映画評「ノスフェラトゥ」(2024年版)
☆☆☆★(7点/10点満点中)
2024年アメリカ映画 監督ロバート・エガーズ
ネタバレあり
ヴェルナー・ヘルツォークのリメイクがどんな感じだったか全く思い出せないので、ロバート・エガーズという映像派として注目すべき監督による再リメイクがどちらをより強くベースにしているか判断しかねるが、少なくともストーリーはオリジナルのF・W・ムルナウ版と大方同じと言って良いと思う。
舞台が1838年の(ブレーメン)であることなど中盤までのお話はオリジナルと同じなので、中盤以降について少し記します。
ヒロインのエレン(リリー=ローズ・デップ)は現在的に勝ち気なところが散見されるが、その勝ち気には、彼女が吸血鬼のオルロック伯爵(ビル・スカルスガルド)と以前から交渉があったことが背景にある。彼女の病気は鬱や癲癇ではなく、吸血鬼と感応し合った結果である。
不審な不動産業者クノック(サイモン・マクバーニー)の使い走りとしてトランシルヴァニアまで出かける夫トーマス(ニコラス・ホルト)の出番が少なく、前作には出て来ない神秘 (オカルト) 学者フォン・フランツ(ウィレム・デフォー)が登場する。名前からも理解できるように、ブラム・ストーカーの原作「ドラキュラ」のヴァン・ヘルシンクに寄せた存在である。ムルナウ作にも出て来た医者シーヴァース博士とフランツを合わせるとヘルシンクとなる。
エガーズは実質エクソシストであるフランツを出したことから解るように、後半は小説に寄せて来る。即ち、ムルナウ作に比べて男性陣がそれなりの活躍し、エレン一人の活躍とはしなかった。
他方、本作の吸血鬼は孤独ではなく単に邪悪な存在である。小説やムルナウ版に見られた人間性が希薄であり、悪魔そのものに他ならない。吸血鬼をペストと同等視出来るのは変わらないが、宗教色が強くなった(のはどうかという気もする)。
TVの小さな画面では堪能し切れないが、19世紀的な建築や美術を見せる画面は対称性を基調にして美しく、昼間は寒色系、夜は暖色系にほぼ徹した色彩設計が素晴らしい。但し、オリジナルでは魅力の大きな部分を占めた船舶の場面が殆ど省略されてしまったのは残念。これこそ再現してほしかった。
リリー=ローズ・デップはジョニー・デップの娘だそうだ。おでこは母親のヴァネッサ・パラディを思い出させますかな?
2024年アメリカ映画 監督ロバート・エガーズ
ネタバレあり
ヴェルナー・ヘルツォークのリメイクがどんな感じだったか全く思い出せないので、ロバート・エガーズという映像派として注目すべき監督による再リメイクがどちらをより強くベースにしているか判断しかねるが、少なくともストーリーはオリジナルのF・W・ムルナウ版と大方同じと言って良いと思う。
舞台が1838年の(ブレーメン)であることなど中盤までのお話はオリジナルと同じなので、中盤以降について少し記します。
ヒロインのエレン(リリー=ローズ・デップ)は現在的に勝ち気なところが散見されるが、その勝ち気には、彼女が吸血鬼のオルロック伯爵(ビル・スカルスガルド)と以前から交渉があったことが背景にある。彼女の病気は鬱や癲癇ではなく、吸血鬼と感応し合った結果である。
不審な不動産業者クノック(サイモン・マクバーニー)の使い走りとしてトランシルヴァニアまで出かける夫トーマス(ニコラス・ホルト)の出番が少なく、前作には出て来ない神秘 (オカルト) 学者フォン・フランツ(ウィレム・デフォー)が登場する。名前からも理解できるように、ブラム・ストーカーの原作「ドラキュラ」のヴァン・ヘルシンクに寄せた存在である。ムルナウ作にも出て来た医者シーヴァース博士とフランツを合わせるとヘルシンクとなる。
エガーズは実質エクソシストであるフランツを出したことから解るように、後半は小説に寄せて来る。即ち、ムルナウ作に比べて男性陣がそれなりの活躍し、エレン一人の活躍とはしなかった。
他方、本作の吸血鬼は孤独ではなく単に邪悪な存在である。小説やムルナウ版に見られた人間性が希薄であり、悪魔そのものに他ならない。吸血鬼をペストと同等視出来るのは変わらないが、宗教色が強くなった(のはどうかという気もする)。
TVの小さな画面では堪能し切れないが、19世紀的な建築や美術を見せる画面は対称性を基調にして美しく、昼間は寒色系、夜は暖色系にほぼ徹した色彩設計が素晴らしい。但し、オリジナルでは魅力の大きな部分を占めた船舶の場面が殆ど省略されてしまったのは残念。これこそ再現してほしかった。
リリー=ローズ・デップはジョニー・デップの娘だそうだ。おでこは母親のヴァネッサ・パラディを思い出させますかな?
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