古典ときどき現代文学:読書録2026年夏号

 六月は予想ほど暑くならず良かった一方、天気の悪い日が多く梅雨らしい梅雨になっているのが鬱陶しい。

 さて、いつものように、大古典から始めますと、漢籍は「論衡」のみ。しかるに、余りに長いので3巻目は次回に回しました。これだけに一か月もかけるわけには参りませんから。逆に、日本の百科事典的読み物「嬉遊笑覧」は5分冊の最後の1冊を読み4年かけて遂に読了。やれやれという感じです。

 ここ2年程の傾向通りミステリーが多い。フリーマンのソーンダイク博士は短編ミステリーの古典。モーリス・ルブランの「アルセーヌ・ルパン」もの2冊。このシリーズも残り3冊となりました。クリスティーのポワロものは既読を別にしてほぼ順番通りに。高木彬光はミステリーとしてはもう大古典でしょうね。その他、ご紹介に与った比較的新しいものから正に新しいものを幾つか。色々とアイデアが出て来るものです。

 今回SFはないものの、SF的趣向の混じったものが多かった感あり。中学時代に難物のニューウェーヴSFに懲りてからどうもSFには偏見があってなかなか手を出さない。実際に読むと結構楽しんでしまうのですが。

 純文学系も新しめのものが多く、芥川賞シリーズは遂に2011年まで来ました。忘れもしない3・11が起きた年。僕はまだ読んでいませんが、震災後文学なるものがこの後現れてくるわけですね。  

 前口上はこのくらいに。それでは、リストをご笑覧ください。


***** 記 *****


R・オースティン・フリーマン
「歌う骨」
★★★ソーンダイク博士は「科捜研の女」の大先輩に当たる法医学者にして弁護士。事件を科学の角度から分析し、官憲の思い込みを覆す名探偵だ。シャーロック・ホームズに並ぶと称される。その割に一般レベルのミステリー・ファンには無名に近いのは考える余地あり。本作はその学者の活躍を五つ収めた短編集第2弾で、最初の「オスカー・ブロドスキー事件」は2011年『世界推理短編傑作集2』(江戸川乱歩選出)で読んでいる。2作目「練り上げた事前計画」は脱獄して別人として暮らしていた男が正体を見破った元看守を殺す事件を描く。犬の嗅覚を逆に使ったところが面白いが、周到すぎる事前計画がそこまで機能していない憾みがある。3作目「船上犯罪の因果」は普通短編集と同じ「歌う骨」もしくは「歌う白骨」という邦題で紹介されると思う。自分に不利な証言をした共犯者と再会した元囚人の灯台守が男を殺し、死体を置いたボートを沈める。4作目「ろくでなしのロマンス」は今や詐欺や窃盗犯に落ちぶれた元軍人が宝石を盗もうと入り込んだパーティーで思い出のある美人と再会するが、格闘の末に殺したと思い込む。クロロホルム絡みの事件の顛末。ここまで4作は倒叙ものの第一人者と言われるフリーマンらしい倒叙ものの好短編である。最後の「前科者」はソーンダイクが最初から犯人として目を付けられた元囚人を庇い、真犯人を見つけていく、という流れなので、典型的な倒叙ものではない。いずれも作品の目的は犯人当てではなく、彼がどうやったかを突き止めるハウダニットであり、そこから犯人が浮かび上がるのである。その典型がこの最後の作品ということになる。


ブレット・イーストン・エリス
「アメリカン・サイコ」
★四半世紀前に映画版を観たものの、余り記憶がない。しかし、これほど不快な内容だったか。金融界エリートえある一人称の主人公が述べることは章が変わっても概ねファッション、TVのトーク番組?「パティ・ウィンターズ」の話題、そしてオーディオヴィジュアルへのオタク的な言及ばかり。アイワ、ソニー、パイオニア、東芝、パナソニック、サンスイという単語が出て来て日本メーカーの全盛期ぶりが示され面白い。オーディオに関してはハイエンド指向で、スピーカーは我々には手が出ないインフィニティのハイエンドを使っている。それらのオタク的時間の狭間に人体を破壊しまくるが、世間はエリート人種の彼を罰しようとしない。殺害の具体的な叙述が実に不快で、やりきれない。その間に唐突に、ジェネシス、ホイットニー・ヒューストン、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの音楽レビューが入る。主人公の言葉と解釈するが、作者エリスの音楽レビューなのではないかとも思う。もう少し短ければ★一つ追加できるが。


