映画評「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」
☆☆★(5点/10点満点中)
2024年中国=香港合作映画 監督ソイ・チェン
ネタバレあり
香港で香港映画史上1位の観客動員数を達成したとのこと。国や地域によって映画民度が違うので、こういう宣伝文句に乗せられることはなく、実際この手の情報を持っていた映画で僕を面白がらせたり、感心させた映画は半分くらいに留まる。映画民度が高いのはスウェーデンで、大衆的でないどころか難解なイングマル・ベルイマンの作品がTV映画として作られてかなりの視聴率を稼いだりするのである。
本作に関しては、サーガ的なムードと全編の半分くらいを占める華麗で多彩なアクションが受けたのだろうが、香港的仁義を軸としたお話は古色蒼然と言っても良いレベルで大して面白くない。今はなくなった九龍城砦なる地区の再現が香港人の郷愁を誘って香港で受けたのは理解できるが、日本人がそれに乗るには及ばぬ。
それより日本のサブカルチャーと電化製品がこの時代の香港を覆いつくしていたと分かったのが個人的には興味深かった。荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」の中国語版がかかったり、吉川晃司「モニカ」がカラオケで歌われたり、当然カラオケ・セットは日本製だ。当時メーカーで海外マーケッティング(顧客開拓)をしていた僕としては、取扱説明書に日本語しかないのは当時の日本のメーカーらしくないと思う。
1980年代半ば。中国本土から(?)レイモンド・ラムがやって来る。九龍の大ボスのサモ・ハンが作らせた身分証明書がチャチなものだったので、彼は一味にとって意味があるであろう袋を持って駆け出し、城砦と呼ばれる貧民窟に逃げ込む。
ここでも最初はひどい目に遭うものの、そこに君臨する理容店店主実は顔役ルイス・クーとその配下たちに可愛がられる関係になり、やがてラム青年が彼が殺した暗黒街の大物の息子と判明したことから、サモ・ハンその他のボス連から命を狙われる彼を守ろうとしてクーは殺される。
かくして彼の子分とラウは、城砦を支配し中国への返還と共に売り出そうと画策するサモ・ハンの右腕フィリップ・ンと激しい格闘を繰り広げることになる。
義兄弟を扱う任侠映画は東映が随分作ってきたので、そういうのに見慣れている我々のような老骨には新味を感じにくい。登場人物のタフさも人間離れしすぎていて興醒める。
肝心のアクションは、場が進むにつれてワイヤー・アクションが大活躍する空中戦になりすぎ、フィルム・ノワールの観点においては、現実味を損なっていてマイナス。
中国と香港の合作などという表記は、香港が本土と一体となってしまった今、意味があるのかいなと感じますな。
2024年中国=香港合作映画 監督ソイ・チェン
ネタバレあり
香港で香港映画史上1位の観客動員数を達成したとのこと。国や地域によって映画民度が違うので、こういう宣伝文句に乗せられることはなく、実際この手の情報を持っていた映画で僕を面白がらせたり、感心させた映画は半分くらいに留まる。映画民度が高いのはスウェーデンで、大衆的でないどころか難解なイングマル・ベルイマンの作品がTV映画として作られてかなりの視聴率を稼いだりするのである。
本作に関しては、サーガ的なムードと全編の半分くらいを占める華麗で多彩なアクションが受けたのだろうが、香港的仁義を軸としたお話は古色蒼然と言っても良いレベルで大して面白くない。今はなくなった九龍城砦なる地区の再現が香港人の郷愁を誘って香港で受けたのは理解できるが、日本人がそれに乗るには及ばぬ。
それより日本のサブカルチャーと電化製品がこの時代の香港を覆いつくしていたと分かったのが個人的には興味深かった。荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」の中国語版がかかったり、吉川晃司「モニカ」がカラオケで歌われたり、当然カラオケ・セットは日本製だ。当時メーカーで海外マーケッティング(顧客開拓)をしていた僕としては、取扱説明書に日本語しかないのは当時の日本のメーカーらしくないと思う。
1980年代半ば。中国本土から(?)レイモンド・ラムがやって来る。九龍の大ボスのサモ・ハンが作らせた身分証明書がチャチなものだったので、彼は一味にとって意味があるであろう袋を持って駆け出し、城砦と呼ばれる貧民窟に逃げ込む。
ここでも最初はひどい目に遭うものの、そこに君臨する理容店店主実は顔役ルイス・クーとその配下たちに可愛がられる関係になり、やがてラム青年が彼が殺した暗黒街の大物の息子と判明したことから、サモ・ハンその他のボス連から命を狙われる彼を守ろうとしてクーは殺される。
かくして彼の子分とラウは、城砦を支配し中国への返還と共に売り出そうと画策するサモ・ハンの右腕フィリップ・ンと激しい格闘を繰り広げることになる。
義兄弟を扱う任侠映画は東映が随分作ってきたので、そういうのに見慣れている我々のような老骨には新味を感じにくい。登場人物のタフさも人間離れしすぎていて興醒める。
肝心のアクションは、場が進むにつれてワイヤー・アクションが大活躍する空中戦になりすぎ、フィルム・ノワールの観点においては、現実味を損なっていてマイナス。
中国と香港の合作などという表記は、香港が本土と一体となってしまった今、意味があるのかいなと感じますな。
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