映画評「マッドマックス:フュリオサ」
☆☆☆(6点/10点満点中)
2024年オーストラリア=アメリカ合作映画 監督ジョージ・ミラー
ネタバレあり
昔から核戦争後SFの類はどうも食指が動かない。「渚にて」(1959年)のように静かなものは良いが、幾つかの集団が対立する類はとりわけ好かない。
カーアクションが好きだったから大学生時代に紹介された第1作目には期待したが、基本的にこの手が苦手な僕は、スケールが大きくなればなるほどシラケると言っても過言ではない。
それでも西部劇のSF版として第4作は一応は楽しませて貰った。この第5作は、第4作の前日談である。
放射能で荒地と化したオーストラリアで最後の緑地に住む少女フュリオサが、バイカー軍団に拉致され、母親の奪還の奮闘空しく再拉致されて、目の前で磔処刑される母親を見る。
彼女はこの連中を率いるディメンタス(クリス・ヘムズワース)に囲われる形となるが、娘として扱う男の気持ちは本当であるようだ。バイカー軍団は、イモータン・ジョー(ラッキー・ヒューム)が占領するオアシス的な場所シタデルを我が物にしようとして、ジョー配下のウォーボーイズに撃退されるが、同地を成立させるに欠かせないガスタンクを占拠し、フュリオサらを人身御供するなどして水と食料を多く供給させるべく交渉に臨むが、上手く行かない。
ジョーの警備隊長ジャック(トム・バーク)と意気投合したフュリオサは副官に迎えられるが、最終的に緑の地に向う時にジャックは落命し、左腕を失った彼女はシタデルに戻る。やがて、ジョーとの戦いに敗れたディメンタスを彼女は憎き仇として追い詰めていく。
二派の対立だけだからそうややこしくはないはずだが、フュリオサはジョーに忠誠を誓っているわけでもないので何度もシタデルを脱出し、一方のディメンタスも一部配下に離反されるなどごちゃごちゃするところがあり、頭の老化現象が著しい上にこの手に苦手意識のある僕は次第にボーっとする時間が増えていく。
ディメンタスとジョーの交渉場面など、西部劇における白人とインディアンの交渉のようにも見えるが、地政学的にはインディアンに相当するジョーが交渉において支配的であり、馬の代りにバイクでは、西部劇の感覚で見る努力も限界がある。
結局はフュリオサの復讐譚として見るのが一番で、その為に自分の腕すら落としてしまう辺りの執念には恐れ入る。
少女期を除いてフュリオサを熱演するのはファニー・フェースのアーニャ・テイラー=ジョイ。顔を塗りたくっている時間が多いのが、どちらかと言えばマスク的に苦手の僕には丁度良かっただろうか?
対決と言えば昼間は我が県代表の健大高崎と明徳義塾、夜はドジャーズVSカブズの試合がある。こちらの対決のほうが小汚い連中の争いよりワクワクするね。今日は大変な一日だ。
2024年オーストラリア=アメリカ合作映画 監督ジョージ・ミラー
ネタバレあり
昔から核戦争後SFの類はどうも食指が動かない。「渚にて」(1959年)のように静かなものは良いが、幾つかの集団が対立する類はとりわけ好かない。
カーアクションが好きだったから大学生時代に紹介された第1作目には期待したが、基本的にこの手が苦手な僕は、スケールが大きくなればなるほどシラケると言っても過言ではない。
それでも西部劇のSF版として第4作は一応は楽しませて貰った。この第5作は、第4作の前日談である。
放射能で荒地と化したオーストラリアで最後の緑地に住む少女フュリオサが、バイカー軍団に拉致され、母親の奪還の奮闘空しく再拉致されて、目の前で磔処刑される母親を見る。
彼女はこの連中を率いるディメンタス(クリス・ヘムズワース)に囲われる形となるが、娘として扱う男の気持ちは本当であるようだ。バイカー軍団は、イモータン・ジョー(ラッキー・ヒューム)が占領するオアシス的な場所シタデルを我が物にしようとして、ジョー配下のウォーボーイズに撃退されるが、同地を成立させるに欠かせないガスタンクを占拠し、フュリオサらを人身御供するなどして水と食料を多く供給させるべく交渉に臨むが、上手く行かない。
ジョーの警備隊長ジャック(トム・バーク)と意気投合したフュリオサは副官に迎えられるが、最終的に緑の地に向う時にジャックは落命し、左腕を失った彼女はシタデルに戻る。やがて、ジョーとの戦いに敗れたディメンタスを彼女は憎き仇として追い詰めていく。
二派の対立だけだからそうややこしくはないはずだが、フュリオサはジョーに忠誠を誓っているわけでもないので何度もシタデルを脱出し、一方のディメンタスも一部配下に離反されるなどごちゃごちゃするところがあり、頭の老化現象が著しい上にこの手に苦手意識のある僕は次第にボーっとする時間が増えていく。
ディメンタスとジョーの交渉場面など、西部劇における白人とインディアンの交渉のようにも見えるが、地政学的にはインディアンに相当するジョーが交渉において支配的であり、馬の代りにバイクでは、西部劇の感覚で見る努力も限界がある。
結局はフュリオサの復讐譚として見るのが一番で、その為に自分の腕すら落としてしまう辺りの執念には恐れ入る。
少女期を除いてフュリオサを熱演するのはファニー・フェースのアーニャ・テイラー=ジョイ。顔を塗りたくっている時間が多いのが、どちらかと言えばマスク的に苦手の僕には丁度良かっただろうか?
対決と言えば昼間は我が県代表の健大高崎と明徳義塾、夜はドジャーズVSカブズの試合がある。こちらの対決のほうが小汚い連中の争いよりワクワクするね。今日は大変な一日だ。
この記事へのコメント
わたしも、ぼんやり見た口です。
>ボーっとした、なんて…呼びました?
あははは。
傑作!
ボーさんは、実は僕のドッペルゲンガーなんです。