一年遅れのベスト10~2025年私的ベスト10発表~
群馬の山奥に住み、持病もあり、WOWOWを中心にした映画鑑賞生活ですので、僕の2025年私的ベスト10は皆様の2024年にほぼ相当する計算でございます。
スタンスとして初鑑賞なら新旧問わず何でも入れることにしていますが、昨年☆☆☆☆(8点/10点満点中)以上を進呈した作品は25本(+短編で3本。2024年は34本)で、そのうちドキュメンタリーが6本を占めますから、☆☆☆☆以上の劇映画は19本。戦前の作品も3本ありますから、余りレベルの高い年だったとは言えません。
ドキュメンタリーも劇映画と同じフィールドで比べるのは無理があるので、通常ベスト10の候補から外します。
2025年の総鑑賞本数は昨年と全く同じ348本で、再鑑賞は48本。ベスト10対象にするには難しい短編が3本ありますので、ベスト10選考対象作品が297本とこちらも昨年と全く同じでした。
WOWOWが邦画に注力した現状故に邦画の鑑賞数が増え、アメリカ映画が減少傾向が続き、それ以外の地域の映画は横ばい。アメリカ映画は鑑賞本数が少ないだけでなく、ベスト10(+次点1本)に入ったのは僅かに一本。アメリカ映画が弱いとつまりませんね。2025年は【それ以外の地域の映画】が頑張りました。邦画は昨年より良い作品が多かったですね。
それでは、ラインアップをご笑覧あれ。
1位・・・愛を耕すひと
実質デンマーク映画の史劇。史劇と言っても所謂チャンバラではなく、不毛の地の開墾に奮闘する男の物語です。原作ものですが、脚色もがっちり、カメラも固定で気持ち良く、主演のマッツ・ミケルソンも好演でしたね。脚本賞にも値すると思いますが、前述通り原作ものなので、他に譲りました。
2位・・・フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
久しぶりにハリウッドのロマンティック・コメディーの秀作にめぐり逢えましたねえ。僕のロマンティック・コメディーの定義は、ロマンスをずっと傍流において最後に本流であるドラマやジャンル映画の要素を食ってしまうような展開の映画のことでして、これはその典型として大いに楽しめる作品でした。世評は低すぎます。その反発もあって高位に置きました。
3位・・・イニシェリン島の精霊
よく解らないアイルランドの寓意劇ですが、年末近くに観たことが有利に働き、画面の見事さにほだされて(画面賞贈呈)この順位です。
4位・・・2度目のはなればなれ
自分が老境に入ったこともあり、人生の残照を見せる映画にぐっと来ることが多い。老夫婦のドライな愛情表現も良いし、厭戦ムードの醸成もそこはかとなく良かった。
5位・・・エロス+虐殺
50年以上前の旧作ですが、それでも戦前の映画とは違ってこういうところに堂堂と入れたくなる3時間半を超える大力作でした。監督はどの作品を見ても画面が面白い吉田喜重。画面における人物のバランスと配置が全く変てこで楽しいですね。ここまで古くなければ文句なしに画面賞贈呈でした。内容は、甘粕事件で殺されたアナーキスト大杉栄と内妻の伊藤野枝を巡るお話なのに、一種の恋愛論として作っている。全く変ですね。
6位・・・お坊さまと鉄砲
前作「ブータン 山の教室」が見事だったブータンの監督パオ・チョニン・ドルジが今回も見事でした。ブータンの現実をベースにする一方で、寓意劇として誠に鮮やか。
7位・・・アイミタガイ
味の良いヒューマンな映画。ヒューマンな映画は当然後味は良いが、全体の味が良いとは限らない。この邦画はそれを実現していましたね。初期の頃好きだった佐々部清のような温かいムードがどこかにあり、固定カメラを基本とする姿勢も良いです。
8位・・・Playground/校庭
ベルギーの児童映画。近年映画の中の世界では女性が大いに頑張っているわけですが、それを児童にまで敷衍したのが面白い。同じ小学校に通う兄に頼ってばかりいた妹が兄のヘタレぶりに形勢逆転するというちょっと変わった内容。フランスには児童を主人公にした秀作が時々出てきますが、ベルギーはやはりフランス文化圏なんだなと思わせます。実はこれも画面に注目したい映画ですよ。