舞城 王太郎
「ディスコ探偵水曜日」
★★★前半はタイム・スリップというSF的ギミックをベースにした本格ミステリー。しかし、主人公は迷子を捜す迷子探偵なので、趣向はハードボイルド探偵 meets 本格ミステリー探偵というおふざけ感覚だ。時々少女に成長してまた元に戻る幼女と暮らす主人公がパロディー的に何人も出て来る “名探偵” が提示した謎解きに乗って “名探偵” が次々と殺される怪事件を半ば解決したところで、後半に入る。後半はミステリアスなSFモードに様変わり、全編を通して神秘主義ミステリーのような印象を覚えさせる。神秘主義的衒学趣味という意味で「黒死館殺人事件」に通ずるものあり。その「黒死館」を含む日本三大ミステリーに伍する怪作という評価も頷けるが、少し長いかもしれませんなあ(奇書は概ね長い)。


王 充
「論衡」
★★著者は後漢初めの思想家。現在の評論家に近い位置にある合理主義もしくは運命論者で、迷信は徹底的に否定し、善政・悪政と自然現象は関係なく、善行・悪行は寿命に関係ない、という立場。諸子百家の誰をも論難する。孔子に対する批判は牽強付会の印象が強いと同時に、一番尊敬するのも孔子であろう。官僚より学者(儒生)を高い位置に置く。迷信を論破する部分は大きく頷ける一方、現在の立場では天文に関しては儒教の考えより間違いが多い。余りに長いので、今回は1300ページ弱までのところで一時終了。最後の600ページ余りは来期に読む。


朝吹 真理子
「きことわ」
★★★第144回(2010年下半期)芥川賞受賞作。子供時代に貧弱な別荘を借りていた女性の娘貴子(きこ)と管理人の娘永遠子(とわこ)が、25年ぶりに、壊すことになった別荘の整理の為に再会することになる。眠っている時に見る夢への言及があり、死を交えて、ほのかな幻想も交わって来るが、そこはかない7歳差の女性二人の交流ぶりを描き、難しくなさそうで結構まとめるのが難しい。


西村 賢太
「苦役列車」
★★★同じく第144回芥川賞受賞作。映画化されたものを12年前に観たが、作者その人に他ならない主人公・北町貫多に対して珍しく不快感を覚えた。しかし、僕のスタンスでは作品の評価に影響しない。自伝小説であるこちらの原作は映画ほど明るい未来を感じさせず、最後までどんよりしている。別の小説と思い込んで読んだ第二部「落ちぶれて袖に涙のふりそそぐ」は、この小説が芥川賞を受賞する少し前くらいの、こちらは本当の私小説だ。別の作品と考えれば、第一部「苦役列車」より落ちるが、彼が芥川賞より経験を問わない全短編作者が対象となる川端賞を重視していたことが解るのは興味深い。


円城 塔
「道化師の蝶」
★★★第146回(2011年下半期)芥川賞受賞作。下の作品と合わせて、ポール・オースターの「ニューヨーク三部作」にフリオ・コルタサスの不条理小説のムードを振りかけたような感じである。何重もの入れ子の小説であり、語り手である “わたし” が複数いるようで、同一人物のようでもあり、それが時に男性であり時に女性であるかもしれないと読者に考えさせる。男性とされた人物が子宮癌で死んだという妙な叙述が序盤にあり、それが本作の全体像を早くも明らかにする。ほぼ女性であると思われる人物と、ほぼ男性と思われる人物が別人であるという保証はこの作品にはない。オースターやコルタサスのように実存に関する小説だろう。

「松ノ枝の記」
★★★★互いの小説をそれを取り込んだ上で対話のように翻訳し合っていくという妙な関係を続けている人物が、相手の屋敷を訪れ、その相手が “手” であることを知る。その手の持ち主は作者(即ち ”手” )の姉と称するが、その手が書く内容は彼女の知らない彼女もしくは彼の経験なのである。お話は上より把握しやすいが、端的には表現しにくい。


