映画評「ベテラン」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2015年韓国映画 監督リュ・スンワン
ネタバレあり

刑事映画史上一番強い刑事が出て来る韓国の「犯罪都市」シリーズが気に入ったので、その第1作より少し古いこの刑事映画も見てみた。

上司と部下、警察同士の対立などかのシリーズと似ているところが多いが、ファン・ジョンミンの刑事はかのシリーズのマ・ドンソクほど格闘技的に強くない。正義感が強く、他部署や他警察との関係など殆ど忖度せず、直情的に行動するところに共通点はある。

財閥の関連会社に勤めるトラック運転手が待遇改善を訴えに出かけた財閥のビルの階段から飛び降り自殺を図ったとされる事件が起きる。我々観客もその真偽がその時点では解らないが、事前に御曹司ユ・アインにより強制的に打たれる羽目になるのを目撃してい、御曹司自身が非常に強い格闘技の名手でガードマンの腕を折っても平気なところなどから、陰謀めいたものを察することになる。
 一時的にその場にいた運転手の小学生の息子からの連絡で病院に駆け付けた、前からの知人である広域捜査隊の刑事ファンは、他の事件で同席したことのある御曹司の傍若無人でサディスティックな性格を知っていて、彼が事件の黒幕と信じて、財閥と縁故のある他の警察組織の邪魔を潜り抜け、財閥の常務ユ・ヘジンの甲斐甲斐しい活躍と犠牲精神をも乗り越えて、婦人賭博団なる妙な団体が主催する?麻薬パーティー捜査の名目で乗り込み、ユを追いつめる。

最後はなかなか迫力のあるカー・アクションと、「犯罪都市」の悪役に近い強さを持つユとファン刑事との一騎打ち。
 この手の刑事映画を観ていつも不思議(実は不満)なのは、一緒に行動していたはずの、若しくはそこにいるべき他の官憲がなかなか現れず主人公と悪役の対決を延々と見せることである。これが一般的な大衆刑事映画のあり方なのでしょうがね。
 全体的に日本の「踊る大捜査線」の映画シリーズなどと重なる部分もあるが、韓国映画の方が現実に寄っているし、内容もがっちりしている。

「犯罪都市」シリーズより良いのは、コミカルさを抑え気味であるところ。大満足とまでは行かないものの、鑑賞者のヒューマニズムに訴える力があって大衆的に充分楽しめる。9年ぶりに造られた続編はWOWOWの配信にはないので、録画して観る予定。

十日ほど前に2mくらいある脚立ごと倒れて両脛にひどい擦過傷を負った。それは大分治ってきたが、トイレに前かがみに立つと右脛が痛むので、骨にひびが入っているかもしれない。刑事映画の主人公のようには行かないですな。

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