映画評「気分を出してもう一度」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
1959年フランス=イタリア合作映画 監督ミシェル・ボワロン
ネタバレあり

米国の作家ケリー(オードリー)・ルースのミステリー小説She Died Dancingをフランスで映画化したミステリーであるが、監督が艶笑喜劇お得意のミシェル・ボワロンなので、余り本格的なものを期待して貰っても困る一方、そちら側ばかりに走っているわけでもない。

美人ブリジット・バルドーと結婚したばかりの歯医者アンリ・ヴィダルが、何故か積極的に寄って来たダンス教室経営者夫人ドーン・アダムズと懇ろになりかけたところを写真に撮られ、美人局で大金を強請られる。そうはさせじとダンス教室に出かけ、教師の男フィリップ・ニコーの許可を取って部屋に入ると、ドーンが死んでいるので大慌て。部屋は天井に小さな換気口のあるだけの密室状態で、その間に誰も部屋に入った人物はいない。
 刑事フランソワ・ショウメは当然彼を第一容疑者とするが、他の人物を排除するほど阿呆ではないらしい。ブリジットは夫の話を信じて自ら犯人を突き止めようとダンス教室の見習い講師となる。

前世紀に日本のTVのサスペンス劇場でよく作られた素人探偵もののような体裁で進むが、まずはBBが素人探偵になって踊りも色々と見せるというところがお楽しみ。但し、ボワロンとBBの組合せならもっと弾けたものも出来たはずと思わせる程度に肩透かし気味である一方、為にミステリーとして楽しめる要素が広がったとも言えるわけである。

ミステリーとして密室殺人という古典的な設定が嬉しいだけでなく、映像による叙述トリックもしくはミスリードがなかなか秀逸で、まんまとやられた。
 僕もBBと同じく天井(屋根裏はちゃんと人が動ける設定)の換気口から撃ったものと推理したが、刑事は至近距離で撃っていると言うので、誰にもお手上げとなる。さて、真相は?

BBやボワロン喜劇のファンにも一応勧められるものの、ミステリー・ファンのほうにこそ僕は薦めたい気がする。但し、採点は両者の合算と理解されたし。

映像による叙述トリックと言っても、映像の嘘はありません。

この記事へのコメント

2025年12月04日 10:16
BBの映画ではこれがいちばん好きかも 😄
若くてブロンドになったころの、シャンパンコメディーというのですか
あのあたりがいちばん良かったかんじです。
ミレーユ・ダルクも、アラン・ドロンとつきあう前の
コメディがすばらしいですね 😄
オカピー
2025年12月04日 20:05
nesskoさん、こんにちは。

>BBの映画ではこれがいちばん好きかも 😄
>若くてブロンドになったころの、シャンパンコメディーというのですか

確かに艶笑喜劇系では一番面白いかも。
艶笑喜劇を少し離れるとジャンヌ・モローと共演した「ビバ!マリア」が面白いですし、「ラムの大通り」が映画的に非常に優れていました。