田中 慎弥
「共喰い」
★★★★同じく第146回芥川賞受賞作。昭和63年という舞台設定だが、映画版と違って昭和の終わりについての言及はない。女性の首を絞めることでエクスタシーを感じる父親と同じ性癖を持っているのではないかと恐れる17歳の少年の心理を綴る。オイディプスその他との類似性で神話的という意見があるようだが、僕はもっと日本的な意味で神話的と感じた。 “もらっといてやる”、なかなかやりますな。

「第三紀層の魚」
★★こちらは、釣り好きの小学4年生男児のお話。100歳にならんかという釣り好きの祖父の病床で話し過ぎて、祖父の寿命を縮めたのではないかと恐れるのではなく、自慢したくもある児童の心理が面白い。全体としては素朴な家族を描いてい、上とは大分違う。


アガサ・クリスティー
「ビッグ4」
★★★エルキュール・ポワロもの第4作は本格ミステリーではなく、後の007のような国際陰謀団を巡る冒険サスペンスである。同時代のアルセーヌ・ルパンものに近いので個人的には楽しんだが、余り人気がないらしい。ご愁傷様。

「もの言えぬ証人」
★★★ポワロもの第14作。「犬の裁判」という本当に犬が被告になる実話ものの映画へのコメントで、モカさんから紹介に与った。犬が真実を知っていたと考えられる純文学ミステリー映画に「落下の解剖学」という傑作があり、本作はそれに近い。ドラマ版はポワロが極端に犬の(偶然の)ヒントに何度も助けられるが、原作ではポワロが自力で殺人と思われなかった殺人事件を解いていく。


杉森 久英
「天才と狂人の間」
★★★ “島田清次郎の生涯” というサブタイトルが付いている。島清は「地上」で若干二十歳で文壇の寵児となった自称 “天才” である。この人物の大言壮語ぶりや礼儀知らずには呆れ、 “誰にも好かれなかった男” と紹介されることがある。「地上」第1部は現在読んでもさほどとは思われないが、とにかく本人は自らを天才と思って文壇や人生の先輩方に概ね傲岸不遜の態度を取り続け、次第に見向きもされなくなり、遂に一時的とは言え精神病院に入る羽目になる。天才が狂気を生んだのか、狂気が彼を天才と称させたのか僕には分かりかける。


クレア・キーガン
「あずかりっ子」
★★★★映画版「コット、はじまりの夏」よりさらにコンパクトな内容である。映画版は、おじさんが一時的に預かった少女から目を離さないようにしていた様子を丹念に描いたが、これは映画の創作と考えられる。彼が息子を失った反省に基づく行動であることを示す布石だったと分からせる作劇だった。幕切れは翻訳の工夫もあって映画より解りやすい。少女は ”父さん” と称したくなったおじさんに “父さんが(来る)” と教えたのである。素敵でした。


ミシェル・マゴリアン
「おやすみなさいトムさん」
★★★★戦時中のお話で、孤独で人付き合いの悪い老人トムが疎開でロンドンから送られてきた少年ウィリーを預かるうちに、他の人にも心を開いていく。トムがネグレクトされて育った人見知りのウィリーを成長させ、ウィリーが若い時に愛妻と子供を失って人間嫌いになったトムを再生させる。児童文学は大人の精神衛生にも非常に良い。勿論少年時代にSNSの代わりにかかる小説を読んだら健全な精神が育つだろう。


井出 孫六
「アトラス伝説」
★★川上冬崖という明治初期の洋画家は陸軍の測地課長の立場であり、そこで部下の不祥事が元でスパイの疑いをかけられ、湯治先で謎の死(自殺)を遂げる。冬崖の伝記というか伝記小説。森鴎外の史伝に近いかもしれない。冬崖に興味があれば面白いと思う。

「『太陽』の葬送」
★★★こちらは重層的な手法で書かれた、明治時代に政治的雑誌『太陽』を創刊した大橋佐平の伝記的内容である。それを『太陽』を読んでいた “僕” の父親の人生を絡めながら進められるので、ぐっと小説的であり、面白味で直木賞を受賞した上に優ると思う。


