映画評「スペンサー ダイアナの決意」
☆☆☆★(7点/10点満点中)
2021年イギリス=アメリカ=ドイツ=チリ合作映画 監督パブロ・ラライン
ネタバレあり
ダイアナ妃がパパラッチに追われているという報道を聞いた時に悲劇的な最期を迎えるだろうという僕の予感が見事に当たり悔しかったのを思い出す。
本作は、ダイアナ・スペンサー(クリステン・ステュワート)クリスマス前後3日間をエリザベス女王(ステラ・ゴネット)の私邸で過ごすうちに、チャールズ皇太子(ジャック・ファーシング)との離婚を決意するまでを描く。
尤も離婚と言う言葉は本作では一度も出て来ず、皇太子がキジ狩りに連れ出した二人の王子を狩り場から連れ出すだけなのだが、見る人が見ればこれが二人の終わりであることはピンと来る。
その前にダイアナが自分を美しいだけで狩られるのを待つだけのキジに譬えているのも文学的妙である。この言葉を真に理解できれば、ダイアナに共感できないなどというつまらない感想は出て来まい。
本作は実話を基にした寓話とあるが、彼女がスペンサー家の先祖アン・ブーリンの幻影を見るファンタジー性以上に、マギー(サリー・ホーキンズ)というダイアナが友人と見なしている衣装係を配置したことにより生まれる仮想的な展開にそれを感じる。
しかるに、本作はお話より画面を見る映画で、非常に美しい左から右への横移動を見せた数シークエンス後、やはり左から右へ移動する王室の車群をズームするショットを出して来る、その感覚にハッとさせられた。とにかく、この監督はカメラも車も人も左から右へ動かすわけで、実に一貫している。
ダイアナが、チャールズ皇太子(当時)が後に再婚するカミラを見て“ジェーン・シーモアがいる”という言葉を放つのがいかにも寓意的。ジェーン・シーモアはヘンリー8世がアン・ブーリンを処刑した後再婚する次の王妃である。
2021年イギリス=アメリカ=ドイツ=チリ合作映画 監督パブロ・ラライン
ネタバレあり
ダイアナ妃がパパラッチに追われているという報道を聞いた時に悲劇的な最期を迎えるだろうという僕の予感が見事に当たり悔しかったのを思い出す。
本作は、ダイアナ・スペンサー(クリステン・ステュワート)クリスマス前後3日間をエリザベス女王(ステラ・ゴネット)の私邸で過ごすうちに、チャールズ皇太子(ジャック・ファーシング)との離婚を決意するまでを描く。
尤も離婚と言う言葉は本作では一度も出て来ず、皇太子がキジ狩りに連れ出した二人の王子を狩り場から連れ出すだけなのだが、見る人が見ればこれが二人の終わりであることはピンと来る。
その前にダイアナが自分を美しいだけで狩られるのを待つだけのキジに譬えているのも文学的妙である。この言葉を真に理解できれば、ダイアナに共感できないなどというつまらない感想は出て来まい。
本作は実話を基にした寓話とあるが、彼女がスペンサー家の先祖アン・ブーリンの幻影を見るファンタジー性以上に、マギー(サリー・ホーキンズ)というダイアナが友人と見なしている衣装係を配置したことにより生まれる仮想的な展開にそれを感じる。
しかるに、本作はお話より画面を見る映画で、非常に美しい左から右への横移動を見せた数シークエンス後、やはり左から右へ移動する王室の車群をズームするショットを出して来る、その感覚にハッとさせられた。とにかく、この監督はカメラも車も人も左から右へ動かすわけで、実に一貫している。
ダイアナが、チャールズ皇太子(当時)が後に再婚するカミラを見て“ジェーン・シーモアがいる”という言葉を放つのがいかにも寓意的。ジェーン・シーモアはヘンリー8世がアン・ブーリンを処刑した後再婚する次の王妃である。
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