映画評「非常線」(1953年)
☆☆☆(6点/10点満点中)
1953年アメリカ映画 監督ディック・パウエル
ネタバレあり
1958年に同名の邦画があるが、勿論関係ない。しかし、同じ50年代だけに古い映画もアップする当方には問題となりかねない。
若い頃はミュージカル・スターとしてならしたディック・パウエルが監督に進出した第1作。「眼下の敵」(1957年)という佳作が監督としての代表作だ。
脱獄したスティーヴン・マクナリー以下三人の凶悪犯が、逃走中に出くわした不倫カップル(ロバート・ペイジ、アレクシス・スミス)や新聞記者キース・アンデスと偶然その連れとなった莫連女ジャン・スターリングを連れ、核実験予定地へ逃げ去る。実験予定時間は翌日午前6時である。
マクナリーの目的は銃弾を体に受けて重態の仲間を救う為で、アレクシスの離婚交渉中の夫リチャード・イーガンが医師であることを知り、彼女を人質に呼び出して実験の前に手術をして貰おうという算段である。
手術の後マクナリーが人質を逃がすかどうか疑われる中、関係者の間で事前の駆け引きが始まる。
大体こんなお話で、ありふれた凶悪犯による人質サスペンスに核実験を加えたところがアイデアとして一応評価できる。
核実験後に大して離れていない場所で生き残った人々の安堵とそのハッピーエンド感は、二つの原爆禍を知る日本人の眼には誠に非科学的であるが、そこに拘っても余り建設的ではない。実験の時刻を関係者が知っていることでタイムリミット・サスペンスがスクリーンの内外で生まれ、なかなか面白くなったと思う次第だ。
当局が突然実験を1時間早めたことで、勧善懲悪の形で生死が別れることになったのは、ヘイズ・コード時代なので当然。僕の映画観では、時間を変えずに犯人側と人質側の駆け引きによるタイムリミット・サスペンスに固執したほうがもっと面白くなった可能性があると思うが。
アメリカはテキサスに洪水が起きた。多数の死者が出ている。パリ協定から脱したトランプを選んだアメリカ国民への罪のような感さえするのは、非科学的であるが、いずれこの手の現象が世界中で起きるだろうと思う。日本も暑いが、スペインでは熱波で数百人も亡くなっていると聞く。何年の後か知らないが、恐らくトランプ退任の後、環境問題に関するだけでも、共和党支持者の多数がかつてトランプを選んだことを後悔する日が来ると思う。トランプに限らず、他人とりわけ外国人に優しくない人々が僕の周囲にも溢れ、環境問題より経済をなどと呑気なことを言っている人がいるが、そんな言動に接するうちに最近僕はかなり厭世的になり、一度人類は滅びたほうが良いと思うようになっている。
1953年アメリカ映画 監督ディック・パウエル
ネタバレあり
1958年に同名の邦画があるが、勿論関係ない。しかし、同じ50年代だけに古い映画もアップする当方には問題となりかねない。
若い頃はミュージカル・スターとしてならしたディック・パウエルが監督に進出した第1作。「眼下の敵」(1957年)という佳作が監督としての代表作だ。
脱獄したスティーヴン・マクナリー以下三人の凶悪犯が、逃走中に出くわした不倫カップル(ロバート・ペイジ、アレクシス・スミス)や新聞記者キース・アンデスと偶然その連れとなった莫連女ジャン・スターリングを連れ、核実験予定地へ逃げ去る。実験予定時間は翌日午前6時である。
マクナリーの目的は銃弾を体に受けて重態の仲間を救う為で、アレクシスの離婚交渉中の夫リチャード・イーガンが医師であることを知り、彼女を人質に呼び出して実験の前に手術をして貰おうという算段である。
手術の後マクナリーが人質を逃がすかどうか疑われる中、関係者の間で事前の駆け引きが始まる。
大体こんなお話で、ありふれた凶悪犯による人質サスペンスに核実験を加えたところがアイデアとして一応評価できる。
核実験後に大して離れていない場所で生き残った人々の安堵とそのハッピーエンド感は、二つの原爆禍を知る日本人の眼には誠に非科学的であるが、そこに拘っても余り建設的ではない。実験の時刻を関係者が知っていることでタイムリミット・サスペンスがスクリーンの内外で生まれ、なかなか面白くなったと思う次第だ。
当局が突然実験を1時間早めたことで、勧善懲悪の形で生死が別れることになったのは、ヘイズ・コード時代なので当然。僕の映画観では、時間を変えずに犯人側と人質側の駆け引きによるタイムリミット・サスペンスに固執したほうがもっと面白くなった可能性があると思うが。
アメリカはテキサスに洪水が起きた。多数の死者が出ている。パリ協定から脱したトランプを選んだアメリカ国民への罪のような感さえするのは、非科学的であるが、いずれこの手の現象が世界中で起きるだろうと思う。日本も暑いが、スペインでは熱波で数百人も亡くなっていると聞く。何年の後か知らないが、恐らくトランプ退任の後、環境問題に関するだけでも、共和党支持者の多数がかつてトランプを選んだことを後悔する日が来ると思う。トランプに限らず、他人とりわけ外国人に優しくない人々が僕の周囲にも溢れ、環境問題より経済をなどと呑気なことを言っている人がいるが、そんな言動に接するうちに最近僕はかなり厭世的になり、一度人類は滅びたほうが良いと思うようになっている。
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