立原 正秋
「剣ヶ崎」(再)
★★★★読んでいないと思ったが、ブログに読書録を発表する前に読んでいた。立原が朝鮮生まれという出自を生かした内容。4分の1朝鮮人の血を持つ主人公が、終戦の日直後の8月16日にナショナリストの深みに落ち込んだ従兄に妹を奪わせない・・・と兄を殺されるという事件に遭遇する。また、主人公の日朝ハーフの父親は軍隊から脱走して朝鮮人となり、十余年後に主人公と再会する。民族差別という問題もあるが、民族に関係なくアイデンティティという観念について考えたくなる。

「白い罌粟」(再)
★★★これも一緒に読んでいました。上が芥川賞候補になったのに対し、こちらは直木賞を受賞した。悪徳金貸しから金を借り、法的盲点をついて借り倒す男に協力した教師がどつぼに嵌って抜け出せなくなり、狂気に陥る。お話としては面白いものの、本人が期待していた芥川賞向きの内容ではないと思う。


ホリー・ジャクスン
「自由研究には向かない殺人」
★★★★高校の卒業を控えた女子高生がEPQという、日本の大学卒論に近い自由研究を使って、数年前に起きた女子高生の行方不明事件、事実上の死体なき殺人事件の真犯人を探そうとする。犯人とされて謎の死を遂げた自分の知人を無罪を明かすのが目的である。かなり人気の作品で、2月に予約して読めたのが5月後半だった。EPQというツールを使って映画にしたら受けそうな青春ミステリーである一方、YA小説の軽さが少し気になる。


レイチェル・カースン
「沈黙の春」
★★★★有吉佐和子はこれを読んで「複合汚染」を書いたと想像する。殺虫剤とその周辺薬品の広範な害を訴えたこちらは紛れもない学術本だが、文章がなかなか洒落ている。無味乾燥な書籍ではない。彼女たちの指摘は的を射ていて、60年前あるいは50年前よりは殺虫剤や農薬の問題は米日ともに大いに改善されているはずだが、現在はPFASなどの問題が新たに起こっている。自然は自然に任せるのが一番ということです。


モーリス・ルブラン
「二つの微笑を持つ女」(再)
★★★官憲を含めて登場人物がこぞって一人の女性と信じる二人の女性を巡るミステリー。旧作の幾つかを焼き直した感があるので、順番通りに読んで来るとそう感心しない。但し、これだけを読めば結構面白いだろう。

「特捜班ビクトール」(再)
★★「アクロイド殺人事件」もびっくり?(そこまでは行かぬか)のどんでん返しにはやられたと思うが、ルパンではなく刑事が主役で面白いわけがないですわな。この感想自体がミスリードなのですが。勘の良い方はもうわかってしまいましたね!


北村 薫
「スキップ」
★★★★タイムスリップもの+魂交換ものというハイブリッドと僕は考える。しかるに、17歳の少女がタイムスリップして25年後の自分の頭の中に入ってしまうのだから、タイム・パラドックスは一切存在しない。つまり本格SFではないのだ。ファンタジーとも殆ど言い切れない。ギミックだけがあり、後は17歳の時も42歳(肉体のみ)の時もヒロインが現実に対処していく学園青春小説である。42歳のヒロインは高校の教師であり、別の高校の教師である夫や、自分の学校に通う17歳の娘の協力を得て、難関を乗り越えていく。難点は42歳の魂はどうなったか全くわからないこと。17歳だから良いけれど、10歳では知識や経験量が絶対的に足りず、成り立たないでしょうな(笑)


島田 荘司
「異邦の騎士」
★★★★御手洗潔シリーズ第3弾。順番から言えば第1作同様傑作との呼び声の高い第2作を先に読むべきなのだが、こちらの推薦度が高かったので順番を無視した。途中までハードボイルド・サスペンスのように進む。本業は占星術の名探偵・御手洗潔が早めに出て来るので本格ミステリーにいつか転換するのだと思うも、なかなかそうならない。内容故に詳細は書けないが、着想が非常に秀逸。僕は第一弾を読んでいたのでまだ良いものの、いきなりこれを読んでも驚きが限られる可能性あり。書かれたのは本作の方が先だとか。ロマンス絡みのかなり切ない内容で、映画化したら面白そうだ。


