映画評「Playground/校庭」
☆☆☆☆(8点/10点満点中)
2021年ベルギー映画 監督ローラ・ワンデル
ネタバレあり
10年くらい前から主人公や重要人物を後ろから撮る作品もしくは監督が増えて来た。僕が意識せざるを得なかったのはネメシュ・ラースロー監督「サウルの息子」(2015年)で、これは半分以上後ろから撮っていたので相当印象に残った。ネメシュは別の作品でも後ろから撮る時間が多いが、純文学系を中心に邦画を含めてこれをやる作品にぶつかるケースが増えている。ちょっとした流行だと思う。
7歳の女児ノラ(マヤ・ヴァンデルベック)が父親(カリム・ルクルー)に連れられて小学校に初登校する。人見知りするタイプらしく最初は3歳上の兄アベル(ギュンター・デュレ)を追いかけ回すが、やがて友達ができると、兄のことを暫し忘れる。それどころか、尊敬していた兄が実はいじめられっ子であり、かつ抵抗もしない姿に失望、寧ろ彼を発破をかけるように変わる。
心配の余り父に連絡し、父が学校に乗り込んだ結果、彼へのいじめはなくなるが、何故かノラが友達から疎まれるようになり、抵抗する余り意固地になりすぎてしまう。やがて兄は自分が虐められない為に虐めっこに変身、そんな兄をノラは必死に止めるのである。
ベルギーの小学校での兄妹二人の居心地悪い学校生活を描いた秀作で、本作が長編デビュー作という女性監督ローラ・ワンデルによる画面が大変面白い。
冒頭で仄めかしたように、ヒロインの後ろ姿を追う時間が結構あるが、それと共に被写界深度が甚だ浅くて寄った画面ではヒロイン、そして兄と父以外には殆どピントが合わず、それとの関連であろう、友人などの声は多く画面外で処理される。つまり、複数の人間が会話する場面などでもショットの切り替えなど多くなく、ヒロインの表情や心情を捉えるのに専心するのである。
そんなカメラに堪えるマヤ・ヴァンデルベックという少女の演技にも感心させられた。
校庭と言えば、村下孝蔵「初恋」を思い出す僕です。
2021年ベルギー映画 監督ローラ・ワンデル
ネタバレあり
10年くらい前から主人公や重要人物を後ろから撮る作品もしくは監督が増えて来た。僕が意識せざるを得なかったのはネメシュ・ラースロー監督「サウルの息子」(2015年)で、これは半分以上後ろから撮っていたので相当印象に残った。ネメシュは別の作品でも後ろから撮る時間が多いが、純文学系を中心に邦画を含めてこれをやる作品にぶつかるケースが増えている。ちょっとした流行だと思う。
7歳の女児ノラ(マヤ・ヴァンデルベック)が父親(カリム・ルクルー)に連れられて小学校に初登校する。人見知りするタイプらしく最初は3歳上の兄アベル(ギュンター・デュレ)を追いかけ回すが、やがて友達ができると、兄のことを暫し忘れる。それどころか、尊敬していた兄が実はいじめられっ子であり、かつ抵抗もしない姿に失望、寧ろ彼を発破をかけるように変わる。
心配の余り父に連絡し、父が学校に乗り込んだ結果、彼へのいじめはなくなるが、何故かノラが友達から疎まれるようになり、抵抗する余り意固地になりすぎてしまう。やがて兄は自分が虐められない為に虐めっこに変身、そんな兄をノラは必死に止めるのである。
ベルギーの小学校での兄妹二人の居心地悪い学校生活を描いた秀作で、本作が長編デビュー作という女性監督ローラ・ワンデルによる画面が大変面白い。
冒頭で仄めかしたように、ヒロインの後ろ姿を追う時間が結構あるが、それと共に被写界深度が甚だ浅くて寄った画面ではヒロイン、そして兄と父以外には殆どピントが合わず、それとの関連であろう、友人などの声は多く画面外で処理される。つまり、複数の人間が会話する場面などでもショットの切り替えなど多くなく、ヒロインの表情や心情を捉えるのに専心するのである。
そんなカメラに堪えるマヤ・ヴァンデルベックという少女の演技にも感心させられた。
校庭と言えば、村下孝蔵「初恋」を思い出す僕です。
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