映画評「密輸 1970」
☆☆☆(6点/10点満点中)
2023年韓国映画 監督リュ・スンワン
ネタバレあり
Allcinemaの例によって少ないコメント欄に“韓流”(スタイルの映画)という文字があったが、1970年代が舞台のアクションということもあって、僕は寧ろその時代の東映アクションや日活の野良猫シリーズを思い起こしていた。
当時の韓国人の “技術先進国” 日本への憧憬のようなものさえ感じられ微笑ましくもあった。
1970年代の漁村(実際には町)。漁業ではまともに食えなくなった海女たちを支える船主が、誰かが故あって沈める金塊や宝石の類を勝手に回収して密輸するという商売に乗り出す。
悪徳税関長キム・ジョンスが摘発に乗り出して、その騒ぎで船主らが死亡、娘ヨム・ジョンアら実行した海女たちが逮捕されるが、この時キム・ヘスだけは逃亡して2年間の臭い飯を食わずに済まし、ソウルで密輸団首領チョ・インソンと組んでそれなりに上手くやっている。
しかし、チョに唆されてこの漁村に戻って来た彼女はジョンアに誘い水をかけるうち、どうもブローカー的に活躍している弟分パク・ジョンミンが税関長と組んで悪徳の限りを尽くしていることを掴み、ダイヤを巡って両者を睨み合わせる作戦を取ろうとするが失敗、サメのうろつく海底からダイヤを回収することを強要される。税関長は回収を終えるや否やパクの子分たちに海女たちを殺させるつもりである。
といったお話。当時の音楽や風俗が満載で、日本の歌謡曲に似た感じの曲もかかり、タイムスリップして若い時の千葉真一がひょっこり出て来ても全く違和感がない感じがする。やはり同じ文化圏と思わされ、この辺からしてなかなか興味深い。
後半に至ると善悪関係が反転(密輸団首領が善側に見える)し、女性VS男性の構図に基づく、女性たちによる復讐劇となっていく。この辺りは世界映画の潮流に乗った感があるが、欧米流の厭らしいフェミニズム基調の狙いが感じられにくいのが良い。構図が明快で曖昧さがなく、面白いアクションを作ろうという素朴な狙いのほうが強く感じられ、楽しく観られる作品である。
実際の70年代にこのお話を日本で作るなら、ヒロイン役は梶芽衣子辺りに回ってきそう。この映画の作者にそういう色気はなかったらしく、女性陣に中年を配置しているが。
2023年韓国映画 監督リュ・スンワン
ネタバレあり
Allcinemaの例によって少ないコメント欄に“韓流”(スタイルの映画)という文字があったが、1970年代が舞台のアクションということもあって、僕は寧ろその時代の東映アクションや日活の野良猫シリーズを思い起こしていた。
当時の韓国人の “技術先進国” 日本への憧憬のようなものさえ感じられ微笑ましくもあった。
1970年代の漁村(実際には町)。漁業ではまともに食えなくなった海女たちを支える船主が、誰かが故あって沈める金塊や宝石の類を勝手に回収して密輸するという商売に乗り出す。
悪徳税関長キム・ジョンスが摘発に乗り出して、その騒ぎで船主らが死亡、娘ヨム・ジョンアら実行した海女たちが逮捕されるが、この時キム・ヘスだけは逃亡して2年間の臭い飯を食わずに済まし、ソウルで密輸団首領チョ・インソンと組んでそれなりに上手くやっている。
しかし、チョに唆されてこの漁村に戻って来た彼女はジョンアに誘い水をかけるうち、どうもブローカー的に活躍している弟分パク・ジョンミンが税関長と組んで悪徳の限りを尽くしていることを掴み、ダイヤを巡って両者を睨み合わせる作戦を取ろうとするが失敗、サメのうろつく海底からダイヤを回収することを強要される。税関長は回収を終えるや否やパクの子分たちに海女たちを殺させるつもりである。
といったお話。当時の音楽や風俗が満載で、日本の歌謡曲に似た感じの曲もかかり、タイムスリップして若い時の千葉真一がひょっこり出て来ても全く違和感がない感じがする。やはり同じ文化圏と思わされ、この辺からしてなかなか興味深い。
後半に至ると善悪関係が反転(密輸団首領が善側に見える)し、女性VS男性の構図に基づく、女性たちによる復讐劇となっていく。この辺りは世界映画の潮流に乗った感があるが、欧米流の厭らしいフェミニズム基調の狙いが感じられにくいのが良い。構図が明快で曖昧さがなく、面白いアクションを作ろうという素朴な狙いのほうが強く感じられ、楽しく観られる作品である。
実際の70年代にこのお話を日本で作るなら、ヒロイン役は梶芽衣子辺りに回ってきそう。この映画の作者にそういう色気はなかったらしく、女性陣に中年を配置しているが。
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