映画評「脅迫者」
☆☆☆★(7点/10点満点中)
1951年アメリカ映画 監督ブレテイン・ウィンダスト
ネタバレあり
今の監督者より昔の監督の名前の方をよく知っている僕も、ブレテイン・ウィンダストなる監督は記憶がない。多分初めて観ると思うが、実はこの作品でも完投していず、噂によると、ウィンダスト監督が病に倒れ、サイレント時代からの巨匠ラオール・ウォルシュが大半を撮ったらしい。だからしっかりしているところが随所にある。
しかるに、本作の買うべき点はミステリー色のあるサスペンスとしての着想というに尽きる。
幾つもの殺人容疑で逮捕されたエヴェレット・スローンを死刑に持っていきたい地方検事補ハンフリー・ボガートが、殺人の証拠を握っている関係者である証人テッド・デ・コルシアに証言させようと確保するが、証人保護プログラムがなかった時代なのだろうか、コルシアが復讐を恐れて逃亡しようとするうちに墜落してしまい、また作戦を練り直さなければならない。
映画はここから随時回想に入っていくのだが、そもそも回想はサスペンスを殺ぐ傾向がある上に、これほど回数が多いと各駅停車の如くなってしまう。これは全く良くない。
翻って、着想の面白さというのは、暗殺請負業たる自分たちが有罪にならない方式の発明である。これがミステリー的に面白い。
殺人を依頼されたターゲット(映画の中ではヒットという隠語が使われる)を動機のない人物に殺させる。彼らは殺人を請け負い、被害者などを処分するだけでなので、動機から犯人を捜し始める警察の目に留まらないという算段である。ところが、飲食店で最初の殺人を自ら実行した直後に一組の父娘が入って来た為にスローンは、何年も経って、証人になりうる 父親を殺し、さらに成長した娘を殺したのである。
が、テープに収められたコルシアの証言から証人たる娘がまだ死んでいないことに双方とも気付いたことから、両者が先を争うサスペンスフルな終盤に突入していく。
ノーリスク・ハイリターンの暗殺業の仕組みというアイデアの次に、この終盤のシークエンスがサスペンスフルで秀逸である。モノクロ映画ならではの(画面による)叙述トリックも効いているが、詳細は伏せておきます。
カイエ・デュ・シネマ派の連中が褒めるので、実は大したことのないフィルム・ノワールまで褒められる傾向にあるが、本作などは実際にも良い部類。
1951年アメリカ映画 監督ブレテイン・ウィンダスト
ネタバレあり
今の監督者より昔の監督の名前の方をよく知っている僕も、ブレテイン・ウィンダストなる監督は記憶がない。多分初めて観ると思うが、実はこの作品でも完投していず、噂によると、ウィンダスト監督が病に倒れ、サイレント時代からの巨匠ラオール・ウォルシュが大半を撮ったらしい。だからしっかりしているところが随所にある。
しかるに、本作の買うべき点はミステリー色のあるサスペンスとしての着想というに尽きる。
幾つもの殺人容疑で逮捕されたエヴェレット・スローンを死刑に持っていきたい地方検事補ハンフリー・ボガートが、殺人の証拠を握っている関係者である証人テッド・デ・コルシアに証言させようと確保するが、証人保護プログラムがなかった時代なのだろうか、コルシアが復讐を恐れて逃亡しようとするうちに墜落してしまい、また作戦を練り直さなければならない。
映画はここから随時回想に入っていくのだが、そもそも回想はサスペンスを殺ぐ傾向がある上に、これほど回数が多いと各駅停車の如くなってしまう。これは全く良くない。
翻って、着想の面白さというのは、暗殺請負業たる自分たちが有罪にならない方式の発明である。これがミステリー的に面白い。
殺人を依頼されたターゲット(映画の中ではヒットという隠語が使われる)を動機のない人物に殺させる。彼らは殺人を請け負い、被害者などを処分するだけでなので、動機から犯人を捜し始める警察の目に留まらないという算段である。ところが、飲食店で最初の殺人を自ら実行した直後に一組の父娘が入って来た為にスローンは、何年も経って、証人になりうる 父親を殺し、さらに成長した娘を殺したのである。
が、テープに収められたコルシアの証言から証人たる娘がまだ死んでいないことに双方とも気付いたことから、両者が先を争うサスペンスフルな終盤に突入していく。
ノーリスク・ハイリターンの暗殺業の仕組みというアイデアの次に、この終盤のシークエンスがサスペンスフルで秀逸である。モノクロ映画ならではの(画面による)叙述トリックも効いているが、詳細は伏せておきます。
カイエ・デュ・シネマ派の連中が褒めるので、実は大したことのないフィルム・ノワールまで褒められる傾向にあるが、本作などは実際にも良い部類。
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