ダニロ・キシュ
「庭、灰」
★★ユダヤ人の父親は結局アウシュヴィッツに消えていくのだが、ホロコースト小説ではなく、幻想小説の類である。消えた父親を少し大人になったルーマニア人の母との間に生まれた息子がその生涯や奇妙な活動を追想するうちに幻想に入っていく。戦後父親らしき人物を見るがこれは勿論頭の中での幻想にすぎない。かくして “僕” は信用できない語り手となる。


コーマック・マッカーシー
「すべての美しい馬」
★★★どこかで聞いた題名だと思ったら、20年程前にマット・デーモン(当時30歳)主演の映画版を観ていました。映画同様完全なる現代(1949年が背景)西部劇で、工業化が押し寄せ父親と離婚した母親に牧場を売り払われ、居場所を失ったと考える16歳の馬好き少年がテキサスから入ったメキシコで牧場主の娘と恋をし、それが原因で生命の危機にも遭遇するなど厳しい現実を知らされるという儀礼通過もの。台詞に鍵かっこがないタイプだが、改行されているので読むのに支障はない。その代わり句読点を意図的に省き、それを訳文でもやられているところは読みにくい。


高木 彬光
「人形はなぜ殺される」
★★★★1980年代以降のミステリーは特殊なギミックに頼るものが多く面白さでは不満を覚えない反面、そういうものばかり読んでいるとオーソドックスなミステリーを読みたくなる。本作はエラリー・クイーンを意識して実に正統的。さる元華族一族の関係者が、事前に用意された人形の殺され方と同じ手法で殺されていく。最初は所謂首チョンパ、次は列車に寄る轢死であるから、江戸川乱歩も真っ青の残虐(猟奇に本来残虐の意味はないので、その意味では使わないのが妥当。例えば一件だけの事件を指して猟奇事件というのはダメだ。AIが少し的を外れた回答をしたので抵抗する)ぶり。一種の見立て殺人とも言えますかな? 名探偵役の神津恭介も自分の乗った列車が轢死を起こすとは思っていなかっただろう。★5つもありと思ったが、遠慮することにする。


喜多村 筠庭
「嬉遊笑覧」
★江戸時代の百科事典的随筆あるいは随筆的百科事典。これが5分冊の最終5冊目(巻之十一から十二下+付録)。2022年秋から読み始め、1年位で読破する予定が足掛け4年弱かかってしまった。色々読まなければいけませんからね。語源などにも言及しているから、時代小説家は必読でしょうね。十一巻のテーマはハンディキャップのある人周辺。十二巻は動植物。猿に裃を着せるのは室町時代に遡るようだ。

この記事へのコメント

かずき
2026年07月01日 13:09
オカピーさん、こんにちは。

「ディスコ探偵水曜日」は読んだのが大分前で、SFが苦手なのもあって読むのにかなり難儀しましたが、それでも面白かったですね。
そうそう、SFと言えば、話題のSF小説を映画化した「プロジェクト・ヘイル・メアリー」が明後日からアマプラ見放題になりますよ。

「異邦の騎士」は秀逸で、私も見事に騙されました。
ロマンスもかなり切なかったです。
島田荘司では他に、おどろおどろしさ満点の「暗闇坂の人喰いの木」、社会派と本格派が融合した「奇想、天を動かす」も面白かったです。

他に昔読んで面白かった小説って何があっただろう?と思い、参考までに列挙してみました。

我孫子武丸
「殺戮にいたる病」(学生時代の私には刺激的で衝撃的でした)

貴志祐介
「黒い家」(原作も映画版も凄く怖いです)
「新世界より」(文庫本で上中下巻のSF大作)

酒見賢一
「後宮小説」(第1回日本ファンタジーノベル大賞、この賞の初期の作品は面白いです)

鈴木光司
「楽園」(第2回日本ファンタジーノベル優秀賞)
「リング」(映画版と違って原作は理系ホラーで面白いです)

佐藤亜紀
「バルタザールの遍歴」(第3回日本ファンタジーノベル大賞)
モカ
2026年07月01日 15:54
こんにちは。

クレア・キーガン
「あずかりっ子」
>幕切れは翻訳の工夫もあって映画より解りやすい。少女は ”父さん” と称したくなったおじさんに “父さんが(来る)” と教えたのである。素敵でした。

 映画も本も素敵でしたね。
 本ではラストの “ とおちゃん ” X 2 の事が訳者後書きに書かれていましたが、? でした。 そういう意味だったのですね! 


