映画評「バッドボーイズ RIDE OR DIE」

☆☆★(5点/10点満点中)
2024年アメリカ映画 監督アディル・エル・アルビ、ビラル・ファラー
ネタバレあり

初期から駄弁の為に面白がれなかった「バッドボーイズ」シリーズ第4作。
 17年ぶりに復活した第3作は、駄弁ぶりが最悪で冗長千万な第2作より減ったと感じ、その点は買ったが、大甘で余り良い趣味の映画とは思えなかった。

この第4作はどうかと言えば、第3作の直接的な続編で、前作で死んだジョー・パントリアーノの警部が夢の中で再登板し、彼を殺した犯人であり刑事ウィル・スミスの息子と判明しているジェイコブ・スキピオも父親の手により娑婆の人になって、協力者として大活躍する。
 第3作の大甘な終盤を観た時に第4作は間違いなく作られると感じたが、ここまでの発展性を既に考えていたろうか?

ともかく、相対的に似ている人物が多数登場し、官憲だからと言ってバッドボーイズ側とは限らず、逆に悪の側からスキピオのように正義の味方に変じたりする者もいて、老骨の頭が追いつかないところが出て来る。

実は麻薬組織と手を組んでいる悪徳官憲がパントリアーノを悪徳刑事にでっち上げることで自分たちに危険の及ぶことを避けていると気付いたスミスと相棒マーティン・ローレンスが、裏事情を知っているスキピオを娑婆に脱出させ、故警部の娘でシェリフのレイ・シーホーンに追われながら、真相に近づこうとする。

追われながらの犯人捜しというより真相探しというアイデアはスマートに展開すれば面白くなるのだが、どうしても賑やかな二人だけにお喋りとアクションに頼って知的なという意味で面白くならない。
 そのアクションは、カメラが揺れて見にくいこと甚だしく、そこに敢えてそれと解らせるCG映像が加わるのだから、画面的に見どころがあるとは言い難い。最後の白鰐のくだりは半世紀以上前の「007」以来の定石。

日本人はシリーズものに弱い若しくは甘いということを見事に証明する【Yahoo!映画】とFilmarksでの平均投票点の高さ! 本国IMDbの評価は6.5ですよ(それでも僕は高いと思うが、この程度なら良いだろう)。

日本人は義理堅いのでしょう。一度ファンになったら軽く扱わない。

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