映画評「ジュニア・ボナー/華麗なる挑戦」
☆☆☆☆(8点/10点満点中)
1972年アメリカ映画 監督サム・ペキンパー
ネタバレあり
スローモーション(ハイスピード撮影)が余り好きでないこともあってサム・ペキンパーはご贔屓ではないが、西部時代へのレクイエムを描かせた時には捨てがたい良い味を発揮して好もしい。本作はホームドラマの要素も色濃い現代西部劇である。
久しぶりの再鑑賞(通算3度目?)だが、スティーヴ・マックィーン主演映画でこれだけ保存版を持っていなかったので、今回のNHK-BSでの放映に感謝。
人口13000人余りのアリゾナ州の町(映画の中に出て来る催し物の進行役が言うには “大都市”)プレスコットに、流浪を続けるロデオ・スターのマックィーン(役名ジュニア・ボナー)が帰って来て、父親ロバート・プレストンと長らく別居しているらしい母親アイダ・ルピノの家を訪れる。その時父親は交通事故で入院中だが、ロデオ大会に参加する為に看護婦を振り切って勝手に退院してしまう。
マックィーンが父親の牧場を訪れると、牧場はまさに更地にされようとしている。現実主義者の弟ジョー・ドン・ベイカー(兄貴のような雰囲気を漂わせているが、実年齢ではマックィーンより6歳年下なので弟とする)が言うには、父親はオーストラリアで銀鉱山で一旗揚げる為に移住するつもりで売ったらしい。ベイカーは自らが現実主義者なので西部男らしさに拘る兄のような郷愁は一切覚えていない様子で、二人の間は些かぎくしゃくする。
いよいよロデオ大会が始まり、マックィーンが会場に行ってみると父親が先回りして彼の馬を拝借している。彼と父親は荒馬乗りなど前半の競技では連敗を期す。派手な喧嘩も繰り広げられる酒場でのハーフタイム(?)を挟んでいよいよ後半の目玉である暴れ牛乗りが始まり、ここでマックィーンは遂に29連勝中の牛に勝利するのである。
親しくなった美人バーバラ・リーを見送り、母親と別れの挨拶をした彼は、父親の為にチケットを買い、また旅に出るのである。
現代股旅ものだろうか。消えゆく西部への思いは勿論マックィーンが体現している。父親も西部男らしさを保っているが、山師(本来の意味)を気取った様子ははた目には負け犬的であり、弟ベイカーに至っては拝金主義的で西部の精神などどこ吹く風という風情。
この三者三様の父子模様の面白さに加え、細君アイダ・ルピノの常に距離を置いて夫を見るような風情が素晴らしく良い。全くべたべたしないが息子マックィーンは可愛いらしい。親子全員が家に一緒にいる時間が1秒もないホーム・ドラマと言うべし。
総じて、酒場での喧嘩模様や夫婦関係において、ジョン・フォードの西部劇へのオマージュを強く感じる。
ペキンパーは例によってスローモーションを多用する。牧場を壊す場面での使用は全く感心しないが、部分的には効果を出している。この時代の流行とは言え、この映画のようなズームは無駄っぽく余り良いとは思えない。客観ショットの間にごく短い主観ショットを入れる、「ワイルド・バンチ」(1969年)でも見られたような演出があったと思うが、こういう工夫のある独自のアイデアは嫌いではない。
昨日ネットフリックスと契約した。ロデオ大会ならぬWBCが日本戦以外も観られるぞーと喜んでいたら、先月買ったばかりのCDプレーヤーが壊れた。参ったなあ。もう少し様子を見て購入店(アマゾンで購入したが、大阪で有名なオーディオ店)とメーカーに相談するつもり。保証期間中でこちらの使用ミスもないはずだから多分無償で修理してくれるが、初期不良でないので送料はこちらの負担である。CD-R再生専門と決め込んで買ったエントリー・モデルだから相対的に送料が高く感じられるという次第でござるよ。
1972年アメリカ映画 監督サム・ペキンパー
ネタバレあり
スローモーション(ハイスピード撮影)が余り好きでないこともあってサム・ペキンパーはご贔屓ではないが、西部時代へのレクイエムを描かせた時には捨てがたい良い味を発揮して好もしい。本作はホームドラマの要素も色濃い現代西部劇である。
久しぶりの再鑑賞(通算3度目?)だが、スティーヴ・マックィーン主演映画でこれだけ保存版を持っていなかったので、今回のNHK-BSでの放映に感謝。
人口13000人余りのアリゾナ州の町(映画の中に出て来る催し物の進行役が言うには “大都市”)プレスコットに、流浪を続けるロデオ・スターのマックィーン(役名ジュニア・ボナー)が帰って来て、父親ロバート・プレストンと長らく別居しているらしい母親アイダ・ルピノの家を訪れる。その時父親は交通事故で入院中だが、ロデオ大会に参加する為に看護婦を振り切って勝手に退院してしまう。