北村薫 「スキップ」
 出版直後に読んだ記憶がありますが、その後本も処分してしまいこの作者を追いかける事もなかったという事はあまり印象に残らなかったということでしょうね。
 この手の本は殆ど読まないのですが心に残っているものに

ケン・グリムウッド 「リプレイ」
 今やタイムスリップ物の古典になってしまいましたが30数年前の時点では面白かったです。 「ジャニス・ジョプリン」が言葉としてですが出てきますよ。気になるでしょう?

アレックス・シアラー 「13カ月と13週と13日と満月の夜」
 YA系では有名な作家ですがYA侮れず、です。

ホリー・ジャクスン
「自由研究には向かない殺人」
>映画にしたら受けそうな青春ミステリー

 もうNETFLIXでシーズン2まで観られますよ。(観ましたよ)
 これ、お話が完結していなくて、続編があと2冊あります。面白かったけど3冊目はちょっとびっくり、あり得ない展開かも?


コーマック・マッカーシー

 映画にもなった「ザ・ロード」しか読んでいませんが、「ノーカントリー」も映画化されているしアメリカでは超有名作家ですね。


↑ の方がお勧めになっている 佐藤亜紀 ですが私も何冊か読んでいますが、私的には当たり外れの振幅が大きい人です。 (自分の読解力のなさを棚に上げて言わせてもらえば無意味に難解? と思う作品もままあるかな?)

最近読んだ「喜べ、幸いなる魂よ」は面白かったし、随分前に読んだ「モンティニーの狼男爵」はこの作者にしては軽妙洒脱で楽しかったです。 
「パルタザールの遍歴」は昔すぎて忘れてしまいましたが、その後、佐藤亜紀を何冊かリピートしているので面白かったんだと思います。

 
 
 
 
2026年07月01日 18:00
>ブレット・イーストン・エリス
「アメリカン・サイコ」


★ひとつはさびしいな、と、思いつつ、実は日本で翻訳が出て話題になった当時、読んで「うーん」になった記憶が蘇り、まあ★ひとつ、かなって。主旨はわかるんですが、長すぎるし、わりと凡庸だったね、つまんない主人公がどれだけつまんないかを描き出していると言われるとそれまでになるんですが。

この小説は、中に出てくる女性を殺害して遺体をもてあそぶ描写がひどすぎるので発禁にしろと一部女性活動家が言い出して、それで話題になって、なんか下駄をはく格好になってたのを記憶しています。

映画は、主人公のこっけいさに焦点を当てて、ブラックコメディ風に仕立てて成功していました。役者もうまかった。この小説に関しては、映画の方がよかったです。
オカピー
2026年07月01日 21:19
かずきさん、こんにちは。

>「プロジェクト・ヘイル・メアリー」が明後日からアマプラ見放題になりますよ

早いですね。配信はWOWOWのような放映より概ね早いのかな。

>島田荘司では他に、おどろおどろしさ満点の「暗闇坂の人喰いの木」

題名は、横溝正史「病院坂の首縊りの家」のパロディーですね。
「斜め屋敷」と併せて読んでみようかな。

>参考までに列挙

目が悪くて車での移動が出来なくなる時のこと(早ければ来年)を考えると、図書館でしか読めないもの(古くて珍しいもの、漢籍のように高価なもの)を少し優先的に読んでおかないといけないので、全部に対応するのは無理ですが、とりあえず、

図書館に行く度に気になっていた、
>貴志祐介
>「黒い家」(原作も映画版も凄く怖いです)

と、

前回図書館に行った時にちらっと題名を見て通り過ぎた(笑)、
>鈴木光司
>「リング」(映画版と違って原作は理系ホラーで面白いです)

は今期(7月~9月)に読んでおきましょうかね。

将来的には、アマゾンのKindle Unlimitedを契約しようかと思っています。
オカピー
2026年07月01日 21:35
モカさん、こんにちは。

>ケン・グリムウッド 「リプレイ」
>ジャニス・ジョプリン」が言葉としてですが出てきますよ。気になるでしょう?

