映画評「天地創造」
☆☆☆★(7点/10点満点中)
1966年アメリカ=イタリア合作映画 監督ジョン・ヒューストン
ネタバレあり
聖書は一通り読んだことがある。旧約聖書はスペクタクル性が高いので、こういうスペクタクル映画には向いている。 IMDb での評価が余り高くないのは、原理主義的に捉える人にはどこか愉快ならざることがあるのかもしれない。非クリスチャンの我々にはそんなことは関係なく、素直にスペクタクルな画面に没入すればよろし。
監督は相対的に不調期にあったジョン・ヒューストンで、不調期云々はともかく、レッド・パージで保守の連中に嫌われたヒューストンが面白がって作るタイプの作品でもない。
1980年代に地上波で観たが、その時とは比べ物にならない解像度が素晴らしい。
文字通り天地創造から始まり、アダムとイブのお話、その子供のカインが弟アベルが殺す事件、さらにその弟セトの息子ノアが方舟を作りアトラス山に辿り着く話。
ここでインターミッションが入った後、バベルの塔建設という神に対する不遜により言葉が多言語化したエピソード、ソドムとゴモラの顛末、そしてその関係者であるアブラハムが年老いて正妻サラとの間に漸くできた嫡男イサクを生贄にしろと神に命じられるまで、ざっと計7話が紹介される。
旧約聖書には歴史書の趣きがあるが、まだ正史と捉えるには些か無理がある序盤の話で、聖書に書いてあることは全て真実と信じるムキの信者と違う我々は、画面的に面白いかどうかが評価の基準となる。
という意味では前半のほうが興趣を覚えるものが多く、まだヌード解禁前のアメリカ映画がアダムとイヴをどう見せるかという興味もあるし、ノアの箱舟の動物たちの大集合も一応面白い。中東近辺の世界観しかなかった聖書時代に照らしてみると、カンガルーが出て来るのは妙ですが。
バベルの塔は混乱模様ばかりで塔そのものが殆ど出て来ないのは不満で、その後のソドム住民を意図的に蛮族的に描いた部分の方が楽しめる。但し、ロトの妻が塩の柱になる模様は「ソドムとゴモラ」(1962年)を観ているムキにはインパクトが弱いだろう。アブラハムは神の試練に勝った形で、聖書は色々な形で弱い人々を説教する本であるということがよく解る次第。人間の進歩には邪魔にありそうな説話もありますがね。
トランプの支持率が低いと言っても40%前後の人に支持され、イスラエルの無謀に否定的にならない人が多いのは、原理主義のせい。原理主義者においてはユダヤ教もキリスト教も殆ど同じ。現在問題になっている玉川徹ユダヤ人発言の真意は“ユダヤ人はイランに受け入れられない敵である”ということだったと僕は推測する。玉川氏は、東京五輪の真夏開催(開催時期は大金を払っている米国TV局にIOCが逆らえないだけで開催国・開催都市に関係ない)を日本人の根性論と結び付けようとするなど僕もデタラメを言ってばかりと思っているわけで、別に彼を贔屓にしているわけではない。
1966年アメリカ=イタリア合作映画 監督ジョン・ヒューストン
ネタバレあり
聖書は一通り読んだことがある。旧約聖書はスペクタクル性が高いので、こういうスペクタクル映画には向いている。 IMDb での評価が余り高くないのは、原理主義的に捉える人にはどこか愉快ならざることがあるのかもしれない。非クリスチャンの我々にはそんなことは関係なく、素直にスペクタクルな画面に没入すればよろし。
監督は相対的に不調期にあったジョン・ヒューストンで、不調期云々はともかく、レッド・パージで保守の連中に嫌われたヒューストンが面白がって作るタイプの作品でもない。
1980年代に地上波で観たが、その時とは比べ物にならない解像度が素晴らしい。
文字通り天地創造から始まり、アダムとイブのお話、その子供のカインが弟アベルが殺す事件、さらにその弟セトの息子ノアが方舟を作りアトラス山に辿り着く話。
ここでインターミッションが入った後、バベルの塔建設という神に対する不遜により言葉が多言語化したエピソード、ソドムとゴモラの顛末、そしてその関係者であるアブラハムが年老いて正妻サラとの間に漸くできた嫡男イサクを生贄にしろと神に命じられるまで、ざっと計7話が紹介される。
旧約聖書には歴史書の趣きがあるが、まだ正史と捉えるには些か無理がある序盤の話で、聖書に書いてあることは全て真実と信じるムキの信者と違う我々は、画面的に面白いかどうかが評価の基準となる。
という意味では前半のほうが興趣を覚えるものが多く、まだヌード解禁前のアメリカ映画がアダムとイヴをどう見せるかという興味もあるし、ノアの箱舟の動物たちの大集合も一応面白い。中東近辺の世界観しかなかった聖書時代に照らしてみると、カンガルーが出て来るのは妙ですが。
バベルの塔は混乱模様ばかりで塔そのものが殆ど出て来ないのは不満で、その後のソドム住民を意図的に蛮族的に描いた部分の方が楽しめる。但し、ロトの妻が塩の柱になる模様は「ソドムとゴモラ」(1962年)を観ているムキにはインパクトが弱いだろう。アブラハムは神の試練に勝った形で、聖書は色々な形で弱い人々を説教する本であるということがよく解る次第。人間の進歩には邪魔にありそうな説話もありますがね。
トランプの支持率が低いと言っても40%前後の人に支持され、イスラエルの無謀に否定的にならない人が多いのは、原理主義のせい。原理主義者においてはユダヤ教もキリスト教も殆ど同じ。現在問題になっている玉川徹ユダヤ人発言の真意は“ユダヤ人はイランに受け入れられない敵である”ということだったと僕は推測する。玉川氏は、東京五輪の真夏開催(開催時期は大金を払っている米国TV局にIOCが逆らえないだけで開催国・開催都市に関係ない)を日本人の根性論と結び付けようとするなど僕もデタラメを言ってばかりと思っているわけで、別に彼を贔屓にしているわけではない。
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