映画評「フォールガイ」
☆☆☆(6点/10点満点中)
2024年アメリカ=オーストラリア=カナダ合作映画 監督デーヴィッド・リーチ
ネタバレあり
1968年のイタリア映画「スタントマン」はまるで大したことがなかったが、1980年のアメリカ映画「スタントマン」はなかなか面白かった。但し、アクションを見せるタイプの映画ではなく、その意味では1978年の「グレート・スタントマン」のほうが見どころがあったかもしれない。
その間にも色々ある中で、ジャッキー・チェンの近作「ライド・オン」が近年の本格派で、それに本作が続く。VFXにおんぶにだっこだった映画界がここに来て俄然SFXに注目しているのは面白い現象だ。
トム・クルーズならぬトム・ライダー(アーロン・テイラー=ジョンスン)のスタントをしているコルト・シーバース(ライアン・ゴズリング)は、スタントの失敗で負傷したのを機に、現場で仲良くしていた映画監督志願ジョディ(エミリー・ブラント)と縁を切るべく音信を絶つが、敏腕女性プロデューサーのゲイル(ハンナ・ワディンガム)の罠にはまって、彼女の映画監督デビューとなるSF大作に関わることになる。
この直後の撮影中の言い合いが映画界を舞台にしたロマンティック・コメディーらしくて楽しい。
後半コルトがライダーの犯罪に巻き込まれてスタントマンらしさを大いに発揮して対処して見せるアクションが盛りだくさんで、ロマンティック・コメディーというジャンル分けを放棄したくなるものの、主役カップルの会話に「ノッティングヒルの恋人」のタイトルが出て来る以上基本はロマンティック・コメディーと言って間違いないだろう。
因みに、僕の定義では、純然たる恋愛にまつわる波乱を見せるラブ・コメディーと違い、ロマンティック・コメディーは「おしゃれ泥棒」(1966年)のように他のジャンル(とりわけサスペンス系)の要素があるものを指す。
主人公側と悪党側の対立の図式などお話の構図が型通りで、先に挙げた部分などのディテイルを別にすると、余り面白いとは言いかねるが、SFX絡みの映画作りの現場が豊富に紹介され大変興味深い。
1980年代に日本でも紹介された、題名だけ知っているTVシリーズ「俺たち賞金稼ぎ!! フォール・ガイ」の関連作品に当たるらしい。最後にご本家の主演者リー・メージャーズが出て来る。
2024年アメリカ=オーストラリア=カナダ合作映画 監督デーヴィッド・リーチ
ネタバレあり
1968年のイタリア映画「スタントマン」はまるで大したことがなかったが、1980年のアメリカ映画「スタントマン」はなかなか面白かった。但し、アクションを見せるタイプの映画ではなく、その意味では1978年の「グレート・スタントマン」のほうが見どころがあったかもしれない。
その間にも色々ある中で、ジャッキー・チェンの近作「ライド・オン」が近年の本格派で、それに本作が続く。VFXにおんぶにだっこだった映画界がここに来て俄然SFXに注目しているのは面白い現象だ。
トム・クルーズならぬトム・ライダー(アーロン・テイラー=ジョンスン)のスタントをしているコルト・シーバース(ライアン・ゴズリング)は、スタントの失敗で負傷したのを機に、現場で仲良くしていた映画監督志願ジョディ(エミリー・ブラント)と縁を切るべく音信を絶つが、敏腕女性プロデューサーのゲイル(ハンナ・ワディンガム)の罠にはまって、彼女の映画監督デビューとなるSF大作に関わることになる。
この直後の撮影中の言い合いが映画界を舞台にしたロマンティック・コメディーらしくて楽しい。
後半コルトがライダーの犯罪に巻き込まれてスタントマンらしさを大いに発揮して対処して見せるアクションが盛りだくさんで、ロマンティック・コメディーというジャンル分けを放棄したくなるものの、主役カップルの会話に「ノッティングヒルの恋人」のタイトルが出て来る以上基本はロマンティック・コメディーと言って間違いないだろう。
因みに、僕の定義では、純然たる恋愛にまつわる波乱を見せるラブ・コメディーと違い、ロマンティック・コメディーは「おしゃれ泥棒」(1966年)のように他のジャンル(とりわけサスペンス系)の要素があるものを指す。
主人公側と悪党側の対立の図式などお話の構図が型通りで、先に挙げた部分などのディテイルを別にすると、余り面白いとは言いかねるが、SFX絡みの映画作りの現場が豊富に紹介され大変興味深い。
1980年代に日本でも紹介された、題名だけ知っているTVシリーズ「俺たち賞金稼ぎ!! フォール・ガイ」の関連作品に当たるらしい。最後にご本家の主演者リー・メージャーズが出て来る。
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