そりゃあもう^^
しかし、「スキップ」の逆バージョンみたいですね。

>アレックス・シアラー 「13カ月と13週と13日と満月の夜」

有名ですか^^:
題名からは内容は想像できないなあ。

>ホリー・ジャクスン
>「自由研究には向かない殺人」
>これ、お話が完結していなくて、続編があと2冊あります。

それらしい題名を目にしました。
しかし「自由研究」が読めない時に読もうとしたらそれらも読めなかったのですが、続編であるなら却って幸いだったかも。

>佐藤亜紀
>「パルタザールの遍歴」

結果的に二人から言及がありましたので、早めに読まないといけないかあ(笑)
オカピー
2026年07月01日 21:45
nesskoさん、こんにちは。

>ブレット・イーストン・エリス
>「アメリカン・サイコ」
>★ひとつはさびしいな、と、思いつつ

もう少し短ければ(★二つ)、というところもありましたね。
発禁する必要はないですが、映像がない分却って気持ちが悪くなる感じがしました。マルキ・ド・サドの「ジュリエット 悪徳の栄え」で似たような感覚に陥ったのを思い出しましたが、話はあちらのほうが全然面白い。

>この小説に関しては、映画の方がよかったです。

映画に関しては☆☆☆を付けた記憶があるから、そうかもしれません。
mirage
2026年07月06日 09:50
こんにちは、オカピーさん。

北村薫さんの「スキップ」は、"時と人の三部作"の第1弾ですね。
気が付いてみたら、いきなり25年もタイムスリップしていたとは。
もし自分だったらどうなってしまうのでしょう。なかなか想像がつきません。

通常、人間の成長や変化は緩やかで徐々に訪れるもの。
それなのに、その過程が完全に分断されてしまうのです。
特に、17歳からの25年が飛んでしまうということは、少女から大人の女性になる微妙な時期をも、すっぽりと切り取られてしまうということ。
小説とは言え、なんともきつい状況ですね。

昨日まで高校生だった子に学校の先生が勤まるのかとか、そういう疑問も当然出てくるとは思うのですが、しかし真理子は痛々しいほど前向き。
家族の協力があってこそとは言え、何事からも逃げないでぶつかっていくのは、元々の真理子という人間が持つ力なのですね。

人間というものは、年をとろうが何しようが、根本の所ではそれほど大きく変わらないのかもしれません。
だからこそ、この作品が単なるSFで終わったりしないのでしょう。

そしてありのままの自分で頑張る真理子に対する、夫である桜木先生の言葉がとても良いですね。
「分からないことがあったら、ごまかさない。人にどう思われたっていい。その場ですぐに聞こう。そして、身につけよう。」
実際はそういう簡単なことが、なかなかできないのですが。

そして最後の新田君とのやりとりはとても切ないですね。
しかしやり直しはもうできないのですね。
自分が選んだ覚えのない人生の責任をとらなくてはいけないというのは、本当に切ないことですね。
オカピー
2026年07月06日 21:00
mirageさん、こんにちは。

>北村薫さんの「スキップ」は、"時と人の三部作"の第1弾ですね。

先日この方の小説を映画化した「ターン」を再鑑賞して記事にした時に、常連のモカさんが"時と人の三部作"の一つとして紹介してくれたので、読んでみたわけです。
女性作家の高村薫と混同しがちな名前ですね。

>しかしやり直しはもうできないのですね。

先が気になったので珍しく、終盤のちょっと眺めたところ、やはり17歳に戻るのかと安心して読み進んでいったら、違っていました^^;
僕にはこれはSFとは思えません。ファンタジーではあるでしょうが、敢えてジャンルを一つに絞るのなら学園ものと言いたいと思います。