映画評「町の人気者」
☆☆☆★(7点/10点満点中)
1943年アメリカ映画 監督クラレンス・ブラウン
ネタバレあり
本作は1943年製作だから、アメリカが欧州でも太平洋でも戦いの佳境を迎えていた頃に作られたわけだが、兵隊を出しながらも、戦意高揚にも国威発揚にも走らない、実に品の良い映画に仕上がっている。
監督のクラレンス・ブラウンの持ち味でもあるが、やはりウィリアム・サローヤンの趣味の良さが発揮されていると言って良い。サローヤンは「我が名はアラム」のみ読んでいるが、お話のうねりの醍醐味より挿話の積み重ねにより味わいを出していくというスタイルは全く同じである。
主役はマコーリー家の人々。
数年前に亡くなった父親レイ・コリンズの語りで始まるという変化球(とは言え、50年代前半くらいまでそれなりに流行した)で、その言葉により4歳ほどの三男、通信局の配達夫のアルバイトをする高校生ミッキー・ルーニー、出征中の長男ヴァン・ジョンスン、2番目の子供である唯一の娘ドナ・リード、そして大黒柱を失った後彼らを統率する母親フェイ・ベインターがまず紹介される。
彼らに交わる形で、通信局局長ジェームズ・クレイグとその恋人マーシャ・ハント、ベテラン通信員フランク・モーガン、その他ジョンスンが故郷に残している恋人ドロシー・モリス、戦友ジョン・クレイヴンの人生模様が紡かれていく。
ルーニーの高校におけるライバルとのあれこれなど青春模様が中心となっているが、死とは肉体が亡くなるだけという死生観が通奏低音として流れている。
最後は、施設上がりで家族というものを知らないクレイヴンが、兄の死の電報を抱えながら悄然としているルーニーの前に現れ、 “兄弟”のように家の中に入っていく。これで終わりかと思いきや、幽霊ファンタジーが流行った40年代の映画らしく父と長男の霊体も入っていく形で続く味の良さ。
傑作ではないだろうが、こういう味の良い中級クラスも記憶しておきたい。
20世紀末から始めた IMDb への我が採点全記録(1万数千本)にアクセス不能になってしまって不明であるが、ヴァン・ジョンスンの場面に見憶えがある気もするので、あるいは再鑑賞かもしれない。 IMDb への投票は採点そのものもさることながら投票行為の確認によって再鑑賞か否か瞬時に確認できるメリットがあるわけだが、先般二重認証(一回のみ)に IMDb が変更した際にコードが昔のメール・アドレスに届く為不能になったのだ。仕方がないので現在のメールで再登録した次第だが、昔の記録にアクセスできるわけではない。この映画くらい昔のことなら鑑賞ノートを開けば確認できるものの、ノートも相当数に上るので調べる気にもならない。
1943年アメリカ映画 監督クラレンス・ブラウン
ネタバレあり
本作は1943年製作だから、アメリカが欧州でも太平洋でも戦いの佳境を迎えていた頃に作られたわけだが、兵隊を出しながらも、戦意高揚にも国威発揚にも走らない、実に品の良い映画に仕上がっている。
監督のクラレンス・ブラウンの持ち味でもあるが、やはりウィリアム・サローヤンの趣味の良さが発揮されていると言って良い。サローヤンは「我が名はアラム」のみ読んでいるが、お話のうねりの醍醐味より挿話の積み重ねにより味わいを出していくというスタイルは全く同じである。
主役はマコーリー家の人々。
数年前に亡くなった父親レイ・コリンズの語りで始まるという変化球(とは言え、50年代前半くらいまでそれなりに流行した)で、その言葉により4歳ほどの三男、通信局の配達夫のアルバイトをする高校生ミッキー・ルーニー、出征中の長男ヴァン・ジョンスン、2番目の子供である唯一の娘ドナ・リード、そして大黒柱を失った後彼らを統率する母親フェイ・ベインターがまず紹介される。
彼らに交わる形で、通信局局長ジェームズ・クレイグとその恋人マーシャ・ハント、ベテラン通信員フランク・モーガン、その他ジョンスンが故郷に残している恋人ドロシー・モリス、戦友ジョン・クレイヴンの人生模様が紡かれていく。
ルーニーの高校におけるライバルとのあれこれなど青春模様が中心となっているが、死とは肉体が亡くなるだけという死生観が通奏低音として流れている。
最後は、施設上がりで家族というものを知らないクレイヴンが、兄の死の電報を抱えながら悄然としているルーニーの前に現れ、 “兄弟”のように家の中に入っていく。これで終わりかと思いきや、幽霊ファンタジーが流行った40年代の映画らしく父と長男の霊体も入っていく形で続く味の良さ。
傑作ではないだろうが、こういう味の良い中級クラスも記憶しておきたい。
20世紀末から始めた IMDb への我が採点全記録(1万数千本)にアクセス不能になってしまって不明であるが、ヴァン・ジョンスンの場面に見憶えがある気もするので、あるいは再鑑賞かもしれない。 IMDb への投票は採点そのものもさることながら投票行為の確認によって再鑑賞か否か瞬時に確認できるメリットがあるわけだが、先般二重認証(一回のみ)に IMDb が変更した際にコードが昔のメール・アドレスに届く為不能になったのだ。仕方がないので現在のメールで再登録した次第だが、昔の記録にアクセスできるわけではない。この映画くらい昔のことなら鑑賞ノートを開けば確認できるものの、ノートも相当数に上るので調べる気にもならない。
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