映画評「ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命」
☆☆☆☆(8点/10点満点中)
2023年イギリス=チェコ=オーストラリア=アメリカ合作映画 監督ジェームズ・ホーズ
ネタバレあり
英国のシンドラー、英国の杉原千畝と言うべきニコラス・ウィントンがどういう活動を行ったかを見せる伝記的映画である。
1939年ナチスが本格的にユダヤ人狩りを行う少し前、チェコでの難民を多数見たウィントン(ジョニー・フリン)は、先に活動した支援者たちに加わり、少なくとも子供だけでもと本国英国へ移送する為に、英国当局にかけ合い、ビザ発給から列車・里親の手配まで、奔走する。
というお話が、50年後の1989年高齢化したウィントン(アンソニー・ホプキンズ)が当時記録したノートを見直すという回想形式で進むうちに、その存在を知った人々によって世に広まり、人気TV番組に出演することになる。そこで彼が助けた当時の少女と再会する。
映画はそこで終わらず、その番組の別の回では聴衆全員が彼の救った人々であったことが知らされる。
こういう見せ方を好かない人もいるだろうが、理屈っぽい割に素直なところもある僕は良いシーンと思った。
この作品がシンドラーや杉原千畝の映画と違って、“現在” に半分ほどの時間を使い、最初から現在との接点を用意している為になかなか巧いという印象が醸成されるのである。そんな映画技術論を別にして、素直に感極まるシチュエーションであることは間違いない。
しかるに、ウィントンが流す涙には、運が悪くて救えなかった子供たちへの思いがあり、かくも人情に溢れる人がいるかと思えば、人を分離させる悲しさはおろか、殺すことにも躊躇しない人もいる。実際には人情に溢れる人のほうが多いと思うが、 特殊の状況下では人情を忘れてしまうこともある。 人間は愚か and/or 弱いのである。
英国映画(厳密には合作だが、スタッフの多くが英国人)らしく、抑制的で気品が高いところを買いたい。
トランプが中国人留学生に対する大量のビザ発給を言い出した。背景に中国との経済関連の交渉があるが、トランプの他国全体主義右派に対する影響力は大きいので、こういうのが外国人嫌いが増えつつある日本にも良い効果をもたらすと良い。安部支持者はトランプ好きで、嫌中。こういうニュースにはどう反応する? まあ、しかし、どこまでもディールの人だな。
2023年イギリス=チェコ=オーストラリア=アメリカ合作映画 監督ジェームズ・ホーズ
ネタバレあり
英国のシンドラー、英国の杉原千畝と言うべきニコラス・ウィントンがどういう活動を行ったかを見せる伝記的映画である。
1939年ナチスが本格的にユダヤ人狩りを行う少し前、チェコでの難民を多数見たウィントン(ジョニー・フリン)は、先に活動した支援者たちに加わり、少なくとも子供だけでもと本国英国へ移送する為に、英国当局にかけ合い、ビザ発給から列車・里親の手配まで、奔走する。
というお話が、50年後の1989年高齢化したウィントン(アンソニー・ホプキンズ)が当時記録したノートを見直すという回想形式で進むうちに、その存在を知った人々によって世に広まり、人気TV番組に出演することになる。そこで彼が助けた当時の少女と再会する。
映画はそこで終わらず、その番組の別の回では聴衆全員が彼の救った人々であったことが知らされる。
こういう見せ方を好かない人もいるだろうが、理屈っぽい割に素直なところもある僕は良いシーンと思った。
この作品がシンドラーや杉原千畝の映画と違って、“現在” に半分ほどの時間を使い、最初から現在との接点を用意している為になかなか巧いという印象が醸成されるのである。そんな映画技術論を別にして、素直に感極まるシチュエーションであることは間違いない。
しかるに、ウィントンが流す涙には、運が悪くて救えなかった子供たちへの思いがあり、かくも人情に溢れる人がいるかと思えば、人を分離させる悲しさはおろか、殺すことにも躊躇しない人もいる。実際には人情に溢れる人のほうが多いと思うが、 特殊の状況下では人情を忘れてしまうこともある。 人間は愚か and/or 弱いのである。
英国映画(厳密には合作だが、スタッフの多くが英国人)らしく、抑制的で気品が高いところを買いたい。
トランプが中国人留学生に対する大量のビザ発給を言い出した。背景に中国との経済関連の交渉があるが、トランプの他国全体主義右派に対する影響力は大きいので、こういうのが外国人嫌いが増えつつある日本にも良い効果をもたらすと良い。安部支持者はトランプ好きで、嫌中。こういうニュースにはどう反応する? まあ、しかし、どこまでもディールの人だな。
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