映画評「名探偵ポワロ:コックを捜せ」

☆☆★(5点/10点満点中)
1989年イギリス映画 監督エドワード・ベネット
ネタバレあり

デーヴィッド・スーシェ主演による「名探偵ポワロ」シリーズの記念すべき第1作。
 原作は、1951年出版の短編集『教会で死んだ男』所収の「料理人の失踪」で、ごく初期1923年発表の短編である。

銀行員が多額の有価証券を持ち逃げして失踪する事件が発生する中、暇を持て余すポワロ(スーシェ)は、勢いでトッド夫人なる有閑夫人から依頼された料理人の失踪を引き受ける羽目になる。
 彼女の家に間借りするシンプスン(ダーモット・クロウリー)も同じ銀行に勤めてい、ポワロが失踪の謎を解くことが、殺人事件の発見と有価証券持ち逃げ事件の解決に繋がる。

というお話は、元が短編だから見通しとまとまりが良い。

50分の中編で、TV映画故の腰の弱さという弱点が当然あるものの、英国映画らしく上品である。この点では外装が立派なケネス・ブラナーのポワロ・シリーズより全然よろし。
 尺の長さなどを勘案して総合的にこのくらいの点に留めるが、初登場のスーシェは既に感じを出していて、イントロダクションとして上出来と言うべし。

近年早川書房のせいでポロとなっているが、映像界では依然、昔から使われ、本来の発音に近いポロとするケースが多いようだ。David はデヴィッドが実際の発音に近いが、悩ましいものの僕はここではデヴィッドとする。デビッドは論外で、デヴィッドも候補にはしない。愚かなことに外務省は、v の発音を b にしてしまった。 ヴェトナムは昔からベトナムだったが、寧ろ "ヴ" は原語表記をえやすくする為に残すべきだ。別に、カタカナ表記通りに発音する義務はないわけで、 “発音しやすいように” とする外務省の見解は間違いだ。 ついでに言うと、記憶の意味の “憶える” を常用漢字としない文科省も間違っている。 プロの作家でもこの意味を記憶とは本来関係のない “覚える” を使う人が大半なので、 “憶える” を使う作家に当たると嬉しくなる。

この記事へのコメント

2026年02月28日 09:50
この「名探偵ポワロ」シリーズは大好きです。「刑事コロンボ」と並んで、安心して楽しめ、何度見てもおもしろいです。役者の力は大きいですね。
オカピー
2026年02月28日 20:25
nesskoさん、こんにちは。

>「名探偵ポワロ」シリーズは大好きです。

僕も、観るべき映画に事欠いた時に、重用しています。長編がベターですが、かような中編も良いですね。