9位・・・春江水暖
画面と言えば、この中国映画の画面も見事でしたねえ。名前を聞いてもピンと来ない中国杭州を舞台にした群像劇ですが、お話より画面を見るべし。
10位・・・マロナの幻想的な物語り
ルーマニアのアニメ映画。マロナという牝犬が交通事故死する瞬間に見る走馬灯と考えるべき内容でしょうか。グラフィックな画面に注目しました。
次点・・・あんのこと
一種の社会劇ですね。入江悠監督としてはある意味原点に帰った感じ。
ワースト・・・ディックス‼ ザ・ミュージカル
とにかく下品なお笑いすぎる。
****テキトーに選んだ各部門賞****
監督賞・・・ニコライ・アーセル~「愛を耕すひと」
男優賞・・・マッツ・ミケルソン~「愛を耕すひと」
女優賞・・・黒木華~「アイミタガイ」「八犬伝」(注:この人は声が良い)
脚本賞・・・ローズ・ギルロイ~「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」
画面賞・・・ベン・ディヴィス~「イニシェリン島の精霊」
音楽賞・・・菊地成孔と新音楽制作工房~「岸辺露伴、ルーヴルへ行く」
特別賞(画面が変態で賞)・・・吉田喜重監督
スタンスとして初鑑賞なら新旧問わず何でも入れることにしていますが、昨年☆☆☆☆(8点/10点満点中)以上を進呈した作品は25本(+短編で3本。2024年は34本)で、そのうちドキュメンタリーが6本を占めますから、☆☆☆☆以上の劇映画は19本。戦前の作品も3本ありますから、余りレベルの高い年だったとは言えません。
ドキュメンタリーも劇映画と同じフィールドで比べるのは無理があるので、通常ベスト10の候補から外します。
2025年の総鑑賞本数は昨年と全く同じ348本で、再鑑賞は48本。ベスト10対象にするには難しい短編が3本ありますので、ベスト10選考対象作品が297本とこちらも昨年と全く同じでした。
WOWOWが邦画に注力した現状故に邦画の鑑賞数が増え、アメリカ映画が減少傾向が続き、それ以外の地域の映画は横ばい。アメリカ映画は鑑賞本数が少ないだけでなく、ベスト10(+次点1本)に入ったのは僅かに一本。アメリカ映画が弱いとつまりませんね。2025年は【それ以外の地域の映画】が頑張りました。邦画は昨年より良い作品が多かったですね。
それでは、ラインアップをご笑覧あれ。
1位・・・愛を耕すひと
実質デンマーク映画の史劇。史劇と言っても所謂チャンバラではなく、不毛の地の開墾に奮闘する男の物語です。原作ものですが、脚色もがっちり、カメラも固定で気持ち良く、主演のマッツ・ミケルソンも好演でしたね。脚本賞にも値すると思いますが、前述通り原作ものなので、他に譲りました。
2位・・・フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
久しぶりにハリウッドのロマンティック・コメディーの秀作にめぐり逢えましたねえ。僕のロマンティック・コメディーの定義は、ロマンスをずっと傍流において最後に本流であるドラマやジャンル映画の要素を食ってしまうような展開の映画のことでして、これはその典型として大いに楽しめる作品でした。世評は低すぎます。その反発もあって高位に置きました。
3位・・・イニシェリン島の精霊
よく解らないアイルランドの寓意劇ですが、年末近くに観たことが有利に働き、画面の見事さにほだされて(画面賞贈呈)この順位です。
4位・・・2度目のはなればなれ
自分が老境に入ったこともあり、人生の残照を見せる映画にぐっと来ることが多い。老夫婦のドライな愛情表現も良いし、厭戦ムードの醸成もそこはかとなく良かった。
5位・・・エロス+虐殺
50年以上前の旧作ですが、それでも戦前の映画とは違ってこういうところに堂堂と入れたくなる3時間半を超える大力作でした。監督はどの作品を見ても画面が面白い吉田喜重。画面における人物のバランスと配置が全く変てこで楽しいですね。ここまで古くなければ文句なしに画面賞贈呈でした。内容は、甘粕事件で殺されたアナーキスト大杉栄と内妻の伊藤野枝を巡るお話なのに、一種の恋愛論として作っている。全く変ですね。
