映画評「山逢いのホテルで」
☆☆☆(6点/10点満点中)
2023年フランス=ベルギー=スイス合作映画 監督マクシム・ラッパズ
ネタバレあり
【山間】を山で男女が逢うお話ということで、【山逢い】にしたアイデアが面白い。配給会社のセンスを批判する人がいるが、こういうのは和歌の掛詞(松=待つなど)や江戸時代の判事絵など、日本の伝統であって、くさす必要もない。
成人した知的障碍の息子ピエール=アントワーヌ・デュベを介助しながら、仕立て屋を営む熟年女性ジャンヌ・バリバールは、週に一度アルプスの山間にあるリゾート・ホテルに出かけ、好みの男性を漁っている。その間息子は雇った老女ヴェロニク・メルヌーに面倒を見てもらう。
やがてドイツから訪れていた水力発電関係の紳士トーマス・サルバッハーと昵懇になり、その際に不都合を起こしたヴェロニクは頼りにならないと遠ざけ、施設入所を検討し始める。
そんな中彼からアルゼンチン出張へ付き合わないかと誘いがかかり、息子は施設に預けて出かける直前に考え直す。恐らく彼との関係は切れるが、施設に預けることを確定的にした息子がそれなりの成長を見せて、彼女は感慨を覚える。
母としての自分と女性として自分の狭間で揺れる中年女性の心情を描いたドラマで、序盤は至って冷静に見えたヒロインが、後半になり、直情を示すようになるところがリアル。
ドイツ男性と一緒に旅立つところで彼女は、直情というより、著しい精神状態の悪化でパニック障害のような過呼吸の状態になってしまい、旅の続行は不可能になる。幕切れ寸前施設の中に入っていく息子を背後に彼女が出す嗚咽は、なかなか分析が難しいが、恐らく息子の成長に対する安堵だろうと思う。
ザルバッハー扮する人物の役名はミヒャエルだが、ヒロインはフランス人だからミシャエルと発音するのが可笑しい。
また、ジャンヌ・バリバール(1968-)は、フランソワ・トリュフォーと縁の深かった女優ベルナデット・ラフォン(1938-2013)の娘ではないかと思うほど同じタイプの容貌をしている。
物語もなかなか面白いが、端正な画面が抜群に魅力的。とりわけ、山間の叙景は大きなスクリーンで観たかったと思わせるものあり。
昨日保険の営業ウーマン二人に、我が家ではドコモがつながりにくいので“ドコモはどーも”と駄洒落を飛ばすと、一応笑われた後、“受けたふりをしました”と言われた。あはは。
2023年フランス=ベルギー=スイス合作映画 監督マクシム・ラッパズ
ネタバレあり
【山間】を山で男女が逢うお話ということで、【山逢い】にしたアイデアが面白い。配給会社のセンスを批判する人がいるが、こういうのは和歌の掛詞(松=待つなど)や江戸時代の判事絵など、日本の伝統であって、くさす必要もない。
成人した知的障碍の息子ピエール=アントワーヌ・デュベを介助しながら、仕立て屋を営む熟年女性ジャンヌ・バリバールは、週に一度アルプスの山間にあるリゾート・ホテルに出かけ、好みの男性を漁っている。その間息子は雇った老女ヴェロニク・メルヌーに面倒を見てもらう。
やがてドイツから訪れていた水力発電関係の紳士トーマス・サルバッハーと昵懇になり、その際に不都合を起こしたヴェロニクは頼りにならないと遠ざけ、施設入所を検討し始める。
そんな中彼からアルゼンチン出張へ付き合わないかと誘いがかかり、息子は施設に預けて出かける直前に考え直す。恐らく彼との関係は切れるが、施設に預けることを確定的にした息子がそれなりの成長を見せて、彼女は感慨を覚える。
母としての自分と女性として自分の狭間で揺れる中年女性の心情を描いたドラマで、序盤は至って冷静に見えたヒロインが、後半になり、直情を示すようになるところがリアル。
ドイツ男性と一緒に旅立つところで彼女は、直情というより、著しい精神状態の悪化でパニック障害のような過呼吸の状態になってしまい、旅の続行は不可能になる。幕切れ寸前施設の中に入っていく息子を背後に彼女が出す嗚咽は、なかなか分析が難しいが、恐らく息子の成長に対する安堵だろうと思う。
ザルバッハー扮する人物の役名はミヒャエルだが、ヒロインはフランス人だからミシャエルと発音するのが可笑しい。
また、ジャンヌ・バリバール(1968-)は、フランソワ・トリュフォーと縁の深かった女優ベルナデット・ラフォン(1938-2013)の娘ではないかと思うほど同じタイプの容貌をしている。
物語もなかなか面白いが、端正な画面が抜群に魅力的。とりわけ、山間の叙景は大きなスクリーンで観たかったと思わせるものあり。
昨日保険の営業ウーマン二人に、我が家ではドコモがつながりにくいので“ドコモはどーも”と駄洒落を飛ばすと、一応笑われた後、“受けたふりをしました”と言われた。あはは。
この記事へのコメント