映画評「婚礼」

☆☆★(5点/10点満点中)
1973年ポーランド映画 監督アンジェイ・ワイダ
ネタバレあり

アンジェイ・ワイダ特集第2弾。観た可能性があると思いつつ、観ていても観るつもりで観たが、寧ろ観ていない可能性が強いという結論を得た。

例によって、蹂躙された祖国への思いを難解な表現方法でぶちまけたお話で、そこには蹂躙した連中の一つに過ぎない当時の共産党体制への敬意はない。ワイダにとってソ連の傀儡的な連中など批判の対象でしかない。
 とは言え検閲と縁が切れない共産主義体制であるから、こういう遠回しの皮肉で作るのである。

1900年のポーランドはクラクフ。
 若い詩人(ダニエル・オルブリフスキ)と花嫁(エヴァ・ジエンテク)が教会で結婚式を挙げ、花嫁の義兄である画家(マレック・ヴァルチュウスキ)の屋敷でその披露宴が行なわれ、階級を超えた無礼講のどんちゃん騒ぎになる。そこへポーランドでも嫌われ者のユダヤ商人の娘(マヤ・コモロフスカ)が現れ、帰りさ(帰る時に)庭の藁人形にまじないをかけ、人々を幻想に落とし込む。その最中亡霊が現れ、主人にポーランド独立の蜂起を指示するよう言う。

という、露墺普に三分割されていたポーランドを背景にした幻想劇で、その18年後の1918年遂にポーランドは独立を果たす。

21年後にドイツによりその独立が再び奪われ、その数年後敗走したドイツの代わりに生まれたのはソ連の傀儡にすぎない共産党体制である。ワイダにとっては蜂起や革命で勝ち取ったものではない当時の共産党体制は唾棄すべきものでこそあれ、1918年に重ねるものは一切なかったのだろう。つまり、無言に現在の体制を批判したものと僕は考える。
 検閲官が見た目に批判や風刺がなければ認めてしまうのはどの国でも同じ。

極めて舞台的な内容と言うべし。現に原作はスタニスワフ・ヴィスピアンスキなる劇作家の戯曲らしく、ワイダはその舞台の演出も手掛けたことがあるらしい。
 2回観ればもっと見えて来るものがあると思うが、余りの狂騒ぶりに辟易するうちに退屈して集中力を欠き、わけが解らなくなるという悪循環に陥った。観客たる僕に問題はある一方、一人合点としか思えないところが少なくない作り方にも問題があるだろう。

咒は呪(まじない)の異字体だが、見慣れない為か本当に呪(のろ)いの恐怖を感じる。

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