6位・・・お坊さまと鉄砲
前作「ブータン 山の教室」が見事だったブータンの監督パオ・チョニン・ドルジが今回も見事でした。ブータンの現実をベースにする一方で、寓意劇として誠に鮮やか。
7位・・・アイミタガイ
味の良いヒューマンな映画。ヒューマンな映画は当然後味は良いが、全体の味が良いとは限らない。この邦画はそれを実現していましたね。初期の頃好きだった佐々部清のような温かいムードがどこかにあり、固定カメラを基本とする姿勢も良いです。
8位・・・Playground/校庭
ベルギーの児童映画。近年映画の中の世界では女性が大いに頑張っているわけですが、それを児童にまで敷衍したのが面白い。同じ小学校に通う兄に頼ってばかりいた妹が兄のヘタレぶりに形勢逆転するというちょっと変わった内容。フランスには児童を主人公にした秀作が時々出てきますが、ベルギーはやはりフランス文化圏なんだなと思わせます。実はこれも画面に注目したい映画ですよ。
9位・・・春江水暖
画面と言えば、この中国映画の画面も見事でしたねえ。名前を聞いてもピンと来ない中国杭州を舞台にした群像劇ですが、お話より画面を見るべし。
10位・・・マロナの幻想的な物語り
ルーマニアのアニメ映画。マロナという牝犬が交通事故死する瞬間に見る走馬灯と考えるべき内容でしょうか。グラフィックな画面に注目しました。
次点・・・あんのこと
一種の社会劇ですね。入江悠監督としてはある意味原点に帰った感じ。
ワースト・・・ディックス‼ ザ・ミュージカル
とにかく下品なお笑いすぎる。
****テキトーに選んだ各部門賞****
監督賞・・・ニコライ・アーセル~「愛を耕すひと」
男優賞・・・マッツ・ミケルソン~「愛を耕すひと」
女優賞・・・黒木華~「アイミタガイ」「八犬伝」(注:この人は声が良い)
脚本賞・・・ローズ・ギルロイ~「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」
画面賞・・・ベン・ディヴィス~「イニシェリン島の精霊」
音楽賞・・・菊地成孔と新音楽制作工房~「岸辺露伴、ルーヴルへ行く」
特別賞(画面が変態で賞)・・・吉田喜重監督
この記事へのコメント
ランキングで挙げられた作品では、個人的に「マロナの幻想的な物語り」はもちろん、「イニシェリン島の精霊」も印象的でした。
撮影も美しく、物語も難解ながら面白かったです。
「お坊さまと鉄砲」も好きです。
こういう寓意劇は好きですね。
「エロス+虐殺」は未見ですが面白そうですね。
吉田喜重監督と言えば「秋津温泉」が一番好きです。
あの頃の岡田茉莉子が美しいのなんのって。
相手役は桑田佳祐そっくり (笑) な長門裕之。
古い映画と言えば、現在YouTubeでルイ・フイヤード監督の「レ・ヴァンピール 吸血ギャング団」(全10話)を少しずつ鑑賞中です。
日本語字幕付がありましたが、画質が低いのが難点です。
高画質な動画もありましたが、こちらは字幕無し…。
紀伊國屋書店からDVDが発売されていたのに気付きましたが、こちらも売切れ中…。
このまま低画質のまま観続けようか迷い中です。
>吉田喜重監督と言えば「秋津温泉」が一番好きです。
そういう方が多いですね。
大学時代に同級生の中でこれをベスト映画に入れていた人がいました。
吉田監督の中では内容が割合平易で、岡田茉莉子の美しさにうっとりした人が多いのでしょう。
>ルイ・フイヤード監督の「レ・ヴァンピール 吸血ギャング団」(全10話)
連続活劇!
英語ならともかく仏語ではどうにもならないでしょうから、とりあえず内容を理解するバージョンを選ぶのが大事。
https://onscreen.hateblo.jp/entry/b5bcbd4e09f524e0644859ef394c4846
>私は1位にしました! 去年ですが
大昔はこういうの(「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」)のがたくさんありましたがねえ。
90年代でさえメグ・ライアンものがありましたが、近年ハリウッドは実話ものに頼って・・・ダメですねえ。