返しは夢落ちに等しいと言うべし。バカバカしくてがっかりしたデス。
 それが観ている最中で発生した二つほどの疑問を解決するところがあるのをどう考えるかだが、その疑問になった箇所や設定の扱いが甚だ良くないので、★一つ減らしたままにする。

原作は雨穴なる覆面作家。雨づくしだね。

この記事へのコメント