マックィーンが父親の牧場を訪れると、牧場はまさに更地にされようとしている。現実主義者の弟ジョー・ドン・ベイカー(兄貴のような雰囲気を漂わせているが、実年齢ではマックィーンより6歳年下なので弟とする)が言うには、父親はオーストラリアで銀鉱山で一旗揚げる為に移住するつもりで売ったらしい。ベイカーは自らが現実主義者なので西部男らしさに拘る兄のような郷愁は一切覚えていない様子で、二人の間は些かぎくしゃくする。
いよいよロデオ大会が始まり、マックィーンが会場に行ってみると父親が先回りして彼の馬を拝借している。彼と父親は荒馬乗りなど前半の競技では連敗を期す。派手な喧嘩も繰り広げられる酒場でのハーフタイム(?)を挟んでいよいよ後半の目玉である暴れ牛乗りが始まり、ここでマックィーンは遂に29連勝中の牛に勝利するのである。
親しくなった美人バーバラ・リーを見送り、母親と別れの挨拶をした彼は、父親の為にチケットを買い、また旅に出るのである。
現代股旅ものだろうか。消えゆく西部への思いは勿論マックィーンが体現している。父親も西部男らしさを保っているが、山師(本来の意味)を気取った様子ははた目には負け犬的であり、弟ベイカーに至っては拝金主義的で西部の精神などどこ吹く風という風情。
この三者三様の父子模様の面白さに加え、細君アイダ・ルピノの常に距離を置いて夫を見るような風情が素晴らしく良い。全くべたべたしないが息子マックィーンは可愛いらしい。親子全員が家に一緒にいる時間が1秒もないホーム・ドラマと言うべし。
総じて、酒場での喧嘩模様や夫婦関係において、ジョン・フォードの西部劇へのオマージュを強く感じる。
ペキンパーは例によってスローモーションを多用する。牧場を壊す場面での使用は全く感心しないが、部分的には効果を出している。この時代の流行とは言え、この映画のようなズームは無駄っぽく余り良いとは思えない。客観ショットの間にごく短い主観ショットを入れる、「ワイルド・バンチ」(1969年)でも見られたような演出があったと思うが、こういう工夫のある独自のアイデアは嫌いではない。
昨日ネットフリックスと契約した。ロデオ大会ならぬWBCが日本戦以外も観られるぞーと喜んでいたら、先月買ったばかりのCDプレーヤーが壊れた。参ったなあ。もう少し様子を見て購入店(アマゾンで購入したが、大阪で有名なオーディオ店)とメーカーに相談するつもり。保証期間中でこちらの使用ミスもないはずだから多分無償で修理してくれるが、初期不良でないので送料はこちらの負担である。CD-R再生専門と決め込んで買ったエントリー・モデルだから相対的に送料が高く感じられるという次第でござるよ。
この記事へのコメント
観たかどうか思い出せなかったんですが、2006年のマックイーンに関する記事の中で観ていると書いていました。
ウ~ん、多分吹き替えバージョンじゃないでしょうかね。全然記憶がないですもん。
それにしてもタイトルに「華麗なる」を付けるなんて、マックイーンに頼った営業ですね(笑)
>双葉師匠が72年の「スクリーン誌」の№.1に選んだ作品ですね。
そうでしたっけ。
なら、2位が「ダーティハリー」だったでしょうね。
「ゴッドファーザー」は圏外。
>多分吹き替えバージョンじゃないでしょうかね。
70年代後半(中盤)に放映された記憶がありますね。短い映画なので、吹替え版も本編はノーカットだったでしょう。
僕もこれで初めて観て、後年衛星放送で原語版を観ていると思います。
>「華麗なる」
「華麗なる賭け」のヒットからですね。「華麗なる週末」というコメディーもありました。僕はこれも観ていますよ。
日本は一度流行ると柳の下の泥鰌を狙ってタイトルを付ける悪弊(?)がありますね。マックィーンに関係ないもので、BBとCCが共演した変てこ西部劇が「華麗なる対決」となりました。
残念!
2位は「ラスト・ショー」。ハリーは3位でした。
ついでに4位は「キャバレー」、5位が「さすらいのカウボーイ」でした。
>「ゴッドファーザー」は圏外。
ご推察の通り。
>>なら、2位が「ダーティハリー」だったでしょうね。
>残念!
>2位は「ラスト・ショー」。ハリーは3位でした。
「ラスト・ショー」なら仕方がないか。
>ついでに4位は「キャバレー」、5位が「さすらいのカウボーイ」でした
この年は充実していましたねえ。