映画評「ヴェノム:ザ・ラストダンス」

☆☆★(5点/10点満点中)
2024年アメリカ=イギリス=カナダ合作映画 監督ケリー・マーセル
ネタバレあり

3年ぶりのシリーズ第3作にして、恐らくは最終作。近年は色々と手を考えて最新作を作る時代だから、何年か後にまた復活する可能性はなきにしもあらず。
 最近はアメコミの映画版が一時ほど作られなくなった為か有難みが増え、そのせいであろうか結構面白く感じられた。

このシリーズは、「ジキル博士とハイド氏」の発展形たる「超人ハルク」の作り直しみたいなものである一方、それらが二重人格の設定で変身中の記憶がないのとは異なり、当然別人格であるから対話が出来、バディものと要素が加わることになる。
 それが楽しめる人には楽しめても結局はバディものの変化球である以上そう楽しめるものではないと主張してきた、のだが、この部分についてもまた以前に比べて楽しめた。今のジャンル映画に面白いものが少ないことの裏返しなのかもしれない。

今回はプロローグでヴェノムが地球に来た理由が何となく理解できる仕組みで、まず宇宙のどこかで創造主たるヌルは幽閉されている。それを解放する鍵が、記者エディ(トム・ハーディ)とヴェノムが合体して生まれたコーデックスで、それを奪う為にヌルはヴェノムの仲間であるシンビオートなるエイリアン種を多数派遣するのである。
 かくして、閉鎖が決まったエリア51に捕らえられているシンビオート群と今や慈愛に目覚めたヴェノムたちの戦いが始まる。

権威ある者が幽閉されているという設定はライバルたるDCコミックスの「アクアマン」シリーズと似たようなもので、ここでもまた新味不足が顔を出す。
 が、映画を余り見慣れていない人にはそれなりに楽しめる可能性はある。

今月は邦画の数が少なめになりそうだ。かと言って喜べるほど洋画のレベルも高くないのではあるけれど。

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