映画評「ハルカの陶」

☆☆★(5点/10点満点中)
2019年日本映画 監督・末次成人
ネタバレあり

同名コミック(作:ディスク・ふらい、画:西崎泰正)の実写映画化。監督は新人の末次成人。

陶は“すえ”と読む。知りませんでしたなあ。恐らく須恵器(すえき)から生まれた読みだろう。

退屈な会社員生活にうんざりしているOL小山はるか(奈緒)が、上司と訪れたデパートの展示会で備前焼の大皿に魅せられ、早速退職届を出し、作者たる若竹修(平山浩行)に弟子入りせんと岡山県の備前町に赴く。
 思ったよりぐっと若い青年陶芸家は訳ありの過去も手伝って人当たりが悪く、近所のホームレスもどきの老人実は備前焼の人間国宝・榊陶人(笹野高史)の仲介で何とか弟子入りを果たすも、何も教えて貰えない。
 今や人間としても国宝級になった陶人先生が二人の間に入って、青年陶芸家は人間不信を徐々に克服し、はるかは陶芸の厳しさを理解すると共に人間的にも成長していく。

原作は知らで、映画はご当地映画の域を大きく出ない。青春映画的な観点や人間劇の観点でその心情を具体的に描き一通り格好になっているので、ご当地映画色は濃くないが、人間劇として感心するようなところは殆どない。

昨日映画評をアップした「傲慢と善良」を見た人間なら必ず苦笑するであろう場面があり、「傲慢と善良」で」軽トラで主人公を駅まで追いかけた奈緒が、こちらでは軽トラで駅まで追いかけられる。「傲慢と善良」に出演した時ご本人も余りの類似に苦笑したことでしょう。

末次監督は登場人物の心情が揺れるようなところでカメラを激しく動かす。こういうのは多く誤魔化し的手法なので、余りやらないほうが良い。

【奈緒と軽トラ】その2。

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