映画評「遺書、公開。」
☆☆★(5点/10点満点中)
2025年日本映画 監督・英勉
ネタバレあり
高校の教室という限られた空間がサスペンスの主たる舞台となることにおいて邦画「告白」(2010年)、関係者全員に配られる謎の手紙の類が話を回転させるという点において近作「六人の嘘つきな大学生」に似ている。
ある高校のあるクラスで突然担任(忍成修吾)を含めた全員の序列を記した謎のデータが配信される。半年後、その序列で1位になった姫山椿(堀未央奈)が自殺する。
そしてその葬式後、各人の机に上に彼女の遺書とされる手紙が置かれ、その内容を巡って教室が喧々囂々の大騒動になり、疑心暗鬼を生じて、混迷する。
というお話で、ストーリーの牽引役となる生徒が、椿の幼馴染でもある池永柊夜(吉野北人)、観察を趣味と自認する廿日市くるみ(志田彩良)、椿に共感するところの多かった千蔭誠一(宮世琉弥)の三人。
教室を混乱させる主たる生徒は、彼女の恋人を気取る赤崎理人(松井奏)、親友と称す御門凛奈(高石あかり)である。その他のメンバーは、主に序列そのものに翻弄される弱い人間として画面を賑やかす。
一教室のほぼ全員が何らかの形で描出される群像劇の様相もあるミステリー・サスペンスで、陽東太郎なる漫画家の手になるコミックの実写映画化である。
変種のクローズド・サークルものと言えないこともなく、この類が余りにも多く、かつ、前回の「六人の嘘つきな大学生」にかなり似ているということもあって、老骨には余り買えない。ネタ晴らし的な部分による後味の差で「六人の嘘つきな大学生」の方を好む。
高校生役の俳優たちのオーヴァーアクトもしくは演技力不足も大いにマイナス。これを気にしなければ、こちらのほうが若者には受けるだろう。
クローズド・サークル⇒疑心暗鬼、という図式も、そろそろ限界かもしれませんな。
2025年日本映画 監督・英勉
ネタバレあり
高校の教室という限られた空間がサスペンスの主たる舞台となることにおいて邦画「告白」(2010年)、関係者全員に配られる謎の手紙の類が話を回転させるという点において近作「六人の嘘つきな大学生」に似ている。
ある高校のあるクラスで突然担任(忍成修吾)を含めた全員の序列を記した謎のデータが配信される。半年後、その序列で1位になった姫山椿(堀未央奈)が自殺する。
そしてその葬式後、各人の机に上に彼女の遺書とされる手紙が置かれ、その内容を巡って教室が喧々囂々の大騒動になり、疑心暗鬼を生じて、混迷する。
というお話で、ストーリーの牽引役となる生徒が、椿の幼馴染でもある池永柊夜(吉野北人)、観察を趣味と自認する廿日市くるみ(志田彩良)、椿に共感するところの多かった千蔭誠一(宮世琉弥)の三人。
教室を混乱させる主たる生徒は、彼女の恋人を気取る赤崎理人(松井奏)、親友と称す御門凛奈(高石あかり)である。その他のメンバーは、主に序列そのものに翻弄される弱い人間として画面を賑やかす。
一教室のほぼ全員が何らかの形で描出される群像劇の様相もあるミステリー・サスペンスで、陽東太郎なる漫画家の手になるコミックの実写映画化である。
変種のクローズド・サークルものと言えないこともなく、この類が余りにも多く、かつ、前回の「六人の嘘つきな大学生」にかなり似ているということもあって、老骨には余り買えない。ネタ晴らし的な部分による後味の差で「六人の嘘つきな大学生」の方を好む。
高校生役の俳優たちのオーヴァーアクトもしくは演技力不足も大いにマイナス。これを気にしなければ、こちらのほうが若者には受けるだろう。
クローズド・サークル⇒疑心暗鬼、という図式も、そろそろ限界かもしれませんな。
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