映画評「ボディガード牙」
☆☆(4点/10点満点中)
1973年日本映画 監督・鷹森立一
ネタバレあり
洋画ファンがクンフー映画の洗礼を受けるのは「燃えよドラゴン」(1973年12月日本公開)だったが、邦画好きはその半年前に、クンフー映画に近い、空手をふんだんに駆使したアクションを観ていた。
しかるに、本作はシシリアン・マフィアのコーザ・ノストラが絡み、悪党三兄弟が絡んで銃撃戦も多く出てくることを考えると、恐らく1974年以降にもっと格闘技に徹する邦画が現れて来たはずだ。
大山倍達をモデルにした大東徹源(大山倍達)率いる徹心会の後継者に任命された牙直人(千葉真一)がアメリカから帰国中の飛行機で起きたハイジャックを見事に解決、会見をもって徹心会のアピールに腐心し、自らのボディガード業を売り込む。
早速訪れた希望者は、伶子(渥美マリ)なる謎の美女で、その最中に早くも彼女を狙うグループが現れ、彼の妹が代わりに負傷する。犯人はコーザ・ノストラである。
亡くなった幹部の愛人であった彼女は麻薬を手に入れて大金を得ようとしていて、本場のマフィアだけではなく、横取りを狙う悪名高い三兄弟(山本麟一、郷鍈治、滝波錦司)が絡んで、牙は大忙し、というお話。
麻薬売買稼業の悪質性やお金儲けの儚さを疎みながらもビジネスに徹するという主人公の人物造形を一定の面白味としているが、続編でそれが踏襲されるか確認しよう。
冒頭で述べたように飛び道具がふんだんに使われ、主人公がその間隙をついて空手で倒すというのが面白味であると同時に、白兵戦の面白味は限定的なので、格闘アクション・ファンにその辺りが物足りないのではないか。
個人的には、主人公が他人の持つピストルを利用して逆襲するアクションが一番面白かった。
僕はマカロニ・ウェスタンのようなズームが嫌いだが、それでもセルジョ・コルブッチなどより遥かに速いズームを駆使しているのが一定の興味にならなくもない。
お時間のある方はどうぞ、といった程度の出来栄え。
モデムが不調なので、使えているうちにアップしてきます。
1973年日本映画 監督・鷹森立一
ネタバレあり
洋画ファンがクンフー映画の洗礼を受けるのは「燃えよドラゴン」(1973年12月日本公開)だったが、邦画好きはその半年前に、クンフー映画に近い、空手をふんだんに駆使したアクションを観ていた。
しかるに、本作はシシリアン・マフィアのコーザ・ノストラが絡み、悪党三兄弟が絡んで銃撃戦も多く出てくることを考えると、恐らく1974年以降にもっと格闘技に徹する邦画が現れて来たはずだ。
大山倍達をモデルにした大東徹源(大山倍達)率いる徹心会の後継者に任命された牙直人(千葉真一)がアメリカから帰国中の飛行機で起きたハイジャックを見事に解決、会見をもって徹心会のアピールに腐心し、自らのボディガード業を売り込む。
早速訪れた希望者は、伶子(渥美マリ)なる謎の美女で、その最中に早くも彼女を狙うグループが現れ、彼の妹が代わりに負傷する。犯人はコーザ・ノストラである。
亡くなった幹部の愛人であった彼女は麻薬を手に入れて大金を得ようとしていて、本場のマフィアだけではなく、横取りを狙う悪名高い三兄弟(山本麟一、郷鍈治、滝波錦司)が絡んで、牙は大忙し、というお話。
麻薬売買稼業の悪質性やお金儲けの儚さを疎みながらもビジネスに徹するという主人公の人物造形を一定の面白味としているが、続編でそれが踏襲されるか確認しよう。
冒頭で述べたように飛び道具がふんだんに使われ、主人公がその間隙をついて空手で倒すというのが面白味であると同時に、白兵戦の面白味は限定的なので、格闘アクション・ファンにその辺りが物足りないのではないか。
個人的には、主人公が他人の持つピストルを利用して逆襲するアクションが一番面白かった。
僕はマカロニ・ウェスタンのようなズームが嫌いだが、それでもセルジョ・コルブッチなどより遥かに速いズームを駆使しているのが一定の興味にならなくもない。
お時間のある方はどうぞ、といった程度の出来栄え。
モデムが不調なので、使えているうちにアップしてきます。
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